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09年中学入試に向けて[131] 首都圏中学受験志望者動向予想 14

09年中学入試に向けて[130] 首都圏中学受験志望者動向予想 13」のつづき。

☆中村中は、庭園スペースが美しい。清澄庭園を背景に、いや前景に東京湾のかなたを眺望すると、近世と近代と未来が同居している何とも言えぬランドスケープが広がる。中高のスペースとしては、たいへん贅沢というか中村にしかない環境である。

☆このわび、さびと女子生徒の明るい笑顔と管楽器の響きと部活の掛け声が独特の雰囲気を醸し出している。あるとき、中村で出会った保護者がこう語っていた。「息子ではなく娘だったら、絶対通わせていたのに。合格できるかどうかわからないですけど^^)」なぜ女子校にと来たのだろうと思ったが、とにかく感動したということだろう。

☆ここ数年で大人気の中村中。来春もその勢いは止まらない。ここまできたら、大化けするしかないだろう。それはいかにして可能か?その大ヒントは、岡部氏の「The 授業リンク 梅沢先生の報告②」にある。

☆岡部氏のメッセージはある意味暗号化されているから、解釈が必要だ。もし、それができたら、それはすごいことだし、そもそも周りを見回しても、そんな女子校はない。これからが楽しみである。

☆日本工業大学駒場は、100周年の記念事業の一環として校名を変更した。その影響もあるだろうが、とにかくモノづくりは楽しい。モノをつくっているときの生徒たちのフロー状態は実によい。モノ作りといったって、20世紀工業社会における技術ではない。あとは起業家プログラムを充実すれば、同校からクリエイティブクラスが輩出される。理系の素敵な点は、自分の技術で世界を変えられることだ。来春人気の兆しがあらわれると予想する。

☆日本女子大附属は、質の高い教育を行っているというのが世間の評判だと思う。しかし、その質のパブリック度はどうかという問題が果たしてクリアされているかどうかについて、学内で問い返されているのだろうか?ブランド力もイノベーションにある程度支えられる必要はある。その創意工夫がないとしたら、少しずつ生徒募集は苦しくなるだろう。もっとも定員割れなんてことはないから、結局生徒募集としてのリスクマネジメントはなされないだろうが・・・。しかし、学校関係者評価をテコに使えば巻き返しは可能である。

☆日大グループ(日吉、第一、第二、第三、豊山男子、豊山女子)は少し元気がない。来春開校の日大藤沢が、グループ全体に元気の息吹をふきかける動きをつくることを祈っている。

☆広尾学園のシステムとしての教育はすさまじい勢いで生徒を獲得している。もし郁文館が同じようなスタイルをとっていたら、東京の男子校には衝撃が走っただろうが、そうはいかなかった。はたしてそれはなぜか。そこに教育の奥深さがある。システムかパッションか、組織はシステムを選ぶ。コミュニケーションはパッションを選ぶ。わかりやすさと複雑性。あれかこれか、あれでもこれでもない、あれもこれも、どの道を選択するかが私学経営者の判断のしどころ。広尾学園はその判断のヒントになるだろう。

☆フェリス女学院。サンデーショックでもサンデーハッピーでもない。キリストの道を進むのみ。本物の1つの形態。

☆練馬区の富士見中は堅実な大学進学の勉強ができる女子校。確固たる信頼感を得ているので、毎年人気がある。

渋谷区笹塚にある富士見丘も着々と生徒を集め、私学の教育の質の市場ではたいへん注目を浴びている。受験市場ではまだまだ同校の良さは伝わっていないが・・・。受験市場での評判が高い練馬区の富士見中とは対照的である。福沢諭吉の「痩せ我慢」という精神は、市場主義の影の部分に対してのリスクマネジメントになると思うのだが、どちらが良いのか、それは受験生・保護者の選択判断に委ねるしかない。

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