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09年首都圏中学入試[84] 鴎友学園女子の新戦略② 企業とテクノロジーで連携

Cep ☆本日(2009年2月15日)、鴎友学園女子で、おもしろいイベントが開催された。東京の9校の私立学校とベネッセとマイクロソフトが連携して、「ロボットを作ろう、動かそう」合同発表会が行われたのだ。

☆開会のあいさつで、鴎友学園女子の校長清水先生は、「学校ができないこと、企業ができないことを互いに協力してチャレンジしていきたい」という旨の話をされた。

☆生徒たちのプレゼンを見ていて、なるほど学校ができないこと、企業ができないことが明らかになり、今後このようなコラボレーションは重要だと確信。

☆学校ができないこととは、それはテクノロジーの研究である。今回のプログラムの目的は理数系人材育成の促進支援である。だからマイクロソフトが提供するソフトウェアを使って、プログラミングによってロボットを実際に動かし、そのプログラミング技術のレベルを競う体験型プログラムになっている。

☆四足歩行のロボットにいろいろな運動機能をプログラムし動かすのだが、45度回転する運動のプログラムを書くのに相当苦労しただろう。プレゼン自体は一瞬にして終わるから、プログラミングを体験していないと、その地道な苦労がわからなかったかもしれない。

☆理数離れを防ぐには、この地味な技術の価値を認識できるようにすることである。参加していた生徒たちは、各チームのプログラミングにいちいち感動していた。それはその苦労を共有していたからだ。

☆こういうプラグマティックな技術研究は、コスト面やまさに技術そのものの理由で、学校が取り組めるようなフィールドではない。

☆一方プレゼンテーションを見ていて、中にはリストラの問題を織り込んだストーリーの中でロボットを動かしたり、トレンドの笑いをパロディーとして取り入れてパフォーマンスを構成していたチームもあった。技術に自分たちの別の才能を加えてプレゼンしていたのである。

☆短いプレゼンなので、見逃しがちだが、これは自分たちが感じたことや考えたことという文脈の中に技術を位置付けているのである。つまり昨今の技術は哲学なき技術、倫理なき技術が主流だが、学校と連携することによって、そこは補完されるのである。

☆哲学や世界観のある技術。これである。リチャード・フロリダ教授は、21世紀のリーダーを、クリエイティブ・クラスと命名しているが、このリーダーの三要素は、タレント、テクノロジー、トレランスの3Tだと。しかし、この3つの要素の必要性は、利益主導の市場主義では度外視されがちである。

☆そこで私立学校の役割が重要になる。市場主義に3Tの要素の必要性を補う役目を果たせるのである。そのためには、外部の企業リソースの活用を積極的に行わねばならない。

☆つまり、外部とつながり、3Tの影響力をアウトプットするのである。今回この役割を担った私立学校は、鴎友学園女子以外には、麻布、聖光、実践女子、田園調布雙葉、大森学園、西武文理、広尾学園、宝仙理数インター。

☆また、これは企業の見識がとわれる事業であるが、そこにチャレンジしたのが、今回はベネッセとマイクロソフトというわけである。このような見識ある両社だからこそ、この世界的大不況にも強いということなのかもしれない。

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