09年中学入試に向けて[120] 首都圏中学受験志望者動向予想 03
☆「09年中学入試に向けて[119] 首都圏中学受験志望者動向予想 02」のつづき。大妻学院グループの大妻、大妻多摩は、全体として生徒募集は増加するだろう。サンデーハッピーの影響もあるが、九段にある大妻は、少し新しい風が吹いている可能性がある。
☆大妻多摩は、大学合格実績は九段の大妻よりよいし、安川瑛子校長は、大妻の元理事長中川秀恭先生のものの見方・考え方を体現しており、教育を要素還元主義ではなく、いろいろな事柄が有機的につながるようにプログラムを組まれる。つまり関係主義的なリベラルアーツを心得ている。それが、大妻多摩が伸びてきた大きな理由なのではないかと思っている。
☆同じ付属校でも、大妻中野は午後入試は増加するものの、一般入試は少し減少。大妻嵐山の方は、理数に力をいれることを標榜しているために、埼玉エリアの受験生・保護者のニーズを吸収できるだろう。
☆中川先生は、大妻の建学の精神「恥を知れ」について、次のように語っている。
本学の教育指導理念に「恥を知れ」という言葉があります。これは他者に対しての恥ということではなしに、自分自身に対して恥ずかしくないように生きよ、ということです。そこには「自分を超えた価値」を自らを堅持せよ、ということが含まれています。
☆中川先生は、文言は古めかしいから誤解を受けるかもしれない。武士階級社会で使われていた時は、主君に忠誠をつくせたかどうかとい価値判断がたいせつだっただろうが、大妻はそういう意味では使っていない。階級から解放され普遍的な超越的価値に感謝の念をもてるかどうかという自分自身の問題なのであると。
☆中川先生のような含意を貫き通せる付属校はどこか、つまり≪私学の系譜≫を堅持する付属校はどこかということか。福沢諭吉的に言えば、痩せ我慢をどこまでできるかということだが、現在の経済状況ではなかなか難しい。
☆紆余曲折あるだろうが、今後も、中川先生とともに「行く手遥か 航海いまだ途上にあり」という内生的成長精神に期待したい。
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