« 09年中学入試に向けて[122] 首都圏中学受験志望者動向予想 05 | トップページ | 09年中学入試に向けて[124] 首都圏中学受験志望者動向予想 07 »

09年中学入試に向けて[123] 首都圏中学受験志望者動向予想 06

☆「09年中学入試に向けて[122] 首都圏中学受験志望者動向予想 05」のつづき。吉祥女子は志望者数をガンと伸ばすだろう。ほどよい自由、芸術性もある。東大や医学部の実績もほどよく出ている。地域の環境もなかなかオシャレ。保護者にとっては、吉祥寺カフェも近いし。

☆御三家、豊島岡、鴎友学園女子とならんで、人気がある。この中では、女子学院と鴎友学園女子が、普遍的価値を前面に出して人間力を語るが、他の学校は、日本的道徳は大切にするが宗教理念はそれほど持ち出さない。そうそうカトリックの雙葉の宗教の扱い方はまたそれとも違う。シスターと生徒は同じ空間に互いに別々の存在として位置を占めることができる。

☆暁星は、伝統的エリート・カトリック男子校。世の金融危機は、湖のさざ波のごとき変化に過ぎない然としていられる私立学校。普遍的価値以外に目もくれない。我が道=キリストの道を邁進する世俗離れしているともいえる。それが保護者にとっては安心なのである。いずれにしても大衆ウケはしないので、激増ということはないだろう。

共立女子は、増える。宗教色がないにもかかわらず、世界標準知を追究し、変化ということにまったく躊躇しない普遍性がある。いろいろな変化を受け入れられる大きな不変ベースがあるということ。校訓の「誠実・勤勉・友愛」は、タレント・テクノロジー・トレランス(寛容)に対応する。つまり、クリエイティブな人材の要素を意味する。21世紀の新たなクラスビジョンを先取りしている。実際、ここ数年間で、6年間完全一貫に向けてのカリキュラム大改訂、新校舎建設、行事の見直し、論文指導のプログラムの構築など矢継ぎ早にチェンジに挑戦してきた。帰国生にも人気がある。海外の目にも納得のいく教育として映る。

☆共立女子第二も、立地条件のハンディをものともしない努力がなされている。よって、なんとか持続可能な状態を維持できるだろう。午後の入試の設置は重要な戦術として機能している。

☆公文国際は安定的な生徒募集を維持している。ある高い水準に到達したということだろう。あらゆる教育プログラムが完備している。留学システムもしっかりしている。思考力や論文編集力、自律した精神など文句のつけようがないと思う。次の戦略は、本当の「自由」に向かって、学校当局が扉を拓くということなのかもしれない。合理的と非合理的、まじめと非まじめのバランスの問題かもしれない。

☆慶応湘南藤沢(SFC)、慶応中等部、慶応普通部は変わらないだろう。金融危機の問題の影響が若干あるかもしれない程度ではないか。地理的条件からいけば、その影響はSFCだろう。生徒を集める条件が他の慶応に比べ限定されている分不利かもしれない程度である。

☆恵泉女学園は3回入試にしたから、生徒募集の数は増えるだろう。河井ミチの精神を学内だけに浸透させるのではなく、世の中にも広めてもらいたい。戦後日本の教育を形作る大きな役割を果たしたように。

☆京北は、丁寧なコミュニケーションの授業をベースに、強烈なファン層を集めているだろう。安定した生徒が集まるはず。学内だけではなく広く社会にも影響力を持っている川合校長の力を学内の若手教師がどれだけ主体的に脱構築していけるかに今後はかかっている。

☆光塩女子は、共同担任制など教育の質は実に高い。しかし、どこか固さというとか、敷居が高い感覚がある。カリタス女子とは、好対照だ。ただし、保護者の経済的な層は、それほど変わらないはずだ。そこになんらかのGAPがあるのかもしれない。

☆晃華学園は相変わらず人気がある。訪れるやそれはわかる。教育空間が生徒の感性を豊かにし、知性を刺激する。森の中を散策しているような空間だし、いたるところに思索や詩作の空間が用意されている。国分寺崖線のランドスケープを贅沢に生かしきった教育空間なのである。生徒たちは部活に学びに集中できるし、友情を育むおしゃべりをする空間もふんだんに用意されている。本来の真理と自由を大事にするカトリックの教育が溢れている学校。

☆攻玉社は、国際学級のシステムと一般学級のシステムのシナジー構造の構築についに成功したのだと思う。質実剛健が前面に出ていた時代から創造的精神が前面にでてくるようになった。創設者近藤真琴の本来の姿が現れてきたのだと思う。近代工業社会の条件下の男性原理からグローバル時代の普遍的人間原理に完全にシフトしたのではないだろか。これからがますます楽しみである。

☆麹町学園の人気はここ数年続いている。来春も同様だろう。女性にとって心地よい条件を次々と満たしているからだと思う。男性原理中心の社会の中で勝ち抜く女性の教育といのとは全く感覚が違う。女性の質感を大事にする先生方の感覚がおそらく新鮮なのだと思う。男性を支える女性でもないし、男性を打ち負かす女性でもない。男性と女性を超えて人間としてというのでもない。女性である人間としての感性をのびのびと育てようというその素直さがよいのではないだろうか。

☆佼成学園は、昨年は募集は若干減少したが、今年は隔年現象で、昨年より募集人数を増やすだろう。

☆国府台女子学院の人間形成の教育は評価が高い。共学校が多い千葉エリアにあって、女子校志望者の期待がかかっている。

☆香蘭は、英国聖公会の静かな光を大切にする質の高い教育が人気。品川女子学院のように実用的・実践的・現世目的志向型の学校とは真逆。同じように経験主義のベースを共有しているのだが、経験主義と実用主義の差がでている。前者はイギリス啓蒙主義の哲学の伝統を継承しているが、後者はそれはない。むしろイギリスの経済学的な発想に近いのかもしれない。学校選択者はその違いが雰囲気でわかる。学校の特徴が明快であることが、選択者にとってありがたい。

|

« 09年中学入試に向けて[122] 首都圏中学受験志望者動向予想 05 | トップページ | 09年中学入試に向けて[124] 首都圏中学受験志望者動向予想 07 »

文化・芸術」カテゴリの記事