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09年中学入試に向けて[28]カリタスとドミニコ

☆今週の「読売ウィークリー(2008.9.21)」には、教育ジャーナリストの鈴木隆祐氏によるカリタス小とドミニコ小の取材記事が掲載されています。カリタスとドミニコは、カナダ管区のカトリック修道会にルーツを持っているし、幼稚園の育児の手法もモンテソッリ流儀。フランス語の授業の環境も両校は持っていて、似ています。しかし、今回の取材で、違いもはっきり表現されています。

☆そしてその差異が、中高一貫教育に大きな影響を与えているようです。カリタスはプログラム重視ですね。プログラムとして授業を見える化するスキルを持った教師がいます。ドミニコは、それは同じドミニコ会が運営する松山の愛光学園もそうですが、プログラムという仕掛けにするのはなぜか避けられます。

☆というのもドミニコ会の創始者聖ドミニコは、学としての何ものかを一つも残していないからですね。今でもカトリック神学に影響を及ぼし、多くの近現代の哲学者が乗り越えようとしたトマス・アキナス(ドミニコ会士です)でさえも、自身が著した膨大な書物を、わらくずほどの価値もないと捨て去ったぐらいです。ただ重視されるのは対話なのです。その語り合いの響きを継承してきたのですね。

☆カリタスはプログラムがしっかりしているので、生徒の作品がポートフォリオとしてきちんと残ります。アメリカ的な新しい学習の理論が背景にあるのでしょう。それゆえ、鈴木氏はプロテスタントの学校のようだというメタファーを使います。

☆なるほどカリタスは新しい修道会です。ドミニコは700年以上も前に生まれた修道会です。その違いは明白でしょう。活力あるカトリック学校と響き合いのカトリック学校。愛は行動から生まれ、真理は対話が守るという対比でしょうか。

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