09年中学入試に向けて[36]70周年を迎えた八雲学園
☆2008年9月15日八雲学園の説明会が開催されました。会場の体育館は、2年前から満杯状態になっていますが、今年はさらに参加者が増え、ついに後ろの壁ぎりぎりまで、椅子が並べられました。
☆今年同学園は70周年を迎え、その記念に制服が新しくなったり、エンブレムのデザインなどが変わりました。しかし何より、生徒、教職員、保護者が一丸となって、内生的成長期に入ろうとしている教育の質の大転換の雰囲気に満ちていました。
☆そのことは、当日配布された資料をグラフ化してみると一目瞭然です。中学再開の草創期は、ちょうど日本の経済の空白期で、98年・99年は、その負の影響が私立学校を襲いました。私学危機と私は呼んでいます。この時期を乗り切れたかどうかで、その後の学校の成長の分かれ目になったのですが、八雲学園は見事に乗り越えましたね。
☆しかし、草創期というのは順風満帆とは限りません。紆余曲折です。失速する場合もあります。試行錯誤の時期を経て、成熟期にジャンプするには、校長の戦略的なかじ取りが重要な局面を迎える時があります。八雲学園もその例外ではありません。中学再開6年目に、大学進学実績が世間的に納得がいかなかった―当時は偏差値や大学進学実績のみで学校を評価する風潮がまだまだ強かったのです―ので、まず教育の質を充実させていた同学園のやり方に改善を加える決断をしなければならない時期に直面したのです。
☆そこで、近藤校長は、進学指導を外部の専門家とコラボレーションしながら、進学実績という結果を出すプログラムを開発する選択をしました。その瞬時の判断の効果は絶大で、あっという間に教育の質と結果の相関が目に見える形となったのです。
☆そして、午後入試の新設や複数受験のアドバンテージシステムなど、入試改革も相まって、飛躍的に成長し、70周年を迎えたちょうど今年、草創期から成熟期に完全に移行することになったのだと思います。成熟期は、次々と新しいことを行っていくというよりも、教育の質の時塾期ですから、油断すると停滞します。内生的成長の日々努力がポイントになりますが、そのような時期にいよいよはいったなと予感させる説明会でした。
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