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09年中学入試に向けて[67]白梅学園清修 はじめての文化祭[02]

☆ 09年中学入試に向けて[66]白梅学園清修 はじめての文化祭[01]のつづきです。今回のフェスタは、白梅学園清修にとって、草創期の中間のまとめに相当すると思います。

☆今のところ、6年生すべてがそろう3年後までに、飛躍的成長の時期を迎え、成熟期に移行すると思います。そのエネルギーの蓄積が今回のフェスタに表れているので、拙著「名門中学の作り方」にしたがって、少し考えてみようと思います。

☆教育の質としてのクオリティスコアは、次の12のチェック項目で算出していますが、一つひとつ見てみましょう。

(1) 自己実現プログラムの自覚的実行力
(2) 教師の創造的コミュニケーション能力
(3) 時代の変化への対応力
(4) 本格的論文編集指導力
(5) プログレッシブな授業構築力
(6) 総合学習と他の教育活動の有機的結合力
(7) 現地校で耐えられる英語教育力
(8) あらゆる教育活動でのIT活用力
(9) 他教科に刺激を与える芸術教育力
(10) キャリア・デザインとしての進路指導力
(11) 生徒の潜在能力を引き出す教育空間デザイン力
(12) 説明会の表現力(教育理念の具体的展開のプレゼン)

☆(1) の「自己実現プログラムの自覚的実行力」の強さは、フェスタのタイムテーブルを見れば明らかです。各学年が1年かけて<体験→調査→議論→編集→発表→振り返り→・・・>という学習プログラムを通して、生徒一人ひとりが新しい視点やさらに調べる課題を発見している様子が予想できます。また、フェスタ・プログラムの冊子を読むと、アート・デザインや合唱や弦楽演奏も催されているのがわかります。その様子は柴田副校長のブログからもわかります。

☆中3にとっては、このフェスタそのものが自己実現プログラムの一つです。実行委員のこんなスローガンからもそのことはわかります。

Unknown―未知の世界。清修中学校初の文化祭。まさにこの言葉通りです。学校全体が一丸となり、作り上げて来ました。清修の歴史に、新たな1ページが刻まれる瞬間をお見逃しなく!

☆大事なことは、自分の好きなことだけを調べて発表するということではないということです。学校や地域、社会、世界と自分たちがどのようにつながるのかについて真剣に取り組んでいるのです。伝統的な学校だと、このプログラムがルーティン化し、自動化し、なぜ学ばねばならないか自覚しなくなってしまっている場合もあります。

☆なぜこのプログラムをやるのか?伝統的にやってきたからという回答しかないできないところもあるということです。その点草創期の清修は、すべてが試行錯誤だし、それゆえ意識的にすべてを組み立てなければなりません。

☆フェスタの持続可能性ばかりではなく、この意識や自覚の持続可能性がこれから重要になりますが、この点についてはしばらくいつも新しい体験ですから、心配はありませんね。

☆(2)の「教師の創造的コミュニケーション能力」の高さについても、今回のフェスタ開催ができたことで明らかです。知識を覚え、整理するだけの授業では、このようなフェスタの表現は成り立たないからです。理想とファンタジーの夢を生徒たちと共有しつつも、その実現のためにあるときはファシリテートし、あるときはコーチングするわけです。カウンセラーのときもありますね。それにあるときは営業マンです。しかしそれは夢を共有する営業ですね。学校説明会のときの先生方はそうです。

☆かくして柔軟で複眼的な思考とマルチ・ロールプレイのできる教師が白梅学園清修の人材・人財像です。さりげなく書きましたが、先生方は、めちゃくちゃ高いハードルが柴田副校長から要求されているんですね。だから保護者の期待値も高いでしょう。それに対応できるということが、創造的コミュニケーション能力が高いということです。(つづく)

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