私学の経済ポジショニング[25]OECD専門家セミナーと白梅学園清修⑩
☆私学の経済ポジショニング[24]OECD専門家セミナーと白梅学園清修⑨のつづき。形成的アセスメントを構成する3つ目の要素は、「多様なニーズを満たす様々な指導方法の活用」である。サブテーマは次の5つ。
1)教室での課業においていくつかのオプションを生徒に提供する。
2)概念を説明するのに異なるアプローチをしようとする。
3)豊富な種類の活動を持った活発な授業。
4)スケジュールが変化に富んでいる。
5)順調に伸びている生徒の学力を発達させることも、手助けを必要としている生徒に追加の補助を提供することも。
☆1)については、学習指導要領を拡大している領域はすべてオプションだと考えてよい。すべての教科で、文科省が与えるミニマムの境界をはるかに超えた内容が学習されている。
☆2)については、どの教室も電子ボードが使えるので、マルティメディアの学習ツールを使用することにより、概念を説明するのに異なるアプローチが手軽にできる環境になっている。しかし、数学に顕著なように、一つの問題の解き方を、代数的アプローチで考えてみたり、幾何学的アプローチで考えてみたり、多角的な考え方ができるように工夫されている。東大の問題を中学数学で解くチャレンジは、解くことが目的ではなく、数学とは何か、その本質に迫る授業が展開されているのだ。
☆3)については、議論、調査、発表、もちろん体験など、座学だけではないアクティブな授業である。
☆4)については、65分授業あり、短めの授業あり、セルフ学習の時間あり、エリアコラボレーションという地域密着型アクティビティありで、一日の中でも変化に富んでいる。一年通じて、校外学習も多様で、生徒は自律し楽しみながら活動しなければ、目が回るほどだろう。
☆5)については、これはそれぞれの生徒の学習ゴールを調整することと同じであるから、すでに前回紹介した。セルフラーニングタイムで、指名制・発展学習・飛び級的発展学習という3階層で柔軟に対応している学習環境を設定している。
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