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私学の経済ポジショニング[24]OECD専門家セミナーと白梅学園清修⑨

私学の経済ポジショニング[22]OECD専門家セミナーと白梅学園清修⑧のつづき。ジャネット・ルーニー氏の語る6つの形成的アセスメントの要素のうち、2つ目の要素に進もう。その要素は「学習ゴールの確立とそれらゴールに向けた個々の生徒の学力進歩の追跡」であり、そのサブ要素は、次の2つ。

①生徒の学力進歩を追跡すること。

②学習ゴールを調整すること。

☆①についてだが、入試→学力状況を診断するテスト→アチーブメントテスト+各種検定試験→・・・・と続いていて、すべてデータベース化されている。このテスト以外にも、確認テストや添削や論文指導、スピーチ指導などが織り込まれている。すでに紹介した毎日のSTUDENT BOOKもある。

☆単純にテストの得点スコアの推移を見るだけではなく、どの問題のどこの思考プロセスで躓いたのか、どうすればクリアできるのか、白梅学園清修の教師は日々探究把握している。

☆②については、あらゆる学習環境の中で行われているが、最も特徴的なのはセルフラーニングタイムだろう。これについては清修のホームページに的確に紹介されているので、それを引用する。

●月~金までの放課後の1コマは、指名制による「その日のうちの理解」と、「発展学習」に着手できる自学自習空間を設けます。自己学習といっても、完全に放任するわけではありません。全教科担当が常駐し、生徒の学習をタイムリーに手助けします。

●「飛び級」的な発展学習にも挑戦します。
授業の際に「発展学習」としての教材を紹介し、放課後に解答・解説を行います。また、中1の段階から「大学入試アプローチ学習」として、理科・数学にも重点を置いた知的刺激教材に組み込んでいます。

●自己管理を徹底します。
中学の3年間は「スチューデントブック」を用いて、生徒が自身のスケジュールを組めるよう、生徒一人ひとりのスケジュールを見て、丁寧にアドバイスします。そうすることで、次の3年間はしっかりと自分自身で組み立てることができるようになります。

☆指名制・発展学習・飛び級的発展学習という3つの段階に分けられるには、生徒の学力進歩を的確に把握していなければならないし、清修の場合は、この把握を生徒とも共有している。生徒自身が振り返る力を持つようになるからこそ、セルフラーニングタイムは意味があるのである。そしてここでもログブックとしてのSTUDENT BOOKは大切な役割を果たしている。

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