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09年中学入試に向けて[48]国学院久我山 特進コース強化

☆2009年中学入試において、国学院久我山は、特進コースに入学する生徒を募集するSTクラス選抜の2回目を新設します。STクラス選抜試験は、1回目も・2回目も午後入試であり、2科目試験です。

☆もっとも、「STクラスは、【STクラス選抜入試】の合格者と、一般入試回の成績上位者、および入学前に実施される『学力診断テスト』の上位者によって編成します。」ということで、ST選抜試験以外にも門戸は開かれてはいます。

☆STクラスの確保のためには、選抜入試を受けておく方がお得感があるのかもしれません。いずれにしても、STクラスの目標は、明確に表現されています。同校のホームページによると、東大一直線のクラスだということでしょうか。

めざすのは、東京大学や一橋大学をはじめとする最難関大学への現役合格です。

☆今年から、STクラスが中学でスタートしたようです。その理由は、「大学全入時代といわれていますが、国公立大学をはじめとする最難関大学入試は、より厳しさを増しています。そんな中、最難関大学へ現役で合格するためには、早い段階からの準備が必要になります。本校でもそのような状況を鑑み、また最難関大学への合格を志向している生徒たちの希望を実現するために、より高く、より深い内容の授業を展開します。」ということのようです。

☆ここには経営の論理と教育の論理がしっかりあります。しかし、これだけでは本当はないのですね。ただ、「経営の論理と倫理」と「教育の論理と倫理」のうち、「経営の論理」「教育の論理」を前面に押し出さないと、受験市場の中で理解されにくいという時代の流れを現実的に読んだ結果、こういう戦術を実行したのでしょう。

☆STクラスのSには、3つの意味があるようです。同校のホームページから引用します。

1)Summit(サミット):頂上をめざして
東大・一橋大をはじめとする最難関国公立大学を目指します!
いま、大学入試は「選ばれる」時代から「選ぶ」時代へ。同じ「選ぶ」ならば、最高峰を目指したい。そして、その遠大な目標に向けて挑み続けます。


2)Straight(ストレート):真っ直ぐに
「目標」の達成に向けて現役合格できるように努力を重ねます!
クラブ活動も大切に、行事も精一杯取り組みたい。あくまで学校生活の機軸は「学習」にあることを念頭に「真っ直ぐに」学ぶことは「広く、深く」学ぶことでもあります。


3)Spirit(スピリット):気概をもって
どんな困難にも決してあきらめることなく邁進します!
その昔、「順境は悪徳をあらわし逆境は美徳をあらわす」と言った人がいた。辛く苦しい時にがんばる人の姿ほど美しいものはない。そんな人をめざして、挑み続ける「わたし」でありたいと思います。

☆ここには「経営の倫理」「教育の倫理」も見え隠れしています。理念と現実の実用的な仕掛け作りとして、保護者にとっては安心できるプログラムではあります。

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