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09年首都圏中学入試[05] 戸板中学校の質はさらに飛躍する

☆今日から埼玉エリアの中学入試が始まった。首都圏では帰国生入試を行った学校もある。一方で、受験生・保護者の心身のコンディションを調整する目的で学校説明会を開催しているところも多かった。

戸板中学も説明会を行ったが、会場であるホールはほぼ満席だった。おそらくこの時期集まった家庭は、同校を受けることを決めているのだろう。それだけに緊張感がただよっていたが、先生方のもてなしに心和ませていた。

☆戸板中はもともと良質の教育力をつくってきた伝統校であると同時に、新しい知や技術、国際的視野などを織り込んできたクオリティスクールである。

☆だから、飛躍するはずだと思ってきた。創設者戸板関子以来100年以上経っているのに、しばらくの間、校長は男性だったが、2年前に久々に女性の校長杉岡啓子先生が就任したというの聞き及んで、いよいよだなと思っていた。

☆そんなわけで訪れてみたが、やはり飛躍の仕掛けができあがっていた。そして、その仕掛けが、入試問題の作成コンセプトにまで反映していたのには、さらに驚いた。

☆国語と算数の時間は、45分から50分になった。時間が長くなったのは、量が増えるとか難易度を上げるとかというのが目的ではないという。考える問題を出題するのが目的であるということだ。また、理科や社会も実験や統計・資料を読み解く力、それを記述する力も問う問題を出すという。

☆しかし、それはあくまで、基礎基本と応用力すべての学力を身につける態勢・体制ができているからご安心くださいというメッセージなのである。だから、一方で、でも合格点がとれればよいのだから、満点を取ることは意識しなくても大丈夫という心優しい、つまり受験生の学習者心理をキャッチしたトークが行われたのは、さすがである。フォロワーシップを有している教師陣がそろっているなと、保護者も安堵していたようだった。

☆ところで、なぜこのような宣言をしたのだろう。それは募集要項の出願条件を見れば明らかである。

戸板女子高等学校卒業後、大学へ進学する意志を持っている女子

☆とあるのだ。もちろん、学歴社会だからしかたがないというネガティブな発想ではない。募集対策室のチーフプロデューサー伊藤先生によると、「人生のどのシーンにおいても希望を高く掲げて達成に向けて全力をつくす女性」になる志をもって欲しいという前向きの発想である。

☆この発想こそ「高く希望を掲げて、前向きに学ぶ女性」の育成を目標にした創設者戸板関子の強い意志である。この建学の精神が入試問題作成コンセプトにまで浸透したのである。大きな飛躍に期待がかかる。

☆それにしても、戸板中学の教育の環境、表現、ツールは実に柔らかくシンプルで知的である。ファッショナブルである。徹底した安心安全をマネジメントすると同時にITをフルに使いこなす新しいイノベーションにもチャレンジしているのだ。

☆そのベースは、学力と人間力と教育力という大きな枠組みをささえる多様な教育要素の組み立てというかデザインにある。たいていはこれらの要素が並置されているだけで、有機的に結合していないが、そこは巧みに織りなされている。長年学内改革を模索してきた杉岡校長とプロデューサー伊藤先生のきめ細かい気遣いと戸板関子時代のダイナミックな女性のエンパワーメントが結びつき、いよいよ真価発揮する時を迎えたのだと思う。

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