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2009年2月

09年首都圏中学入試[98] 受験市場の動き

☆「河合塾、教育出版、Z会、テスト専門会社、AO学力検査・資格に照準(2009年1月13日 日経ネット)」によると、

大手予備校の河合塾グループは、教科書会社の教育出版、通信教育大手のZ会とテストの専門会社を設立する。それぞれのノウハウを持ち寄り、小学生から社会人向けまでの多種多様なテストの企画、作問、実施、採点、分析などを請け負う。当面はAO(アドミッションオフィス)・推薦入試などで入学した学生の学力検査などを大学に売り込みながら、教育委員会や企業にも販路を広げる方針だ。

☆日本版ETSというわけか。それにしても受験市場の強化にすぎない。AO入試では基礎学力が測定できないから、その部分を補てんして、基礎学力も人間力も補償するシステム作りを!ということだろう。とてもイノベーションとは思えない動きだが、日能研、四谷(ナガセ)、ベネッセ、学研、リクルートなども同じようなことを考えているはず。どこかが一味違うことをすれば、そこが覇者だ。

☆公立中高一貫校が500校になったら、全国公立中高一貫校センター検査なんてのが文科省の委託機関で行われてたりするわけだな。

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09年首都圏中学入試[97] 今年のサンデーショックの時代精神⑥

☆南原繁の著作集を閲覧しに、中央図書館に行った帰り、そのまま有栖川宮記念公園を散策したのだが、私学の精神がそこにはあふれていた。盛岡藩の屋敷跡だという。その前はあの浅野家の下屋敷・・・。いずれも壁に立ち向かう卵だ。盛岡藩といえば、新渡戸稲造。江戸の大名庭園は、自然と社会と精神の横断的心性を育む感性が広がっている。

☆内村鑑三も小石川で生まれる。大名庭園の発想は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパを中心に広がったユートピア都市であるガーデンシティの基礎になったほど。私学人の精神は、ここで育ってきたし、これからもそうだ。

☆一方明治政府は、大名庭園をどんどん破壊し、ヨーロッパ型パークをデザインしていった。空間の作り方も≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫の差があるのだ。

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09年首都圏中学入試[96] 今年のサンデーショックの時代精神⑤

☆昨年のクリスマス・イブの午前中、東京女子学園の實吉校長、鴎友学園女子の清水校長とお会いして、「私学人プロジェクト」を立ちあげようということになった。もともと2006年の教育基本法改正の動き以前から、私学の先生方と改正後のリスクをどう回避するのか、どう積極的にとらえ返していくかという議論をたびたび行ってきたということもある。

☆聖学院の大木理事長や小倉学院長もプロテスタントの中ではピューリタニズムという立場から教育基本法の改正に批判的な議論をアピールしていて、いかに戦後教育形成期の純粋な精神的な革命の燈を教育実践の中で継続していくかという話に刺激を受けていた。

☆このブログを中心にすでに何度もしつこく述べているけれども、戦後教育基本法は、象徴天皇や憲法9条と同じくらい重要なポジショニングなのである。政治的にはいろいろあるだろうけれど、これら3つのポイントは、吉田茂と南原繁の「二人のシゲル」人脈が奔走してできあがったわけである。

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09年首都圏中学入試[95] 今年のサンデーショックの時代精神④

☆今年の中学入試も落ち着きをみせた2月15日、村上春樹さんのニュースが世界に広まった。エルサレム賞を受賞し、その授賞式でのスピーチが話題になったのである。

☆ガザ地区の戦闘のために、エルサレム賞受賞自体を辞退するべきだとか、授賞式に出席すべきでないとか、批判的な議論が周りでなされていたが、村上さんはあえて、だからこそ出席し、語らねばならないと決意したということである。

☆エルサレム賞をもらう側が、授ける側に議論をしかけるという態度決定をしたのである。

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09年首都圏中学入試[94] 国公立大学入試の2次試験始まる

☆来年の中学入試の動向を左右する国公立大入試の2次試験(前期日程)が、本日25日から、全国で一斉に始まった。各新聞によると、不況の影響により今年は国公立大人気が高まるとみられていたようだが、前期日程の志願者数は6年連続で減少して24万9861人、志願倍率は昨年より0・1ポイント低い3・2倍となったそうだ。

☆今年の不況の影響は、今のところ中学入試や大学入試にはそれほど影響していないということか。どういうことだろう。

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09年首都圏中学入試[93] 今年のサンデーショックの時代精神③

☆昨年末リーマンショック以来、中学入試の話題が多くのメディアでバーッと取り上げられないような気がしている。そのかわり、時代精神は意外と戦後の原点を確認しようとしているかのようだ。

☆今月28日から3回に渡り、NHKドラマスペシャル「白洲次郎」が放送される。なぜ白洲次郎が私立学校に関係するかというと、白洲次郎は日本の教育の中に収まりきれずに、英国で学んでいる。日本の私立学校の多くは、そのモデルをイギリスの名門パブリックスクールに求めている。そういう意味でも白洲次郎は、私学人の一人であるのだが、たんに英国紳士の精神が刷り込まれているというだけではないのだ。

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09年首都圏中学入試[92] 中村中の次の一手

☆今年も中村中の生徒獲得戦略は成功。そしてその余韻に浸る間もなく、2010年度入試第1回学校説明会(2/21)が開かれた。

☆2月に説明会を開催するようになって、もう4年めであるが、参加者も毎年増えているということだ。教頭梅沢辰也先生によると、

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09年首都圏中学入試[91] 日本学園の次の一手

☆今年の生徒募集の増加率を見ていると、日本学園の勢いがよい。吉田茂が1年間ほどではあるが、ここで学んでいる。≪私学の系譜≫を調べていくと、吉田茂と南原繁という「二人のシゲル」が戦後日本の教育を大転換させている重要人物であることに気づく。

☆だから、前々から気になる男子校の1つであった。学校のサイトを見ると、OBの層が厚い。大活躍した人材がずらりと並んでいる。たとえば、

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09年首都圏中学入試[90] 八雲学園の次の一手

☆今回の中学入試においても八雲学園の生徒獲得戦略は成功した。生徒募集の数は昨年に比べ減りはしたものの、それは合格ラインが難しくなったことが大きな原因。その証拠に手続き者は多く、もしかしたら歩留まり率がたいへん高い可能性がでてきたそうだ。

☆10年前の98・99年の私学危機に耐え抜いた独自の生徒獲得戦略は、他校にも研究され、私学の生徒募集の創意工夫に大きな影響をあたえた。

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09年首都圏中学入試[89] 今年のサンデーショックの時代精神②

☆前回「苅谷さんは、見事に私学市場の話を持ち出し、次の瞬間ひっこめている箇所がある。やはり時代の精神を感じている。」と書いたが、たしかに苅谷剛彦さんは、アイロニーのつもりなのかどうかわからないが、時代の精神を感じていながら、歯切れが悪い、はっきり語っていないところがあるのだ。

☆それは、

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09年首都圏中学入試[88] 今年のサンデーショックの時代精神

☆今年のサンデーショックは、時代精神と重なっている。だから、ショックによって揺さぶられた私立学校や私学市場が立て直しを図るとき、時代精神を吸収することになる。そういう意味では、サンデーショックの意義はある。

☆時代精神を反映している書籍が、この時期に出版されているのも興味深い。1つは前回紹介した「南原繁と戦後教育改革」だが、他に「中央公論2009年3月号」が挙げられる。

☆特集「大失業時代の闇」の論客がまさに時代を反映している。雨宮処凛さん、小杉礼子さん、城繁幸さん、八代尚宏さん、鈴木謙介さんである。雇用政策や政治、教育、つまりキャリアデザインの本質について語り合っている。新自由主義への冷静な批判と今すぐできる対症療法的選択でありながら普遍的な問題がそこから開けてくることが語りつくされている。まさに私学市場の精神的な側面の重要性に光をあてているのである。もちろん「私学市場」という言葉はでてこないが。

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09年首都圏中学入試[87] 今年のサンデーショックは神の計画か?

☆今年の中学入試は、たしかにサンデーショックで、当事者の間では相当な緊張も走ったし、実際生徒獲得にさまざまな影響が出た。しかし、そのわりにマスメディアは、中学入試についてそれほどカマビスシク取り上げなかったような気がする。

☆それもそのはずだ。世の中は世界同時的大不況。これを乗り越える話題一色になった。そしてオバマ大統領の誕生。日本の小学校卒業生の人口の3%が受験する首都圏中学入試の話題は、まったく眼中にないというのが世間。当然ではある。

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09年首都圏中学入試[86] サンデーショックのその後

☆幾つかの女子校の先生方からサンデーショックの影響について聞いた。まだまだ断片の情報で、一般化できないが、応募者は見た目二極化したが、手続き段階では、教育の質にこだわった学校は、ほぼ定員を確保したという結果になりそうだ。

☆ただし、応募者総数が昨年より減った学校の中で、いつもより多めに合格者をだすことで、リスク回避をしたところがあるが、今度は新しいリスクが生まれているところがあるという。

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09年首都圏中学入試[85] 中学受験 大手塾の寡占化進む

090216 ☆今年の中学入試もだいたいおちついてきた。各塾の合格者数もでそろってきたころなので、日能研、サピックス、早稲アカ、市進の4つの大手塾の比較表をつくってみた。初回合格者数に対し4塾の実績合計のシェアをだしてみたが、驚くべき結果ではないか。

☆シェア80%以上の学校を多い順に列挙すると、

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09年首都圏中学入試[84] 鴎友学園女子の新戦略② 企業とテクノロジーで連携

Cep ☆本日(2009年2月15日)、鴎友学園女子で、おもしろいイベントが開催された。東京の9校の私立学校とベネッセとマイクロソフトが連携して、「ロボットを作ろう、動かそう」合同発表会が行われたのだ。

☆開会のあいさつで、鴎友学園女子の校長清水先生は、「学校ができないこと、企業ができないことを互いに協力してチャレンジしていきたい」という旨の話をされた。

☆生徒たちのプレゼンを見ていて、なるほど学校ができないこと、企業ができないことが明らかになり、今後このようなコラボレーションは重要だと確信。

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09年首都圏中学入試[83] 鴎友学園女子の新戦略① 私立学校の存在理由を中核に

☆昨年9月25日に開催された「私立学校父母の会合同研修会」で、鴎友学園女子の校長清水哲雄先生は、「私立学校の存在理由と私学助成金」というテーマで講演。公立(国立)、私立の教育の役割の違いを明確にし、その役割を混同したり、私立学校の役割を公立学校に吸収しようなどしようものなら、一つの柱がなくなり民主主義国家の崩壊をもたらすという論を展開した。

☆民主主義国家は、自由権を守るものであり、文化の多様性を大切にするものであるという清水校長の思想が明快に論じられたのである。そして言うまでもなく、自由権を守るにはディスカッションという言論の自由を守ることであり、この言論の自由は独我論ではなく、公共の精神を磨き続ける言論を意味する。

☆文化の多様性は、自由権を守ることと表裏一体ではあるが、特に共に生きることの重要性が前面にでてくるし、文化の多様性が創造性を保障しもする。

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09年首都圏中学入試[82] 中村中の成功を支える保護者

☆今年の中村の中学入試も大成功だった。独自のボランティア活動、海外研修のプログラム、教育空間の仕掛け、授業と読書の充実、ICTの最適な活用術、新しいプログラム・・・と教育の質を常に向上させてきた。その結果として大学進学実績もアップした。

☆しかし、中村中の生徒獲得戦略の成功の背景には、保護者の娘の母校に対する愛がある。

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09年首都圏中学入試[81] 鴎友生のノートは必ず美しい

Photo ☆今年の鴎友学園女子の中学入試も成功のうちに幕を閉じたようだ。同学園の人気の秘密はなんだろう。それは「鴎友生のノートは必ず美しい」という学びの構えとその成長の姿にあるのではないか。決してシステマチックに整理されていて美しいということではない。むしろ内的な思考の活動の軌跡と成長の美しさである。

☆鴎友学園女子に入学すると、写真のようなVERITASと刻印された鴎友ノートをもらえる。全部使い切ったら、そのあとは購買部で購入することになる。

☆ある中3の在校生は、「一応学生の本分は勉強するということだから、このノートの山を中学生の私と言っても過言ではないのかもしれない」と語る。とにかく鴎友生のノートは山のように積み上がるそうだ。そしてそれを中1のころから順に見ていくと、書きとめる視点のレベルの成長がわかるという。ただ情報を写している段階から、自発的に授業に参加して自分の頭で考えたことをメモするようになる段階に至るまでの成長の軌跡があるのだと。

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09年首都圏中学入試[80] 魅力尽きぬ「かえつ有明 」

☆今年のかえつ有明の中学入試の募集戦略は成功のうちに終わった。実によく受験の準備をしてきた生徒がはいってきたという。これでまた来春は難化する。

☆よき募集戦略というのは、単純に経営の論理だけではない。経営の倫理が働く。その倫理とは、あくなき質の向上なのだ。誤解されては困るが、偏差値の高い生徒が入ってくるから質があがるということを言っているのではない。

☆どのような生徒がはいってくるかで、質の高い教育を行っている学校なら、その生徒たちの心身の状態に合わせてプログラムを調整する。すでにつくったプログラムを変えずに、押しつけるようなことはしないものだ。

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09年首都圏中学入試[79] 昨日は筑駒・開成・麻布などの招集日

☆昨日11日は、筑駒・開成・麻布・駒東・栄光・聖光・慶応普通部などが一斉に召集日を開催。それによって、合格者の数が大きく動いたはず。

☆いつもはサピックスは、祝祭日を除いて10時くらいに更新しているのだが、昨日は21時に更新している。それもそのはず、開成の合格者が180名になっているからだ。日能研も80名に増えてはいたが・・・。

☆いずれ分析してはみるが、こりゃあ、受験市場は大きく変わるなぁ。良し悪しは別にして・・・。

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09年首都圏中学入試[78] 桜蔭の国語 なんて哲学的な

☆今年の桜蔭の国語の中学入試問題を分析した。問いの設定もある意味哲学的なのだが、出題テキストまで哲学的エッセイだった。雙葉で出題されなくなった詩の問題も流れの中で扱われていた。昔からときどき桜蔭は詩を出題してきたので、傾向が変わったというほどのことではないが。

☆それにしても、JGも雙葉も開成も、あからさまに哲学的エッセイを選択している。哲学的発想が背景にあるだろうなというエッセイは今までも出題されてはきたが、これほど哲学的テーマがはっきりしている文章はそうそう選ばれてこなかったのではないだろうか。

☆麻布は。物語を通して概念の転換を読解する問題で、読解そのものが哲学的で、入学してからもその言語論的雰囲気は継続されてきた。もちろん今もだが、このような雰囲気を他のいわゆる御三家も今後前面にだしてくるということなのか。

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09年首都圏中学入試[77] 武相のロマン

☆武相という男子私立中高一貫校は、とにかく気になる学校だ。友人と脳の話をしているうちに、茂木健一郎さんの話になり、そういえば、しばらく茂木健一郎さんのブログを見ていなかったと思い、開いてみた。

☆するとNHKの茂木さんの番組で考古学者・人類学者である杉山三郎氏が紹介されている記事があった。考古学的知を持っていると、目の前のモノに、どんどん語りかけられる。そこには時代を超えて、人間の生活が広がる。当時の自然が広がる。当時の人間の考え方やものの見方が広がる。壮大なロマンに魅せられる。

☆武相を訪れるとわかるけれど、随所に創設者石野瑛の精神が浸透している。氏は考古学者だった。考古学的視点とは、自然と社会と精神の関係を時を超えて解き明かしていく知である。

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09年首都圏中学入試[76] 学校選択においてリクルートとベネッセの情報が有益

☆今日、リクルートとベネッセは、学校サポートをトータルにカバーできるところまでやってきた。もちろん両社のコアコンピテンスには差異がある。リクルートは仕事情報がベースだろうし、ベネッセは学び情報がベースだろう。

☆しかしながら、両社はキャリアデザイン情報では拮抗し、その他の関連商品でも拮抗し始めている。それは両社のサイトを見れば一目瞭然。

リクルートの商品→商品サービスの紹介ページ

ベネッセの商品→ベネッセトップページに商品サービス紹介あり

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09年首都圏中学入試[75] 生徒が集まる構成要素③文化女子大杉並

Photo ☆今年の文化女子大附属杉並の第3回目の入試の応募者数には驚かされた。昨対比230.1%である。総応募者数も100%を上回っている。生徒獲得パワーのスコアをだしてみると、やはり戦略的にしっかりしているというのがわかる。

☆同校のオープンスクールは広報体制の「共生型ワークショップ」の構成要素として位置づけられるが、そのパンフレットのデザイン性には感服。そういえば、デザインベースの学校であった。

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09年首都圏中学入試[74] 生徒が集まる構成要素②

Photo前回、生徒が集まる構成要素のチャート図を提案し、それに沿って幾つかの学校の今年の生徒募集の成功の理由を考えていこうとした。しかし、10の要素をすべて見ていくには、膨大な時間がかかり、私には力量不足であることがすぐにわかった。どうしたらよいのか、しばらく放置しておいたところ、「杉並区立『和田中』の学校改革」(岩波ブックレット)という冊子を思いだし、読みなおしてみた。

Photo_2 ☆すると、苅谷剛彦教授のチームが、4つの要素で分析しているのに気づいた。この要素で分析すれば、私立中高一貫校と公立中高一貫校の生徒募集戦略の比較もできるので、後々有益だと思い。チャートのA・B・Cの中から4つ選び、「広報体制」「プログラム」「進学指導」「メディアとの関係」と名付けた。

☆そして、それぞれの項目のレベルを5段階にし、60点満点でスコア化した。これによって、生徒獲得戦略のパワーをシミュレーションしやすくなった。

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09年首都圏中学入試[73] 「日能研 vs サピックス」から見る受験市場

090208nvss ☆今年の中学入試の合格実績について、日能研とサピックスの対比を見ていくと、受験市場の寡占化に驚く。日能研の倍率速報、四谷大塚の入試情報、両塾の実績などの公開データによって、わかる範囲で比較表としてまとめた。

☆今回は初回合格発表数(わからない分は昨年のデータなどから推定)に占める両塾の合格者数合計の割合も出した。

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09年首都圏中学入試[72] 開成の国語 解釈×論理

09 ☆今年の開成の国語の分析結果をいつものように表にした。ただし、今までは、OECD/PISAの表現をそのまま使ってきたが、少しわかりにくいのではないかというご指摘を受けたので、表現を変え、キーワードからイメージができるようにしてみた。1つめの表は、思考のプロセス、2つめの表は思考のレベルと思考のプロセスのマトリクス表。

09_2 ☆これによると、昨年よりやや易しい結果になった。昨年の合格者の平均の予想は56.1%、今年は59.5%。実際の結果は、開成のホームページで公開されているので、参照して欲しい。傾向としては、私の予想(といってもOECD/PISAの分析結果から抽出した平均点の簡単な方程式に拠っているだけ)とそうズレていない。

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09年首都圏中学入試[71] 2月6日 首都圏中学入試総応募者 昨年を超える

090206_2 ☆日能研の倍率速報によると、昨日、ついに首都圏中学入試の総応募者数(総出願件数)が、昨年を上回った。といっても100.1%。受験者総数が増えたわけでもないが、まずは来春以降の私学市場の持続可能性に向けて、それぞれの学校が少しは元気よく活動できる結果だろう。

☆これからは実質倍率なども考慮しながら、今年の中学入試の分析をしていきたい。

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09年首都圏中学入試[70] 日能研 vs サピックス④ 寡占はヤバイ?

090206nvss ☆筑駒の合格発表を表に入れて、更新した。日能研とサピックスの合格者の合計をさしあたり出した。誰が見ても2つの塾で寡占状態。サピックスはかなり日能研を追い詰めているが、神奈川のいわゆる女子御三家や他のクオリティスクールにまでには到達できていない。

☆母集団をどこまで増やせるかがサピックスの今後の課題だろうが、たぶん、高偏差値校を独占するという戦略かもしれない。それには少し時間がかかる。

☆たしかに、日能研は、開成、栄光、慶応普通部、筑駒、桜蔭では、溝をあけられた。しかし、麻布はなんとか巻き返しがすぐにできるところまでは守り切っている。

☆15、6年前は、開成25名だった日能研が、ある戦略でここまできたのだから、スタートからやり直せばよいだけ。実はサピックスもそう簡単に受験市場全体の覇権は奪取できないだろう。しかし大事なことは、塾の覇権争いなんかではない。

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09年首都圏中学入試[69] 2月5日 首都圏中学入試総応募者 昨年に追いつく

090205 ☆2月5日当日、首都圏中学入試の応募者件数は新たに、1749件動いた。これによって、首都圏の総応募者数は、昨対比で99.9%となり、ほぼ昨年と同じ件数になった。

☆受験生数それ自体は、実質倍率などが出てみないと、わからないが、昨年より増えているという実感はあまりない。横バイか若干減っているぐらいだとは思う。

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09年首都圏中学入試[68] 先輩が切り拓いた「かえつ有明ボーイズ」

☆ 「09年首都圏中学入試[41] 生徒が語るかえつ有明の教育(1)」で、共学校になった「かえつ有明」の卒業生Yくんの話を紹介した。

☆野球部を作って、後輩たちに道を切り拓いた物語だ。この悲願がかなった話が、今日のスポーツ報知で紹介されている。それによると、

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09年首都圏中学入試[67] 日能研 vs サピックス③

090205nvss ☆2月7日以降に各学校が招集日を設定しているので、来週合格者数が大幅に動いているはずであるが、日能研とサピックスの集計の日々の更新をみていくと、いつのタイミングで大幅に動くのかがわかる。

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09年首都圏中学入試[66] かえつ有明の理念とオバマ大統領

☆中学入試の真っ最中の忙しいこの時期に、かえつ有明の小板橋先生から次のようなメールをいただいた。

日経のオバマ大統領関連の記事の中に偶然、創設者嘉悦孝の「怒るな働け」と同義の内容「怒ってエネルギーを浪費する余裕があるなら解決策を探るべきだ」という興味深い部分がありましたのでお送りします。

☆と、わざわざPDFにして、その部分(日経夕刊2009年1月13日)を添付してくださった。

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09年首都圏中学入試[65] 学研の中学受験戦略 驚きの学明舎

☆首都圏中学入試はまだまだ続いている。学校選択のものの見方の重要性を感じる時期であるが、同時に新3・4・5年生が、塾選びを考えたり、考え直したりする時期でもある。

☆中学受験と言えば、日能研、サピックス、四谷大塚、早稲田アカデミー、市進とかなるのだろうが、四谷大塚、早稲田アカデミーは、その背景にナガセ(東進)の経営戦略が、ちらつく。

☆塾の生き残りは、合格実績だけではない。経営戦略なき合格実績もありうる。多くの大手進学塾は、その経営戦略や組織の脆弱さで栄枯盛衰の憂き目にあってきた。

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09年首都圏中学入試[64] 2月4日当日 応募者5000件動く 東京の女子校受験増える

090204 ☆先日2月4日の首都圏中学入試の応募件数も増えた。5,416人が出願している。もしも本日さらに2,000人強出願の動きがあると、首都圏全体としては、応募者件数については、昨年に追いつくことになる。

☆当初出願の動きが遅く、多くの学校で不安の影がよぎったが、私立中高一貫の存在意義は、不況化にあっても健在だった。

☆もちろん、これは応募者件数の勢いであって、応募者数の話ではない。東京の女子校の応募者件数は昨対比100%を超えた。

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09年首都圏中学入試[63] 日能研 vs サピックス②

090204nvss_2 ☆刻一刻と合格実績の集計が変わっていくので、しばらく見ていくが、いろいろなことがはっきりしていく数字だ。受験市場と私学市場の明確な線が見えてくると思う。がまずは、しばらくは収集・整理していこう。解釈はいずれ。

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09年首都圏中学入試[62] 2月4日 八雲4科目入試はじめる

☆本日、八雲学園は、4科目入試を開催した。応募者全体の数は、昨年に比べ若干減少したが、初日13.2倍、2回目7.1倍、そして本日16.4倍という勢い。

☆明らかに敬遠組がいたということだろう。学校説明会に参加し、その集まった数に圧倒された保護者もいただろうし、いよいよ4科目だけの入試も導入する背景に、周到に受験準備をしてきた受験生が多数受けることになると予想したのだろう。

☆この予想は見事に的中。したがって、敬遠という選択判断も、子どもにとっては賢明だったということになるだろう。

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09年首都圏中学入試[61] 共立女子C日程応募者数増加が意味すること

☆本日4日、共立女子のC日程入試が行われる。最終応募は昨日締め切られた。57名が応募し、844名の応募者が集まったことになる。昨対比は107.2%。

☆「09年首都圏中学入試[42] 共立女子出願状況から見えること」では、129%と予想していたが、さすがにそうはいかなかった。

☆しかし、これはあくまで、名目の応募者数で、実際の入試では、これ以上の激戦になる可能性がある。

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09年首都圏中学入試[60] 2月3日当日も応募者7000件動く

090203_2  ☆本日2月3日首都圏の中学入試で1回目の入試を行うという学校はなくなった。明日以降は2回目・3回目・・・という入試になるが、まずは3日当日、昨日と同じように7,000件以上の出願が動いた。

☆もしも明日も同様の動きになれば、昨年の応募者件数に追いつくことになる。幾つかの学校から聞くところによると、サンデーショックを見込んで、相当強気の受験をした生徒が、辛い思いをしながら明日の受験のために急きょ出願するという動きがあるようだ。

☆もちろんその逆もあるだろうが、受験はまだまだこれからである。いずれ追試のリストも掲載されるだろう。最後まであきらめず、自分にとっての居場所づくりのできる学校を選んでほしい。必ず道は開けるだろう。

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09年首都圏中学入試[59] 日能研 vs サピックス

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■ 日能研の鴎友学園女子の合格者数を間違って記載しましたので、表を至急差し替えます。大変ご迷惑をおかけしたことを、お詫び申し上げます。(090204 09:30)

■ 日能研の合格者数がすでに、更新されていましたので、ホームページを見た時点(090204 09:30)の数字に更新したものを掲載することにします。(090204 10:02)

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090204nvss ☆中学受験で、今や日能研とサピックスの合格実績は衆目を集めるターゲットである。両塾はすでに合格実績を公表し始めているので、比較表をつくってみよう。すると、日能研がふんばったということがわかると思う。

☆このことは一体何を意味するのか?

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09年首都圏中学入試[58] 生徒が集まる構成要素①

☆今年の首都圏中学受験も少しずつ全貌が見えてきた。応募者全体の件数は徐々に昨年に追いついてきているが、個別に見ると、苦しい雰囲気の学校も多い。そいう中で、突出した応募者増の学校もある。

☆たとえば、神奈川エリアの男子校横浜中だ。特別なプログラムの変更はない。だから教育のクオリティとしては、良質であることに変わりないが、それが激増の大きな要因ではないだろう。

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09年首都圏中学入試[57] 麻布の社会の学際知

☆麻布の社会の入試問題を見て、いつも思うのだが、これを麻布の特徴で終わらせては、もったいない。知識的な問題は、本当に教科書レベルで、細かい知識を覚える必要はない。そのかわり、一生懸命なのか楽しんでなのか、ちょっとスリリングではあるが、考える。そして、考えたことを論理的に表現する。

☆こういう中学入試問題を他の学校も出題すれば、中学受験市場は、一挙に私学市場にシフトする。もちろん、受験市場はなくならない。受験市場が私学市場の知の促進の障壁になるのではなく、受験市場が私学市場をサポートできるポジショニングにシフトするということを意味している。

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09年首都圏中学入試[56] 2月2日当日 応募7000件以上動く

090202 ☆本日2日、応募件数7,471が動いた。2月1日即日合格の結果を見て動いたのだろうが、これによって、首都圏の中学入試の応募者件数は、昨対比95.5%にせまる。

☆JGをはじめ多くのプロテスタント校が、今日2日に受験日をシフトしたから、その結果によって新たに出願が増えるだろう。

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09年首都圏中学入試[55] 女子学院の国語 隠れた変化

☆本日行われた女子学院の国語の入試問題。形式や問いの数などに変化はない。しかし、テキストから情報を取り出すだけではなく、テキスト内で解釈する問題が昨年より多かった。

☆また、大きな記述問題はないが、テキスト内の文脈だけでは処理ができない問題も同様。

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09年首都圏中学入試[54] 女子学院の漢字

☆本日の女子学院の国語で出題された漢字の問題。

次のカタカナの言葉を漢字に直しなさい。

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09年首都圏中学入試[53] 本日 女子学院の入試

Jg_4 ☆2月2日、女子学院の中学入試が行われた。サンデーショックの震源地である。応募者数は1,234名。昨対比153%。

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09年首都圏中学入試[52] 雙葉中出題の漢字

☆昨日2月1日、雙葉の国語の中学入試で出題された漢字の問題。他の学校でも出題される可能性があるので、確認しておいてはどうだろう。

次の①~⑤の漢字の読みを書きなさい。また、その漢字を上下どちらかに使って、文中の□□にふさわしい熟語を書きなさい。

例 配る―解答[くば]る 

明日は遠足だが、予報では雨の□□はないようだ。解答 心配

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09年首都圏中学入試[51] 2月1日当日、応募件数1000件動く

090201 ☆2月1日当日応募件数1,089件が動いた。当日受付もあるし、2月2日以降の応募者受付も開かれているので、ギリギリまで待って応募している様子が目に浮かぶ。

☆本格的には、昨夜の発表の様子を見て、今日から徐々に動き出し、明日以降は活発になると予想される。しばらく数字を追ってみることにする。

*表は「日能研倍率速報」から筆者が加工。

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09年首都圏中学入試[50] 雙葉の国語 傾向もとに戻る?も詩は消える

☆今年の雙葉は、40分で40問以上(数え方によって変わる)出題される。情報処理能力が要求されるという意味で傾向はもとに戻ったかのよう。

☆しかし、詩の問題は出題されてなかった。詩は連続3年間出題されていないから、そういう流れになったということだろう。

☆ただし、エッセイは、雙葉の受験生といえども難しいかもしれない。どうもここ3年間、哲学的論文が選択されているような気がしてならない。問いかけがなぜ問われたのか問い返すというメタ的な視点が要求されているのだ。

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09年首都圏中学入試[49] 麻布の国語 公立教師も必見

☆今年の麻布の問題を見た。受験を忘れるような良質の問題だ。相変わらず9,000字ほどの長文で、160字の記述をはじめとする記述問題形式。もっとも、素材文は瀬尾まいこさんの「ゴーストライター」で、最近中学入試でよく出る作者の一人。やはりよく出題されるあさのあつこさん、佐藤多佳子さんと並ぶ、中高生のリアルな人間関係や心情の交差を描く作家。

☆ちょっとマンガやドラマで描かれるユートピア的人間関係で、確かに描写はかつての児童文学とは違い道徳的ではなくリアルなんだけれど、現実味のない画一的な心情のやりとりが気になるが、道徳的でないことはいいことだ。そこが素材文選択において、麻布らしいというところだけれど、昨年の素材文のほうが読解のしがいがあったように個人的には思う。

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09年首都圏中学入試[48] はやくも来年の募集戦略の話

☆東京女子学園の入試風景を撮りに立ち寄ったときに、前職のNTSの同僚に会った。帰り道々、情報交換をしたが、やはりどこの学校も来年の厳しさの話題でいっぱいだそうだ。

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09年首都圏中学入試[47] 東京女子学園の入試風景

Tjg_2 ☆今日から、東京・神奈川エリアの中学入試が始まった。各学校に7時前から塾の講師が受験生を励ますためにずらりと並ぶシーンは、中学入試の風物詩である。

☆しかし、何より心温まるのは、学校の校長自らが受験生を迎え入れるために、一人ひとり握手をするシーンと先生方や在校生が工夫を凝らしてもてなすシーンである。

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