09年中学入試に向けて[130] 首都圏中学受験志望者動向予想 13
「09年中学入試に向けて[129] 首都圏中学受験志望者動向予想 12」のつづき
☆東京女子学園の来春の生徒募集は増える。人生の最大の目標は幸福な人生をつかみ取ることであり、そのために東京女子学園は、生徒が自分自身の力で能動的な生き方をしていけるように多様なプログラムを創って、支援している。現代社会は、常に崩壊の危機にさらされいやが応でも不安が向こうからやってくる時代だ。そこでいかにして幸福は可能だろうか。現代人の最大の悩みはここだろう。
☆幸せなんてと斜めに見ている幸せな時代は終わり、幸せを真剣に望み、自分の手でつかまねばならぬ時代である。危機を察知する鋭い感覚、問題を解決する知力、互いに信頼の絆を結べる知恵を養う環境選びに、偏差値は全く役に立たない。
☆そのことに気づいた保護者が、東京女子学園に集まるというストーリーでなければ、日本の教育は救われまい。
☆東京電機大中の生徒募集はここ数年順調であり、来春も増えるだろう。夢を実現するためのITスキルと技術の哲学を身につけることができるからだ。Googleや楽天のようなサイト起業は、20世紀末紆余曲折の中サバイブしてきた。今回の金融危機でエコロジカルに利益を上げることができるのは、もはや化石燃料依存工業ではなく、IT技術であることが証明された。電子工学とロボットとITの時代である。
☆不透明で不確実な未来をサバイブするには迫力と明るさと技術がいる。この未来のサバイブ・スキルを獲得できる学校であることは、校長宮本治先生の迫力ある生きざまと豪快な笑いにあらわれている。
☆来春、武蔵工大は校名を変更し、東京都市大学付属中学校・高等学校となる。この効果は生徒募集には直接影響しないようだ。しかし、例年と同じように生徒は集まるだろう。
☆東横学園は、武蔵工大同様、校名を変更。東京都市大学等々力中学校・高等学校となり、その影響力は、武蔵工大とは違い絶大だと思う。矢島校長の5年間果敢にチャレンジしてきた学園革命との重ね合わせがシナジー効果を生みだし、生徒募集人数は増えるだろう。
☆東京農大第一と中学新設の第三は、世のエコロジー革命に必要な技術と知性を身につけられるとあって、人気の集中するグループだろう。特に女子にはバイオが人気ということになるのだろうか。しかもバイオは心理学にも結びついている新しい分野が拓かれている。
☆桐光女子部、桐光男子部ともに生徒募集は順調に増えるだろう。帰国生の注目度もアップしている。桐光グループがわずか30年でいかに飛躍的に伸びてきたかについては、拙著「名門中学の作り方」(学校新書)を参照していただければ幸いである。ともあれ、新たな日本型リベラルアーツの拠点になる大きな期待がもてる学校である。
☆桐朋、桐朋女子は、とにかく真実一路の頑固なブランド校。それゆえ、熱烈なファン層もいるが、マスウケはしない。生徒募集は微減かもしれない。
☆東邦大東邦は激増ということはないだろうが、順調に増えるだろう。だからこそ高い使命感に燃えてほしい。
☆東洋英和は、サンデーショックの恩恵を浴するであろう。
☆藤嶺藤沢は、神奈川エリアの男子校の中で、生徒たちが芸術と武術と学術の道をまっすぐ歩める環境を形成している重要拠点である。こだわりのある学校ゆえ、激増はないだろうが、順風満帆だろう。
☆トキワ松学園の生徒は、非常にのびのび学び、部活も活発。人間関係をつくりながら自己実現するプログラムのサポートの成果だろう。入試問題も決して難しくないが、世界標準の知を見据えた配慮がよい。今後さらに期待される女子校だろう。
☆豊島岡女子は、最もサンデーショックの恩恵に浴する学校。学内ではサンデーハッピーとみなしているのではないか・・・。
☆獨協は、何かがチェンジしている。開かれた学校として戦略的に展開するようになったのかもしれない。学内で、獨協の≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫のジレンマ問題を整理し、解決する人材が現れている可能性がある。これからが楽しみだ。来春の生徒募集は増加傾向だと予想する。
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