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15歳問題[02]問題の周辺②

☆「15歳問題[01]問題の周辺①」のつづき。「15歳問題」を予想するロスジェネをめぐる物語については、三浦展氏の著作「格差社会のサバイバル術―生き残りを賭ける人と企業 (学研新書 36)」を参照していただき、現代思想や社会批評的な枠組みとしては、宮台真司氏と速水由紀子氏の対話編「サイファ覚醒せよ!―世界の新解読バイブル (ちくま文庫)」東浩紀氏の「動物化するポストモダン」を参照していただくことにして、ここでは、動物化するあるいは存在の響きが限りなく弱くなる社会システムの準拠をみていきたい。

☆子どもたちの人間形成の基本的な準拠(パラダイム)を座標系でとらえてみる。保護者と話をしていると基本的には「のびのび」育てるべきか「きっちり」育てるべきかというのが共通した話題になる。また何をいかに学ぶか、どのようなことを考えられるようになるのかも深刻な問題である。

☆そして学びの中心はやはり学校なのである。ゆとり教育以来、学びは二つの知の拠点ができた。それは従来型の「教科型知」と特に現行の学習指導要領で明確に現れた「横断型知」である。

Photo ☆この4つの項目を図のように座標化してみた。「教科型知」と「横断型知」の軸には、レベルを設定しているが、これはOECD/PISAの世界標準の学習習熟度のレベルをベースにした。基本的には盟友岡部憲治氏の「かんがえ型」そのものである

☆レベル0は知識との遭遇。レベル1は知識の確認(短期記憶)。レベル2は知識の整理。レベル3は知識の分類・照合。レベル4は知識を論理的に使って考える。レベル5は知識を使って批判的に考える。レベル6は既知を使って新たな知識を創造的に考える。

☆また成長とともに「のびのび型」は「自由型」という言動様式にシフトし、「きっちり型」は「規律型」にシフトするが、今のとことろは、定義というよりはイメージで「のびのび型」「きっちり型」というとらえ方をしておこう。

☆理想的な人間形成は、4つの象限すべてを包括することで、私立学校の場合だったら全人教育という名前で呼んでいた領域である。ただし、ここまでシステマチックにとらえようとしてはこなかった。それゆえ≪私学の系譜≫は広がりにくかったのである。(つづく)

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