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09年中学入試に向けて[20]武蔵の行方

武蔵高等学校・中学校の学校案内を拝読し、教育の質の高さを改めて確認しましたが、いつも感じる違和感は何だろうと思いめぐらしてみました。でもわかりません。ただ、「自由」という校風にも、違和感がやはりあるのです。

☆自由とは個性や独自性の保障でも条件でもないのですが、武蔵の場合はそんな感じがするんですね。個性や独自性は自由の条件であるかもしれませんが、その逆は真ではないような気がするんですね。

☆しかし武蔵はあまりに自調自考の条件として自由があるような気がするのです。EUやアメリカとは違う自由、フランス革命の自由とはまた違う自由・・・。

☆勝手気ままな表面的な自由とは、もちろん違います。もしかしたら学問の自由という制限付きの自由なのかもしれません。社会改革とかには無縁な感じがします。

☆だから、従来のような学問的価値より経済的価値を前面に出している東京大学での研究の意味を見いだせなくなっている在校生がいるのではないでしょうか。今や東京大学は学問だけやっていればよいという雰囲気ではないですからね。学問と経済は両輪という感じでしょう。

Photo ☆しかもこの傾向は地球規模で広まっています。だから大学へのモチベーションは、かつてとは違う何かが生まれているのではないでしょうか。しかし、学校当局自身は、建学の精神や教育理念におけるアカデミズムの考え方は変わらないのですね。どこか学尊民卑な、ちょっと≪私学の系譜≫としては亜流というか、何か違う感じがしてならないのです。

☆海外の提携校も、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、中国、韓国で、アメリカには、今のところ提携校を見つけていません。

☆武蔵の学長は、あの有馬朗人氏。東大総長や中教審の座長、参議院議員などを歴任した超有名な物理学者ですね。武蔵のOBでもあります。また東京大学の法学部の思想的ベースを作り上げた碧海純一氏もOBです。カール・ポパーの合理的でヘーゲルやプラトン大嫌いな分析哲学の系譜、つまり加藤弘之以来の≪官学の系譜≫を新しい革袋で継承した哲学者です。バートランド・ラッセル的な哲学の匂いもしますね。あの宮崎喜一元首相もOBです。

☆創設者が≪私学の系譜≫の第一世代ではなかったというのが、麻布や開成、女子学院と違う雰囲気の「自由」を形成しているのかもしれません。いずれにしても、武蔵の経営の論理と倫理からすれば、武蔵のアカデミズムのパラダイムの転換は必要な気がします。生徒自身にとっては、それは自分の問題で、学校自身は伝統を保守していれば、あとは自分が独自のベクトルを見つけるので、余計なことはしなくていいですよということなのかもしれませんが・・・。

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