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09年中学入試に向けて[18]中高に与える附属小学校の影響

☆読売ウイークリー(2008年8月31日号)で、新連載が始まりました。それは、教育ジャーナリスト鈴木隆祐氏による「短期集中連載 最高の授業」で、私立小学校バージョンです。鈴木氏は、「名門中学 最高の授業」(学研新書2008)を書きあげていて、私立中高一貫校の最高の授業の取材とその表現において評価が高いジャーナリストですね。

☆すでに「名門高校人脈」を書き上げていますから、今度はいよいよ名門中学の附属小学校の取材に乗り出したようです。鈴木氏はフランスの社会学者ピエール・ブルデューの文化資本の再生産の分析概念「ハビトゥス」を取材の枠組み(価値基準)としています。

☆社会学的には「ハビトゥス」は、組織を硬直化したり、新しい変化を阻害したりする文化資本の再生産を分析する概念ツールですが、鈴木氏は、「ハビトゥス」を価値中立的に活用しています。

☆硬直化する頑迷な文化資本再生産装置としての「ハビトゥス」という意味でも使うときもあるだろうし、常に内生的成長を続けるイノベーション開発としての文化資本再生産装置としての「ハビトゥス」という意味でも使っています。

☆ある意味、近代の文化資本の再生産装置としての「ハビトゥス」のアイロニーを語れる道具的活用をしているので、鈴木氏の活用の方法はより戦略的だともいえますね。

☆さて、第一回目は、洗足学園小学校と西武学園文理小学校が取り上げられていました。小学校卒業の進路は必ずしも付属の中高ではないというところを「ハビトゥス」的考え方から見ればどう解釈するのかは、なかなか難しいですが、いずれにしても両校とも、中学受験学力以上の教養知を小学校からトレーニングしています。

☆洗足の場合は、読書体験と音楽体験の充実。西武の場合だと、グローバリゼーションにつながる英語教育と幾何学を通して論理的な言語力を身につけさせる授業の開発というところに焦点が当てられていました。

☆そして見逃してはならないのは、富裕層やニューリッチ層が、両校の新しい学びの環境を支持しているということですね。格差問題を作りだすと非難する前に、未来の学びとは何かをリフレクションできる層のニーズを、文科省は謙虚に調査する必要があります。彼らに背を向けて、全国学力テストによる調査をしても、それは泥沼にはまってしまった自分が、そこから抜け出すときに、自分の髪の毛を引っ張って抜けだそうとする無益な行為に似ています。

☆ルサンチマンの裏返しの権力構造をフラット化することが、文科省自身のミッションのような気がします。最近「全国学力・学習状況調査の分析・活用の推進に関する専門家検討会議」が、公表した2007年度調査の追加分析結果は、膨大な量があるからまだホームページに掲載していないということです。もしお急ぎの場合、大学の教員ならお渡しできますが、一般市民の方は掲載されるまで待ってくださいということらしい。納税者国民よりも権威を選択するとは。。。まだまだ官尊民卑、学尊民卑ですね。担当官は、上から言われていますから、ご勘弁をということのようですが・・・^^;。

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