09年首都圏中学入試[97] 今年のサンデーショックの時代精神⑥
☆南原繁の著作集を閲覧しに、中央図書館に行った帰り、そのまま有栖川宮記念公園を散策したのだが、私学の精神がそこにはあふれていた。盛岡藩の屋敷跡だという。その前はあの浅野家の下屋敷・・・。いずれも壁に立ち向かう卵だ。盛岡藩といえば、新渡戸稲造。江戸の大名庭園は、自然と社会と精神の横断的心性を育む感性が広がっている。
☆内村鑑三も小石川で生まれる。大名庭園の発想は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に広がったユートピア都市であるガーデンシティの基礎になったほど。私学人の精神は、ここで育ってきたし、これからもそうだ。
☆一方明治政府は、大名庭園をどんどん破壊し、ヨーロッパ型パークをデザインしていった。空間の作り方も≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫の差があるのだ。
☆有栖川宮記念公園の話に戻ろう。制服姿の小学生が10人くらい、先生方と話をしていた。こんな都会に、生態系がちゃんとあることを議論していたようだ。学際的なフィールドワークの1シーン。
☆制服姿の小学生グループは、すれ違いざまに、「こんにちわ」と。制服を見れば、ペンのマークだった。なるほど。
☆そういえば近くには麻布学園もある。麻布の生徒たちが、この公園をどのように使っているかは、おもしろおかしくよく語られるので、紹介する必要はないが、各国大使館がずらりと並ぶこの文化的な環境もフィールドワークとして活用されているという。自然と社会と精神の統合活動、つまりリベラルアーツは、学校の周りにいっぱいある。私立学校はそういうところに位置しているというのも特徴である。空間が育てる精神を大切にするというのは、たんにエコロジカルな視点を育てるだけではないのだ。空間とは総合的な関係をデザインすること。
☆それぞれの私立学校の校舎や敷地に特徴があるのは、その関係デザインのオリジナリティ。公立だとだいたい同じような風景に統一されている。ここにも違いがあるのである。
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