09年中学入試に向けて[62]伸びる学校・伸びない組織
☆先週末のG7やそれを受けての欧米の金融危機対策の動きは、金融市場を再浮上させています。持続可能性についてはなんとも不安は払しょくできませんが、カンフル剤にはなったわけで、戦略や戦術の有効性の1つのケースを世界同時的に確認できたことは意義があると思います。
☆時間、論理、決断は保守主義・偏向主義・リスク隠ぺい主義・無気力の壁をぶち破るということを改めて確認できたということです。
☆それにしても、私立学校を通していろいろな分野の企業とミーティングをする機会を得るわけですが、そのときにこういう組織と良好な関係を持っている開かれた学校は、伸びるだろうなぁとか、逆にこんな組織と関係をつくるというのは不可思議だと思っていると、その当の組織がM&Aや倒産の危機にさらされているということが、これまた不思議とあります。
☆この時期、私立中高一貫校は、毎週のように学校説明会を開催しています。説明会だけでは確かに見破れないこともあるのですが、大事なのは雰囲気ですね。雰囲気なんて、感覚だし、主観だし、当てにならないのではないかと言われるかもしれませんが、意外と大事なセンサーです。
☆どうしてこんな強引で偉そうな役人気質みたいな幹部がいて平気なのだろうと不思議に思っていると、やはり消えていった金融関連企業を目の当たりにしてきました。ある流通関係の企業も、この取締役でスタッフは楽しくやっていけるのだろうか、目先のオカネも確かに大事なのだがと思っていたら、最近の記事でM&Aという事態に巻き込まれていたりしています。
☆学校もやはり同じです。企業と違うのは、その組織の人材像やアイデンティティの統一作業はほとんどなく、教育理念をシェアしているだけですから、いろいろなタイプの教職員がいます。しかし、フラットで開かれていて、それでいてリスクヘッジはきちんと考えて、雰囲気は明朗で人の話をじっくり聞いてくれるタイプの教師が多い学校は、説明会もそういう雰囲気を醸し出します。
☆しかし、逆にそういう教師の比率が少ないと、抑圧的で同調圧力をかける雰囲気が充満しています。そういう学校は今のところ偏差値などが高くても、成長サイクル的には停滞期、衰退期に入っている可能性があります。
☆やはり長年やってきた実践はシステマチックに低いコストで高い成果を上げるようになっていて、なおかつ新しいことにチャレンジをし続けていると組織や学校は雰囲気がよいのです。トイレがきれいだとか、壁がきれいだとか、教室がきれいだとか、そういうところをチェックするのもよいアイデアですが、それは雰囲気の良い学校は、おのずときれいですよ。整理整頓されているというのではなく、うまく活用されている様子がわかるというのがきれいということなのですが・・・。
☆ともかく雰囲気は大切です。嫌な組織や職場はどうしても雰囲気が悪くなるのですね。人の内面は確かに見えないのですが、シグサや表情に表れてしまうものです。もてなしの雰囲気があるなしは、意外と簡単に伝わるものです。
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