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09東大合格発表の季節[07]

☆サンデー毎日(09年3月22日号)によると、豊島岡女子の今年の東大前期合格者は、17名で、そのうち現役合格は14名。05年は前期後期合わせて、10名→06年は14名→07年は14名→08年は12名と推移している。ここ2、3年のうちに20名を超える勢いということか。

☆豊島岡女子の理念はどのカテゴリーにはいるだろうか。今のところは唯言的進化論理念か。しかし、JGや雙葉を目指してきた生徒もたくさん入ってきているわけだけから、構成主義的理念として、その理念を浸透させる教育システムにシフトすると女子校の中では最強のクオリティを作り出せるのではないだろうか。

☆公立の進学重点校に比較すれば、その精神的な雰囲気は全く違うが、御三家に比べると特徴がまだ明確ではない。多様な才能の持ち主が入学しているわけだから、豊島岡女子としての明快で独自のビジョンを再構築できるのではないだろうか。

☆城北は、05年は14名→06年は16名→07年は17名→08年は12名→今年15名と推移。ある意味豊島岡女子と同じような理念構造の学校であるが、コミュニケーションで実績を上げている学校で、むしろ駒場東邦的な進学指導のシステムなのだと思う。理念構造というより、まずはさらに東大合格の実績を増やすことのほうが、次のステージがみえやすいか。

☆日比谷は今年14名。日比谷の学校の歴史的価値や役割については、長澤直臣校長と教育ジャーナリストの鈴木隆祐氏共著の「名門復活 日比谷高校」(新刊)が参考になる。戦後教育が≪官学の系譜≫台頭を阻止したということになるのかどうか、東大の合格実績だけでは語れないと思うが、東大合格実績が、名門校の命運を決める指標であるという日本の教育の文化的背景を改めて確認できる。

☆名門復活は、東大合格実績にこだわっていては達成されないというのが本当のところのようだが、それでも東大に入れなければ、やはりだめだというジレンマ・・・。なぜ東大か?東大でなければ何があるのか?議論した方がよい。

☆もっとも、竹内洋氏ではないけれど、学問の下流化がそのような議論の価値を認めないだろうが・・・。

☆早稲田は、今年13名。ここ最近はだいたいこの安定した実績。在学生の50%は早稲田大学に進むのだから、そういう意味ではこの実績はたいしたものだと評価されるのだろう。来春は早稲田グループに風が吹くから、ますます保護者から注目される学校の1つだが、学校当局はクールだろう。啓蒙主義的理念の構成だから、優勝劣敗的な競争の雰囲気にはなじめないのだと思う。

☆まずは早稲田大学が世界で通用する大学にならなければ、せっかくの早稲田中のタレントが生かされない。早稲田大学に進学するグループは、中3から高1にかけて、欧米に留学できるシステムをつくればよいのだが・・・。数名ではなく、80名ぐらいのサイズで活動できるシステムを。

☆桐蔭は、中等教育学校の分も合わせると、20名が合格。桐蔭の教育システムは賛否両論あるし、保護者からの好き嫌いの激しい学校でもある。しかし、それだけにクオリティは低くない。スケールメリットが、結果的に唯言的進化論理念をきちんと体現することになっているからである。

☆芝の合格者数は11名。やはり安定した実績だ。同じ浄土宗の学校である東海以上の教育クオリティを有しているはずだから、潜在的には倍以上の合格者を輩出することができるのだが、学問の下流化を先取りして認識しているがゆえに、価値観が他校とは全く違う。どう違うのかは、深い話で、探究していかねばならない今後のテーマである。

☆横浜雙葉は、05年は4名→06年は6名→07年は4名→08年は2名→今年10名という大飛躍。総合学習や教員研修の研鑽をつんで久しい。受験市場にある程度門戸も開いた。しかし、お会いする先生方は、本当に世俗の雰囲気を持っていない。理想とか現実とかではなく、カトリックの独特の雰囲気で満ちている。多くの生徒たちはそれに同調することがない。わが道をいく。しかし同窓会の結束は堅い。公立出身者としては、不思議な感じがする学校であるが、それがよい。学校は多様でなければ。多様な学校から東大に入ることがよいのだ。公立の復権は唯物的進化論理念の復権を意味するから、公立一色はこれまた困るわけだから・・・。

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