09年中学入試に向けて[52]大妻の慎重な変化
☆今年4月から、大妻に少し変化が生まれています。新校長が就任したという影響が出ているのかもしれません。
☆ホームページ上にブログ「ごもくめし」が開設され、開かれた学校のイメージを強化しています。しかし、今まで特に閉鎖的だったわけではないですから、戦略変更ではないですね。表現という方法を変更したということです。
☆それから、来春の入試において、社会と理科の配点を、それぞれ50点だったのを60点に変更します。
☆しかし、試験内容を大転換するわけではないでしょうから、やはりこれも大きな変化ではないでしょう。むしろ、進学実績や教育の質で、大妻多摩に追い抜かれている可能性があるので、そこへの配慮から、大妻多摩の社理の入試の配点に合わせたとも考えられます。
☆同じグループですから、競争的共在というあり方は在校生も受験生も、そして保護者も望むところではあるでしょう。ただ大妻の課題は大きいですね。
☆大妻多摩の方は、伝統を理念として引き継いでいますが、現実態はまったくゼロから作っているわけですから、因習的な要素を始めから排除できたアドバンテージがあります。
☆ところが大妻自体は、伝統と因習の違いを明確にすることができるかどうかは難しいですね。ブログを見ていても、そこまでは掘り下げないように書かれているので、そのことがかえって、学内で質の変化に慎重な力が働いていることがわかります。ブログというよりは、イベント告知・報告板という感じですから、白梅学園清修や中村、海城のブログのように、生徒の躍動感やものの見方・考え方が伝わってくるわけではありません。
☆そこに大妻の表現スタイルの限界があるわけです。伝統と因習の差異を明確にし、伝統を時代に合わせ、いや時代に問いかける教育活動を作り出すことができるかどうかが大妻レベルの私立女子校のミッションであると期待したいところです。
☆もっとも、これは大きなお世話でした。というのも、時代認識からいえば、この景気低迷・混乱のとき、変化よりも伝統と大学進学実績向上に集中する戦略の方が合理的で、勝ち組みになれる可能性が高いですから・・・。
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