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09年中学入試に向けて[85]共立女子グループに潜在する教育の未来 [01]

☆ここで共立女子グループと言う名づけで対象としているのは、九段にある共立女子と八王子にある共立女子第二の協働的相克の関係のことを指す。大妻グループも似たような関係があるが、外から見ている限り、協働的相克の関係というよりも、競争的関係というほうがピンとくる。

☆競争的関係とは、基本的には同じ基準や大げさにいえばパラダイムはいっしょということである。基準が同じだからこそ競争できる。

☆共立女子グループの場合は、競争的関係はない。実によく協働して動いているし、互いのメンバーが集って戦略会議も行っているだろう。しかし、外から見ているとその過程の中で価値観やパラダイムについて恒常的に議論がなされているはずだ(*)。

*この点に関しては、拙著「名門中学の作り方」(学研新書)を参照していただきたい。ブログはどうしても分析的になって理屈っぽくなるので、読みにくいが、書籍の方はエピソード的描いているので、読みやすいはず・・・。

☆共立女子の教育の基盤であるリベラルアーツ的な用語を使うと「ダイアローグ」である。ソクラテス以来特にヘーゲルはそこをシステマチックに論じたんだろうけれど、「対話」とか「弁証法」とか言われている言語システムのことである。

☆教育のメディアは、そのほとんどが言語である。もちろん教育に限らず、人間の生活はボディーランゲージやパフォーマンスをも含む広い意味でいえば、すべてが言語を媒介にしなければ成り立たないと言っても誰も驚かないだろう。テレビ、携帯、インターネット・・・、すべてが言語抜きでは考えられない。

☆しかしながら世の中はコミュニケーション不足に対する不満が噴出しているし、それが凄惨な事件や人生を引き起こすことになっているほどだ。

☆これは教育の現場でも同じで、教師と生徒・保護者のコミュニケーションの満足度をいかに満たすかほど重要な課題はないと言っても言いすぎじゃないだろう。

☆共立女子グループと大妻グループの言語システムを比較すると、コミュニケーション不足とはいかなる事態を指しているのかがわかるし、共立女子と共立女子第二を比較すると、未来の言語システムのヒントが見えてくる。言語システムこそ教育システムの鍵であるのだから、共立グループには、未来の教育のヒントが潜在的にあるのだと思う。しばらく思いを巡らしてみたい。

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