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09年首都圏中学入試[16] 入試直前の受験生・親・教師の気持ち

☆1月10日(土)、白梅学園清修の08年度入試のための最終学校説明会が開催された。いつものように、柴田副校長のブログで、参加された保護者や受験生の声が掲載されている。不安と緊張感、同時に志、決意が伝わってくる。

☆そして何より、その気持ちを受け入れ、励まし、受験生の成長を祈るようなあたたかい眼差しで見守っている教師の様子も伝わってくる。おそらく他のクオリティスクールでも同じようなシーンがあるはず。

☆不安を感じている受験生や保護者の方は、柴田副校長のブログ「緑浄春深」を読んで元気をもらってはどうだろうか。

☆たとえば、次のような応答は、さりげないけれど、子ども、親、教師の三位一体のコミュニケーションプロセス。

母親) 受験勉強も残り少なくなりました。毎日、「これでいいのだろうか?」と親として自問してきました。娘も親も希望し、受験勉強をしてきました。今日の入試体験問題の解説での先生方のお話もしっかり胸にきざみ、残りの日数をいろんな面でサポートしていきたいと思います。(お母様)

柴田先生) 娘も親も・・・・親子が同方向に同一歩調で頑張っている“経験”は人生にそうあることではありません。この時間そのものを大切になさってください。

☆ポイントは、白梅学園清修に入学すると、このような経験ができるということが隠されている。親子の「希望」はここにつながる。

☆父親の気持ちと共感できるコミュニケーションが存在する学校であることもわかる。

父親) 副校長の方針に共感を得ました。また、教員の方たちとの教育方針について、常に向上心を持って取り組み、改善等が行われているようで、教員の方たちへの魅力を感じました。

柴田副校長) お父様からのこのようなメッセージ、同性として嬉しいことです。ありがとうございます。ほかの学校でも、ほかの職場でも通用する教職員集団でありたいと願っています。

☆学校の教師のチームワークづくりが、父親の職場のチームワークづくりと重なったり、互いに参考になる話ができる学校は意外と少ない。

☆在校生の学校の歴史を自分たちも参加して作っていくのだという気概と他者への気遣いが伝わってくる応答もある。

 母親) 在校生の方に応援メッセージをいただき、ありがとうございました。大勢の人の前で話すのは(しかも大人が多い)とても緊張したであろうに、受験生を応援したいという気持ちと一生懸命な様子に涙が出そうになってしまいました。

柴田副校長) 相手の立場になって思いやれるこのお気持ち、とても尊く、大切なことだと思います。お母様のそのようなお気持ちはきっとお嬢さんにも受け継がれていきます。

☆このような共感ができる学校の雰囲気が伝統になるわけである。受験生の決意が伝わってくるメッセージもある。

受験生) 応援メッセージありがとうございました。 入試体験ではすごく緊張したけれど、問題がとけたので嬉しかったです。残り少ない間で、過去問題を中心に、最終確認をし、絶対に合格します!!

柴田副校長) 「絶対に合格します!!」ですか。その気合いが大切です。残りの時間、過去問題に集中して頑張ってください。

☆ここには重要なポイントがある。それは受験生が「絶対合格する」と決意し、それを受けて教師が「頑張ってください」と声をかけているところ。順番が逆になると緊張が高まる。柴田副校長のように、受験生→教師→・・・という順番は勇気づけになる。同じ言葉もタイミング。これが良い雰囲気を作る白梅学園清修のコミュニケーションの奥儀。

☆次の緊張感は、この時期の親の気持ちそのもの。この緊張感を受けとめるコミュニケーションが見事。

母親) 今、娘より緊張し、不安の毎日です。 愛読書は貴校の過去問。落ち着く時間です。娘の「絶対合格してみせる!!」の言葉を信じます。今日が最終の説明会かと思うと寂しい気もしますが、春には新入生の保護者として来校します。

柴田副校長) やっている当事者(=選手)より見ている側(=監督)の方が胃が痛くなることはスポーツ界でも同じです。親としても人間として“鍛えられている時間”として、この緊張を喜びとして堪能なさってください。まだまだ、人生は続きます。

☆胃が痛くなるのは、実は柴田副校長も同じ。親と教師が痛みを分け合えてこそはじめて共感できる。そして共感できると、ともに成長できる。生徒のみならず、親も教師もまだまだ人間としていっしょに成長しましょうというのが白梅学園清修。共感がなければ、生徒にとっても親にとっても押し付けになる。信頼がまず大事というのが良い感じである。

☆ところで、この痛みを分け合う柴田流儀は、学び、スポーツ、組織、社会すべてに通用するテクノロジー。これぞ白梅学園清修のコミュニケーションのシステムの真骨頂である。

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