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09年中学入試に向けて[81]かえつ有明 3年めの文化祭[了]

☆「09年中学入試に向けて[78]かえつ有明 3年めの文化祭[04] 」のつづきです。「HONDAプレゼン」の話にもう一度戻ります。まずこのプレゼンテーションは、<事前→体験探求→フェスタでのプレゼン>という大きなサーキュレーションの3つ目のイベントにあたります。

☆そしてこの3つのスクリプトの内的な循環は、どこに力点を置くかの違いはありますが、いずれも、<体験→調査→議論→編集→発表→振返>というサイクルになっています。

☆<事前→体験探求→フェスタでのプレゼン>というイベントのサイクルと<体験→調査→議論→編集→発表→振返>という内的な知のサイクルを比べてみると、共通点がありますね。

☆イベントのサイクルの中の「フェスタでのプレゼン」の位置づけは、「振返」に相当しています。つまりこのイベントの3つのスクリプト全体の流れも、<体験→調査→議論→編集→発表→振返>というサイクルになっているのです。

☆かえつ有明のすごいところは、一事が万事このサイクルの重構造になっているところです。「体験」「調査」「議論」「編集」「発表」「振返」という各構成要素はコミュニケーションによって成り立っています。しかも「サイエンス科」全体の基調はクリエイティブあるいはクリティカルコミュニケーションです。

☆このようなコミュニケーションが各構成要素をつくりあげ、知の循環がそれを統合していく。しかもそれは重構造の循環になっているというわけです。この知の重構造の循環がかえつ有明の教育システムです。

☆この重構造は有機的結合というイメージでとらえたほうがよいかもしれません。そうすると同校が大事にしているECOという理念が結びつきますね。

☆さて、さらにおもしろく複雑な要素が、ドラマです。「サイエンス劇」というプロジェクトがあります。私が見学したのは、ライト兄弟の研究生活を、中1のチームがドラマとして再構成したものです。

☆ライト兄弟について調査し、議論検討し、編集して、ドラマとして発表。このドラマすることは再び体験となるわけです。そうそう振返も同時に進行しています。ここにも知の循環があるわけですが、このドラマというプレゼン手法が、「HONDAプレゼン」の手法の一つとして応用されてもいるのです。

☆「竹取物語」のパロディーをドラマ化したものをビデオで編集して、動画として上映していた中1のクラスがありました。ここでも「サイエンス劇」が応用されているのです。しかもビデオというメディアを使って、見るわけです。

☆ビデオというメディアは、制作した生徒たちにとっては、モニターの役割を果たします。つまり振返装置なのです。認知科学では、この振返を「メタ認知能力」と呼びます。

☆文化祭ではなく、別の機会に訪れた時にも、感じたのですが、キャリア・デザインプログラムにもこの「メタ認知能力」を自然と養うしかけがありました。廊下や情報センター「ドルフィン」にプレゼンしたものをとにかくギャラリーよろしくディスプレイしているわけです。

☆おそらく、サッカー場や中央広場、バスケットボールのゴールがあるちょっとした空きスペース、和室などは、知のパフォーマンスの場であり、廊下は知のギャラリーであり、情報センターは知の拠点という空間づくりも、知の循環の有機的結合を形作っているはずです。

☆「教育空間―イベントの流れ―各要素の内的循環」が大きな知の循環を作り、一人ひとりとの複雑なコミュニケーションが、大きな循環の流れをつくりシステムとして恒常化されているのがかえつ有明の教育なのではないでしょうか。そしてその基盤を「サイエンス科」が作っているのは間違いないでしょう。

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