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09年首都圏中学入試[114] クリエイティブスクール探しのもう1つの拠点

NTS教育研究所の北一成氏は、大学進学実績という出口情報や偏差値などの入口情報だけではなく、6年間の学びのシステムというプロセス情報から学校探しをしよう、そしてそのようなプロセスの充実している学校をクリエイティブ・スクールと呼ぼうという価値観の持ち主。クオリティスクールを探している私の価値観とも重なっている。

☆また学校の先生方からも信頼され、多くの「クリエイティブスクールを探せセミナー」を開催している。日能研グループには、何人か信頼度の高い私立中高一貫校情報を収集・分析している人材がいるが、言うまでもなく、北氏はその一人。

☆だから、学校の先生方との勉強会などのミーティングの場でよく出会う。先日も会ったときに、クリエイティブスクール探索の切り口でいくつか興味深い情報を語ってくれた。

☆それは、早稲田高等学院の中学設置の意義についてである。一つは今春の中学入試の動向に、男子校から共学校への流れがあるが、早稲田高等学院が男子校を堅持するという意志表明をしたのであるから、流れが変わる可能性があるという見方。確かに共学校人気で、東京の男子校は苦戦しているが、なぜ共学校か、男子校かという議論が再燃するのは、子供の成長を考える上で重要である。

☆それから、早稲田高等学院の旧制高校のようなハビトゥスについても語っていた。非常にアカデミックで、そのプログラムを中学にシフトしていくと、麻布の「論集」に匹敵するような質の高い教育が実践できるのではないかと。しかも、早稲田大学にほぼ進学するわけだから、高校入試だけではなく大学入試の準備勉強もする必要がない。骨太の教育実践の可能性があるのだと。どうやらクオリティスコアは確実に2.8以上になる私立中高一貫校になりそうだ。偏差値も高いだろうから、来春は、いきなりエクセレントスクールとして中学入試に参入してくることになる。

☆さらにこれはものすごい興味深い切り口。プロテスタントの女子校の数はきわめて多いが、男子校は少ない。聖学院と立教グループぐらいだろう。もともとはプロテスタント校だった学校に麻布学園があり、系譜的にはプロテスタントの流れに位置づけてもいいかもしれない。

☆重要な点は、このプロテスタントの系譜は、日本の近代教育形成に大きな影響を与えているという点なのだ。麻布の創設者江原素六の精神的遺伝子は、内村鑑三・新渡戸稲造に引き継がれている。この内村鑑三・新渡戸稲造と同世代が、聖学院の初代校長石川角次郎で、やはり同じような価値観を持っていたのである。

☆立教グループは、慶応義塾の創設者福沢諭吉の友人でもある宣教師ショーがかかわっている。軽井沢人脈の広がりは、軽井沢建設者の一人ショーの影響も大である。

☆何が言いたいかというと、こういう歴史的な背景を知っている人は意外と少なく、知っている人は、実は私学の校長・教頭クラスなのだ。明確に意識してはいないだろうが、ある意味プロテスタント系の男子校は、≪私学の系譜≫の一つのルーツ、つまりエスタブリッシュなのである。

☆だから実は私学の校長・教頭の息子が、聖学院に入学している例が多いのである。たとえば、S校、Y校、G校、D校、B校、T校・・・などの名前がさっとあがったぐらいだ。ある意味このことは聖学院の教育のクオリティの高さを証明しているのではないかということである。

☆なるほどたしかに、私学の教師が選ぶ私学についてリサーチしてみるのは、新たな学校選択の指標になるかもしれない。

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