私学の経済ポジショニング[15]OECD専門家セミナーと白梅学園清修
☆昨日(2008年8月29日)、千代田区丸の内にある東北大学東京分室で、「専門家セミナー」が開催(主催 国立教育政策研究所 初等中等教育研究部・共催 東北大学大学院教育学研究科)された。テーマは「キーコンピテンシーと形成的アセスメント」で、OECD/CERI(教育研究革新センター)の評価研究プロジェクトリーダーだった、ジャネット・ルーニー氏が基調講演を行った。
☆そして、日本の先導的実践事例として、小学校は富山市の堀川小学校の教育実践が報告され、中学の部では、白梅学園清修の教育実践が報告された。
☆生徒一人ひとりの理解度を測り、タイムリーに頻繁に対話をすることで生徒の思考の広がりと深さの促進をサポートし、そして生徒一人ひとりの独自性を発見することで生きるよりどころであるキーコンピテンシーを共に作り上げる形成的なアセスメント行為の必要性について、話し合われた。
☆もちろん従来のテストや試験による総括的なアセスメントとのバランスが重要なのであるが、この形成的アセスメントの考え方が、従来のテストの作り方に変更をせまるシナジー効果をあげるだろうとルーニー氏は指摘していた。テストでも思考の深さを測ることはできる。PISAがその例だろう。
☆また、形成的アセスメントを実行するには、教師間の議論、生徒のポートフォリオやログノートを細かく見ていかなければならず、教師の時間をどう確保するか問題になるが、それはICTの導入によって解決するとも指摘。そしてそのパーフェクトな白梅学園清修の実践事例が柴田副校長によって報告された。
☆本セミナーでは、形成的アセスメントの概念が中心に議論されたが、2校の実践例は、ある意味、その見える化であった。仕掛け人の東北大学の有本教授のセミナープログラムのデザインはなかなかのものだったと思う。ただし、参加者は政策にかかわるメンバー、研究メンバーだけではなく、現場実践メンバーが多かったので、抽象と具体をうまく結び付けられたかどうかは、参加者の見識にゆだねられた。
☆セミナー第二部は、懇親会。そこでお会いした秋田県の公立中高一貫校の校長先生が、またおもしろかった。公立の立ち位置にいながら、理念と実践と迫力は≪私学の系譜≫。ハイデッガーと数学のレトリックで、知識の背景にある存在の根拠を問い返す見識と気迫に圧倒された。従来の学びがいかに要素還元主義なのか、これからは知の関係総体主義の時代であることを、微分積分の数学の概念から導かれていたのにも驚いた。秋田県学力ナンバー1の秘密が少し見えたような気がした。この点については有本教授も高い興味と関心を寄せていたほど。いずれにしても、すごい人がいるものである。
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