« 09年中学入試に向けて[96] 桜蔭 無色のエリート養成所[02] | トップページ | 09年中学入試に向けて[98] 私学人のいる学校はチェンジできる »

09年中学入試に向けて[97] 桜蔭 無色のエリート養成所[了]

☆「09年中学入試に向けて[96] 桜蔭 無色のエリート養成所[02]」のつづき。桜蔭に入学する生徒はどういう知性を持っているのか。それは入試問題を見れば、明白である。この問題を限りなく解けるようにトレーニングして入ってくるのだから。

☆今回は、学校説明会で、配られた資料に載っている「各教科から受験生へのメッセージ」のうち国語を見てみよう。

☆国語のメッセージにはこうある。

最近よく見受けられるのですが、単に、文章中のキーワードをひろってつなげた文章は、まだ「自分の答え」になっていません。自分にどういうことがわかったかが伝わってこないのです。大切にしてほしい「本当によく考える力」の中には、「伝える力」も含まれます。それはやはり、日ごろの生活の中で身についてくるものだと思います。

☆「単に、文章中のキーワードをひろってつなげた文章は、まだ『自分の答え』になっていません。」というのは、まあわかるような気がする。文章のキーワードをモザイクのようにつなぎ合わせただけでは、それほど自分で考えていないのではないかということだろう。

☆自分の言葉に置き換えろということか。だが、自分の言葉とは何か?これは難しい問題だ。これができれば、もはや中高で現代文に関してのみならず、思考力という点でも、学ぶ必要がない。

☆やはり入学前から相当な思考力を持っている生徒を要望しているということだなぁ。

☆で、自分の言葉とは何か?それは3番目・4番目のセンテンスにヒントがある。「大切にしてほしい『本当によく考える力』の中には、『伝える力』も含まれます。」というのは、本当によく考えた文章は自ずと自分の言葉になっている。あとはそれが伝わるかどうかだ。それをチェックするにはどうすればよいのか?「それはやはり、日ごろの生活の中で身についてくるものだと思います。」ということである。

☆これはどういうことか、日常生活の中で対話をして、相手が納得するかどうかの感覚を身につけることだということではないか。「本当によく考える→自分の言葉→対話→説得力のある言葉かどうか実感→・・・」の日常生活におけるコミュニケーションが重要だということだろう。これは家庭生活のコミュニケーションが問われているなぁ。

☆さらにこんなメッセージが続く。

「文章を書く力」には日常生活だけでは補えない。そのためのプラスアルファされた練習も必要です。でも、プラスアルファの部分ばかり練習していると、わかりやすく他人に伝える力というものが逆に鈍ってしまいます。自分の書いた文章を声に出して読んでみてください。なんだかちょっと変だなと思えるかどうか。それが日常生活の中で身につけた力です。

☆プラスアルファの部分というのは、塾で学んだり、専門的に学んだりということだろう。家庭の生活だけでは、小論文のような文章を書くトレーニングはできないのは当然だ。だからといって、専門技術だけトレーニングしていると、相手に伝わらない場合がある。やはり最終的には日常生活で伝わる感覚が必要なのだと。

☆専門的技術を身につけてほしい、でも日常生活で説得力ある表現でなければならない。本当によく考える力は、専門的な根拠がなければならないが、日常生活で他者に伝わるという感覚にも準拠しなければねということである。

☆めちゃくちゃ高度な思考力・表現力を要求しているのが桜蔭の入試問題だということになる。実際に国語の問題は、すべて記述式問題である。ところで、学校に入る前にプラスアルファされた練習は、どこで鍛えればよいのだろう。現実的には小学校ではあるまい。やはり塾である。

☆桜蔭は、中学に入ったら塾に入る必要はないと明言はしない。入学式前は、読書をするなり本物の勉強をして、まずは入学してから塾が必要か否か決めてください。入学前にあせって塾に申し込まないようにと。

☆いずれにしても、桜蔭の教育システムを支える機能として、受験勉強段階・入学前のトレーニングの場は欠かせないということだろう。高度で柔軟かつコモンセンスのある思考力を真剣に鍛える場。塾や家庭教師だが、そんな塾や家庭教師というのはどのくらいあるのだろうか。

☆しかも、説得力は対話によって実感する必要がある。対話や議論を巧んでプログラム化している塾と言えば、それは限られているではないか・・・。

|

« 09年中学入試に向けて[96] 桜蔭 無色のエリート養成所[02] | トップページ | 09年中学入試に向けて[98] 私学人のいる学校はチェンジできる »

文化・芸術」カテゴリの記事