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09年中学入試に向けて[57]神奈川学園 21世紀教育プラン第2ステージへ[01]

「09年中学入試に向けて[45]神奈川学園 内生的成長進む」で、神奈川学園は、2014年100周年に向けて、成熟期を迎え内生的成長を遂げている。果たして新たな戦略はどういうものだろうという旨のことを述べました。

☆2000年に、21世紀教育プランを開始し、実現に尽力をつくした湊谷利男教頭が、校長に就任したからには、何かが起こるに違いないと思い、説明会(2008年10月7日)に参加しました。

☆するとやはり予想通り、新たな戦略「21世紀教育プラン第2ステージ」が高らかに宣言されたのです。

☆それにしても新鮮でしたね。神奈川エリアの女子校に、ニュータイプの校長出現というインパクトがあったと思います。40分間話されました。一般の説明会で校長がこれだけ長く話すことはありませんね。教育の理念を概念的に長時間話されると、保護者は少し辟易してしまうからです。

☆ところが、湊谷校長は、みずから24枚のスライド(パワーポイントというプレゼンテーションツールを使用)をメディアとして使って話しました。写真ありグラフありで、難しい話もわかりやすく伝わる努力をされていました。

☆日ごろ探究活動とその成果のプレゼンテーションを生徒とともに自ら校長も実践しているということがよくわかるシーンでした。

☆それにしても、理念を直接話すのでもなく、具体的な神奈川学園の教育の取り組みを話すわけでもないのですね。「教育の方法論」というものでもないのです。ともかく、スタイルがニュータイプというだけでなく、表現内容もニュータイプだったのです。

☆私の力量不足でうまく伝えられないのが残念ですが、あえていうならば、理念と具体的な教育実践をつなぐ「教育技術」というか「教育のイノベーション」の話だったのだと思います。「教育の方法」とは理念と具体的実践をつなぐのではなく、具体的実践の運用方法を指すと思うのです。こうやったらうまく問題を解決できるという教科的な話ですね。

☆湊谷校長は、そのような教科的な方法論を説きはしません。それは説明会の3番目の教科の先生方のトークに委ねられていました。もちろん具体的な取り組みは紹介されるのですが、その取り組み自体を説明するわけではなく、神奈川学園の教育イノベーションを証明する事例ケースとして例に挙げるのが目的なのですね。

☆一般の校長の話は、この事例ケースというレトリックがないので、抽象的すぎてイメージがつかない場合が多いのです。そんな中で、巧みな話術で会場を沸かせる校長がいます。

☆洗足学園の前田校長は、この事例ケースを、エピソードとして話すので、保護者から笑いをとることもでき、なかなかの話術です。八雲の近藤校長や東京女子学園の實吉校長は、事例の部分を、保護者の目の前で、様々なメディアをコーディネートして見せます。かなり説得力がありますね。

☆やはり湊谷校長も工夫を凝らしたプレゼンなのですが、今までの幾人かの有名校長のプレゼンをパワーポイントに丁寧に収めているところがニュータイプだし、理念でも教育実践でもなく、それらを媒介する「教育イノベーション」について語るという点でも新しいといえるのです。

☆では、その「教育イノベーション」とは何か?それはR-PDCAと文脈学習理論の結合なのだと思います。このイノベーションが、文化祭、オーストラリア研修、フィールドワーク、各教科学習すべてに貫徹しているということが、「R-PDCA」、「文脈学習理論」というキーワードを使わずして、伝わったというのが新鮮でした。

☆このイノベーションが確立すると、神奈川学園独自の教育システムが持続可能になります。永遠に内生的成長をし続ける自律した教育システムです。21世紀教育プランの第2ステージとは、100周年に向けて、いかなる外部環境変化にも、塾というマーケットの覇者パワーにも動じない自律した教育システムの確立を意味しているのではないかと―相変わらず私の独断と偏見ですが―思います。

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