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時代が求める学校[02] 白梅学園清修のイノベーション

年末の白梅学園清修の学校説明会に200名強の参加者があったようだ。これは画期的だ。新しい。革命的だ。というのも、受験市場では、そうめだっていないにもかかわらず、説明会に参加者が集まるからだ。

☆受験市場で目立たないというのは、いわゆる三大模擬試験で昨年比200%ととか騒がれるているわけではないというような雰囲気のことで、塾の先生方からは注目されている。つまり、大手進学塾やテスト会という大きな利益を生む受験市場ではなく、本当に教育とは何かを考え、日々奮闘している中小塾からの人気があるということを意味する。

☆言い換えると、受験市場ではなく、生徒1人ひとりの考え方や感じ方まで親身に面倒をみることをベースにしている私学市場で人気があるということなのである。

☆2001年前までは、私立中高一貫校の生徒の市場は、受験市場に依存せざるを得なかった。しかし、ブログやWeb2.0というようなムーブメントが、「学校→塾・テスト会→受験生」というB2B2Cの関係を、「学校→受験生」というB2Cの関係にシフトさせた。

☆だから、白梅学園清修のように、柴田副校長のブログ発信戦略やイギリスのパブリックスクール精神の具体化ストーリーを情熱的に語る姿勢は、革命的な生徒募集戦略・戦術なのである。

☆このWeb戦略は外部発信だけではなく、在校生にもイントラネット的にインタラクティブなコミュニケーションを実施するものでもある。それから、教室すべてに電子ボードを設置しているため、教師同士が、教材、プリント、指導案などの情報を共有しながら授業展開できるようにもなっている。

☆「外部―内部―家庭―授業」のアイデンティティ、情報の共有を貫徹しているところがすごい。新設3年めなので、若い先生方を採用しているが、コアメンバーはベテランの教師。リアルな研修とサーバーやネット上での情報共有によって、脱技能を生み出している。それに、このシェアは自ずとと教科横断型の視点を生み出すものでもある。

*この年末、ある数学教師の集まる会が催された。おそらく私学の数学教師の中で最高水準の技能と意識をもった先生方が集まったと思う。そこに同学園の戸塚先生も参加されていた。学内では、当たり前のような存在なのだろうが、ある意味レベルの高い他流試合で、輝いていた。教師というのは、とかくタコツボで自己満足しがちであるが、白梅学園清修のコアメンバーの先生方は世界標準のモノサシで通用するのである。

ハーバード大学のクレイトン・クリステンセン教授の「破壊的イノベーション」の実践版が白梅学園清修の教育なのだ。偏差値や大学進学実績のよい学校を追い抜くのは、今まで至難の業であったが、「脱技能」「横断型の視点」は、あっという間に、追い抜くことを可能にした。もちろん、学園はそんな追い抜くことなどということはどうでもよい。生徒たちが幸せになってくれればよいし、パブリックスクールの精神とシンクロして、man for othersを大事に生きてほしいと思っているだけだろう。

☆実にシンプルだ。しかし、これが親にとっては、最大・最高・最強の自分の娘を守るリスクマネジメントではないか。

☆中学受験は、かつては投資や消費だったかもしれない。しかし、これからはリスクマネジメントのために学校を選択する時代なのだ。

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