09年首都圏中学入試[31] 桐朋女子と麗澤
☆桐朋女子は帰国生入試のみならず、国内生のための一般入試も好調である。これはここのところ調子が悪かっただけで、再び桐朋女子の教育の質を受験生や保護者が再認知したということだろう。
☆桐朋女子の教育の質は、入試問題に反映している。豊かな言語能力、論理的な思考、そしてプレゼンテーション能力が求められている。コンセプトとして大切にしていることは、人間にとって重要な社会と自然と精神をどうのように結びつけるかという総合力である。
☆受験生も個性的でユニークな才能を持った生徒が受ける。受験市場に背をむけ、私学市場でのみ教育を続けようという強い信念が再び良い影響を世の中に与えてくれるのではないだろうか。
☆麗澤が増えている理由も、桐朋女子の教育の質と同じことが言える。言語技術、英語教育、ITを使ったイノベーション、広大な森、モラロジーというグローバルスタンダードな倫理教育。つまり自然と社会と精神を結びつける横断知がベースで、そのうえにコミュニケーション、テクノロジー、寛容性というクリエイティブ・クラスを育成する学びの環境が充実しているのである。
☆もちろん大学実績もその結果として出始めている。このような理想と現実を一致させ続けている私立中高一貫校は、千葉エリアでは芝浦工大柏以外には他にないかもしれない。
☆横断知という意味では、渋谷幕張にもあるだろうが、それを麗澤や芝浦工大柏のように見える化しているかというと、やはり教科教育の比率が圧倒的に高いだろう。そうでなければ、東大は合格しないのかもしれない。
☆しかし、横断的な知を持っている生徒が海外の大学に合格している経験も積んでいるはず。ただ、なかなかそのリソースを国内の大学進路指導に結びつけられないのだろう。教科教育と横断知のカップリングは、現状の国内大学入試では必要がないという現実問題があるからやむを得まい。
☆そういう意味では広大な自然の中にある麗澤は学びの理想郷である。
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