« 09年中学入試に向けて[112] 開成 私学人 生田先生の授業 | トップページ | 09年中学入試に向けて[114] 白梅学園清修と品川女子学院 »

09年中学入試に向けて[113] 白梅学園清修の根っこ

☆「09年中学入試に向けて[111] 白梅学園清修 教育学会入り ♪」のつづき。シンポジウムの中で、新井教授が、柴田副校長のラグビーのメタファーを聞いて、「その話には、ラグビーにおいても言語能力が重要だということが含まれているよ。田嶋さんが、サッカーでも同じようなことを『言語技術が日本のサッカーを変える』という本の中で書いていましたね。」と反応した。

☆そういえば、中村俊輔選手も「察知力」という本の中で言語能力を鍛える作業をノートを通しておこなっていたことを思い出した。スポーツと言語技術はやはり関係があるのだろう。

☆そんなわけで、田嶋さんの本を読んでみた。すると柴田副校長の考え方に似ているところがあった。1つはエリートに対する考え方だ。柴田先生のように「自己犠牲的精神」とまでは言わないが、「奉仕」というキーワードは使っていた。

☆ラグビーもサッカーも、イギリスのパブリックスクールで本格的に確立されていったフットボールにルーツがあるといわれているわけだから、キリスト教的精神である“man for others”に通じているのであろう。

☆また田嶋さんは、言語技術や論理がサッカーに必要な例として次のようなシーンを書いている。

視野を確保しないでプレーしようとすると、ボールをもらって初めて、あたりを見廻すことになりますが、その時点で「判断」するのでは遅い。欧米の選手たちを観察していると、ボールをもらう前に、事前に良い視野を確保しています。ボールが来たとしても、すでに自分がどのような状況にいるのか、という情報を収集し終わっていて、次の動作に入る準備ができています。だから、ボールが来たときにはどこへ蹴るのか、止めるのか、クリアーするか、も決まっています。すなわち、ファーストタッチには、「論理」が働いていなければならない。

☆この文章の「ボール」を「質問」に置き換えると、授業の教師と生徒のやりとりにもなるし、生徒同士のディスカッションにもなる。実は同じようなシーンを柴田副校長もシンポジウムの時に語っていた。

☆白梅学園清修の数学の戸塚先生が、数学と言語にこだわるのも、そういうことだったのだ。論理を鍛えるには、言語技術のトレーニングが欠かせないということだろう。柴田副校長が、すべての教科の先生に共通項コードとしてコミュニケーションの重要性を毎日のように語るのは、“man for others”というケアの精神と先生方自身も自己表現・自己判断ができるようになって欲しいというビジョンがあるからだろう。

☆白梅学園清修の基本的な考え方は、「論理という戦術的技術は大事だが、しかしそれは犠牲的精神のもとで活用されねばならない。教師は生徒にそういうフォロアーリーダーシップを発揮しなければならないし、生徒には未来の本当の意味でのエリートになってほしい」ということだと思う。そして、これこそイギリスのパブリックスクールの精神だし、方法論のコンセプトもそこに根っこがあるということではないか。

|

« 09年中学入試に向けて[112] 開成 私学人 生田先生の授業 | トップページ | 09年中学入試に向けて[114] 白梅学園清修と品川女子学院 »

文化・芸術」カテゴリの記事