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09年首都圏中学入試[83] 鴎友学園女子の新戦略① 私立学校の存在理由を中核に

☆昨年9月25日に開催された「私立学校父母の会合同研修会」で、鴎友学園女子の校長清水哲雄先生は、「私立学校の存在理由と私学助成金」というテーマで講演。公立(国立)、私立の教育の役割の違いを明確にし、その役割を混同したり、私立学校の役割を公立学校に吸収しようなどしようものなら、一つの柱がなくなり民主主義国家の崩壊をもたらすという論を展開した。

☆民主主義国家は、自由権を守るものであり、文化の多様性を大切にするものであるという清水校長の思想が明快に論じられたのである。そして言うまでもなく、自由権を守るにはディスカッションという言論の自由を守ることであり、この言論の自由は独我論ではなく、公共の精神を磨き続ける言論を意味する。

☆文化の多様性は、自由権を守ることと表裏一体ではあるが、特に共に生きることの重要性が前面にでてくるし、文化の多様性が創造性を保障しもする。

☆清水校長のこの論の展開のロジックは、いずれまとめてみたい(私ではちと力量不足だから、そのままどこかで論文が掲載されることを望むが)が、この論の背景に、鴎友学園女子の校訓が通奏低音のようにあることに改めて一貫しているなぁと感銘を受けた。

☆慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造とが校訓であることは、あまりに有名であるが、共に生きることは慈愛に相当し、公共の精神は誠実に相当するだろう。そして文化の多様性は創造に対応するのではないか。

☆それから見逃してならないのは、私立学校の存在理由は、公立学校だけでは支えられない民主主義国家を支えることであるが、この国家は日本国のみをさしているわけではないのである。

☆公立学校だけで、ある時期官僚日本国家を支えることはできるかもしれない。しかし、それを民主主義国家として支えるには世界の民主主義国家と共に生きることができなければならない。自由権の問題や文化の多様性の問題は、世界共通の問題でもある。

☆清水校長は、個性化は共に生きるということがあってはじめて重要であるが、公立学校での苦労は、共に生きることなしの個人化が広がっていることにあると。これを何とかしなければならない。そこに私立学校の存在理由はあるのだと。

☆受験市場は、この私立学校の存在理由を無化する危険性を内包している。やはり私学市場の盤石の基盤を作る必要があると思う。

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