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2009年3月

伸びる学校[008] 獨協中学のビジョン②

Photo ☆獨協の新たなビジョンは、天野貞祐の思想の脱構築。しかし、これは否定して廃棄するということではない。天野流儀のカントのものの見方を現代に生かすということだろう。

☆さてそれはどのようにして?それを知る手がかりは、毎年発刊されている「WORKS」という論集。各教科で生徒たちは様々な論文を編集している。その中の傑作を選択して掲載している。その意味では麻布学園で発行している「論集」に似ている。

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伸びる学校[007] 東京女子学園の新機軸本格始動

☆「09年首都圏中学入試[107] 東京女子学園の次の一手」で、すでに同学園の新機軸について紹介したが、それが3月11日~3月31日までの「春期講習」から本格的に動き出した。

☆英語、古文、現代文、数学、日本史、世界史の講習が始まったのである。私が見学したのは英語の「演習」。講義がたいへんおもしろく、目からウロコだと聞き及んでいるが、「演習」というのが気になった。

☆私学の幾人かの名数学教師や名英語教師に話を聞くチャンスがあるが、結局授業の中にどのくらい有効な演習時間を導入できるかがカギなのだという。最終的には生徒自身が自ら問題選定のプランを立て、自ら考えて解いていくしかない。

☆授業をいくら聞いてもわかった感覚にはなるが、それだけでは、「できる」感覚は身につかない。「できる」感覚は自らトレーニングしなければならないが、自分一人では何をやったらよいか判断つかない場合もあるし、独りよがりな場合も多い。

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伸びる学校[006] 獨協中学のビジョン①

☆獨協中学は、戦後教育に大きな影響を与えた天野貞祐が校長を務めていた学校である。天野貞祐の人脈や思想的なバックボーンについては、広く深いので筆者の力ではまとめきれない。今後の課題としたい。

☆獨協中学についてもその成立から戦後のパラダイムシフトに至るまでの歴史は非常に豊かな文脈が隠れていて、≪私学の系譜≫を探究するうえで重要な位置を占めている。日本の近代教育の研究においても貴重な存在である。

☆その重要性があまりにも大きすぎて、どこから入っていけばよいのかわからないが、まずは今回、図書室を見せていただいた。

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伸びる学校[005] 八雲学園の道

☆八雲学園はいわゆるミッションスクールではない。しかし、理事長・校長である近藤先生を中心に教育出動する先生方の姿にはミッションスクールの質感がある。かつて内村鑑三門下で、東大総長だった矢内原忠雄は、教育において、授業方法、カリキュラムなども重要であるが、もっとも大事なことは哲学であると説いた。

☆その意味で八雲学園はミッションスクールである。その哲学は何であるかはいろいろ議論もあるだろうが、わが友岡部憲治氏は、自らの長年のアメリカ生活を通して、プラグマティズムだと称したことがある。近藤校長とフランスの日本学研究所所長のクライン氏といっしょにセミナーで講演した時に感じたようだ。

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伸びる学校[004] 堀川高校の飛躍のひみつ

☆近江八幡からもどってくるとき、京都市立堀川高校に一瞬立ち寄った。なるほどスタッフの方の対応のすばらしさは予想通り。ビッグボックスもイメージとは違ったが、渋谷教育学園幕張や市川学園のようだ。一階のカフェテリアもおしゃれ。

☆それはともかく、良し悪しは別として、堀川高校の大学実績の飛躍は、日本全国から注目を浴び続けている。はたしてその秘密は何か。

07vs08 ☆探究科の設置である。表を見れば一目瞭然。探究科の実績に偏りがある。

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伸びる学校[003] 鴎友・桜美林・聖学院②

☆近江八幡を訪れて実感したことは、ヴォーリズは生涯をこの地にささげたが、この地を、世界に愛と平和の精神を広める拠点としようとしたということである。

☆だから近江兄弟社という株式会社を起業し、お金を溜め、それを教育や医療に注いだ。近江八幡市の多くの住宅や教会などの建築をデザインした。つまり都市のインフラからカルチャまでコーディネートしたのである。近江商人と浄土真宗の文化にどうやって融合できたのか。それはいずれ考察するとして、現在7万人弱の都市は、ヴォーリズ・シティと呼んでもよいかもしれない。

Photo_2 ☆実際ヴォーリズは、平和と愛を見える化するという意図で、中国や韓国のいたるところで建築デザインを手がけている。まさにヴォーリズは近江八幡をここから始まる拠点とし、現実化していったのである。写真は、ヴォーリズがその信念を表すときに描いた記号。

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09東大合格発表の季節[12]

090405 ☆東大の後期試験の合格発表も終わり、前期後期合算したデータが「サンデー毎日(09年4月5日増大号)」によって公表された。まだ判明されていない学校もあるが、ある程度傾向がわかるだろう。ベスト30まで表にした。

☆それにしても、この30位までの学校で、合格者の41.6%を占めている。私立か公立かというようなことより、このことが何を意味するのか、根本的に考え直した方がよい。

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伸びる学校[002] 鴎友・桜美林・聖学院①

☆鴎友学園女子の校長清水先生、聖学院の校務部長平方先生から、ヴォーリズや近江兄弟社学園のことをよくお聞きする。清水校長からはどっさり資料を頂いたし、平方先生からは一粒社ヴォーリズ事務所の建築家までご紹介していただいたほどだ。

☆にもかかわらず、今までヴォーリズの第二の故郷近江八幡市を訪れたことがなかった。近江八幡について、知らない人はあまりいないかもしれない。東京でもたねやのバームクーヘンは有名だろう。たねやの本店は近江八幡。創設者はヴォーリズの思想にたいへん影響を受けた。そのことは知っていた。

☆それにもかかわらず、訪れたことがなかった。西南学院の先生方は、新校舎建築構想のとき(といってももう10年ぐらい前のことだが)、聖学院の新校舎が一粒社ヴォーリズ事務所によるデザインだと知り、見学および調査に訪れた。

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伸びる学校[001] 武相

☆今年の武相の中学入試募集は、共学校および大学付属校の流れに苦戦した。中学入試は大衆化したといわれて久しいが、その流れがいつの間にか抗い難い大きさになっていたからだ。しかしこの「中学入試の大衆化」の意味はどれくらいとらえ返されてきたのだろうか。おそらく、私立中学校全体で、このリスクヘッジはなされてこなかったかもしれない。

☆せいぜい中学受験率が20%を超えるか超えないかという量の問題でしか気にされてこなかったのではないか。しかし、大衆化とは、量の問題とわかりやすさ、安心・安全の保障、見通しのよさなどの「安定感」をおそらくは意味し、受験市場の原理では顧客満足度という名で広まっていた一大要素の裏の顔であったのかもしれない・・・。

☆共学志向や大学付属を願うのは、やはりこの「安定感」を求める1つの傾向だろう。「安定感」の対極にあるのは「ストイック」「品格」「清貧」などミッション的雰囲気や求道的雰囲気。

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09東大合格発表の季節[11]

☆今年の国学院久我山の東大前期合格者は3人。97年から合格推移を見てみよう。2名(97)→3名(98)→3名(99)→6名(2000)→4名(01)→4名(02)→3名(03)→5名(04)→3名(05)→2名(06)→3名(07)→7名(08)→3名(09)。

☆こうしてみると、昨年に比べ激減したというわけでもない。安定的な合格者数であるとみなしてよいだろう。

☆しかし、国学院久我山の新高1女子部の生徒の数学の取り組みをみていると、相当頼もしい。今のところは5人をときどき超える力だが、ここ2、3年で5人のラインは超えてくると思う。

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09年首都圏中学入試[123] 桜美林の人気

☆今年の桜美林の中学の生徒募集は成功した。応募者数も実質倍率もかなり高かったようだ(四谷大塚の「2009年首都圏中学入試結果分析」はオーソドックスだが、PISAやGDPまで関連付けるなど教育の背景もわかりやすく書かれていて参考になる)。

☆そして、その成功は他校に影響を与えてしまったほど。手続きを終了した後に、例年にはない動きがあったという。それは桜美林の併願校が、いつもほど警戒していなかったのが原因。両方合格した場合、例年に比べ桜美林に進学する生徒が多かったということのようだ。

☆しかし、なぜ桜美林なのだろうか?

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09年首都圏中学入試[122] 埼玉エリアの私立中高一貫校

09 ☆埼玉エリアの主要な私立中高一貫校の大学合格実績(東大・早慶・上智)を表にしてみた。主要な公立高校も入れて比較できるようにした。(「サンデー毎日09年3月29日増大号」から作成)

☆一目瞭然であるが、大学合格実績という点で、埼玉はまだ公立優位という印象が強い。それゆえ、私立学校は大学合格実績に執念を燃やすのは当然である。

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09東大合格発表の季節[10]

☆頴明館の今年の東大前期合格者数は8名。2000年から合格者数の推移をみてみると、

7名(00)→3名(01)→2名(02)→2名(03)→7名(04)→6名(05)→8名(06)→6名(07)→3名(08)→8名(09)

☆となる。大飛躍ということではなく、もともと同校がもっている潜在的な教育力を顕在化できたということか。

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09東大合格発表の季節[09]

☆渋谷教育学園渋谷の今年の東大前期合格者数は9人。ここ数年東大合格実績が飛躍的に伸びてきたが、今年はストップがかかった。そういう年もあるだろうが、今年の東大の英語は易しかったと聞き及ぶから、帰国生の活躍が目だたなかったということだろうか。

☆もしもそうであるならば、日本の英語の教育や入試を考え直すよい機会である。英語で議論ができ、英語の新聞が読め、エッセイが書ける程度の力が身につけば、英語教育はそれでよいのではないだろうか。

☆つまり英語は政策知・専門知・公共知・大衆知のうち、公共知ぐらいでよいのではないだろうか。数学や理科、社会などは専門知の入門ぐらいでよいのではないかと思う。

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09年首都圏中学入試[121] 私立学校の次の一手

☆受験生やその保護者、塾という外部からは、なかなか見えにくいのが、私立学校と文科省との相克である。いじめ問題や未履修問題のように何か事が起こると、教育法規に基づいてすべてが断罪されるので、新聞紙上に出てしまうと、私立学校に勝ち目はない。

☆文科省は国の基準・ルールの館であるからしかたがない。しかし、基準やルールは、悪法も法であるにすぎず、その正当性や信頼性、妥当性は常にチェックし続けなければ、私立学校の建学の精神は雲散霧消する。

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09東大合格発表の季節[08]

☆「サンデー毎日09年3月29日増大号」には、東大前期合格者数の判明校が加わっている。またすでに判明していた学校も、回収数が塗り替わっている学校もある。開成が130名、筑駒が97名、灘が97名、麻布が71名、桜蔭が67名と続いている。

☆女子学院が22名、雙葉が8名ということも新たに判明したようだ。こうしてみると、横浜雙葉の10名というのは、神奈川エリアでは、話題を呼ぶのは必至だ。

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09東大合格発表の季節[07]

☆サンデー毎日(09年3月22日号)によると、豊島岡女子の今年の東大前期合格者は、17名で、そのうち現役合格は14名。05年は前期後期合わせて、10名→06年は14名→07年は14名→08年は12名と推移している。ここ2、3年のうちに20名を超える勢いということか。

☆豊島岡女子の理念はどのカテゴリーにはいるだろうか。今のところは唯言的進化論理念か。しかし、JGや雙葉を目指してきた生徒もたくさん入ってきているわけだけから、構成主義的理念として、その理念を浸透させる教育システムにシフトすると女子校の中では最強のクオリティを作り出せるのではないだろうか。

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09東大合格発表の季節[06]

0930 ☆「サンデー毎日2009年3月22日号」の東大前期合格実績を読んでいるわけであるが、武蔵や桜陰、JG、筑駒などの実績数が未回収であるから、この段階で表にまとめることはあまり意味はないが、≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫の割合傾向や理念の分類傾向を見ることはできるので、このへんで表にしてみた。

☆合格実績多い順に30校抽出して、独断と偏見ではあるが、これまで語ってきたことをもとに、それぞれの学校の理念をカテゴリー分類してみた。

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09年首都圏中学入試[120] 桐光学園の次の一手 ②

☆桐光学園が創設30年で、エクセレントスクールになった秘密の1つに、灘の担当教師が6年間持ち上がるというシステムを脱構築したということがある。灘の場合は、持ち上がり制ゆえ、6つのカリキュラムあるいは学校が内部にあると言われてきたし、それを誇りにしてきた。

☆しかし、伊奈校長は、「学年のキャラクターが強くなるのではなく、学校全体のキャラクターが強くなることを目標にした」と語る。それはいかにして可能だったのか。

☆持ち上がりのメリットは、各学年の競争にあるのではない。灘はどちらかというと自由競争の学内市場をあえてつくろうとしたと思うが、伊奈校長は、すべての教員が生徒の多感な思春期を伴走できる経験を重視したようだ。その経験を共有できるシステムこそが桐光の教育のベースだと。

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09東大合格発表の季節[05]

☆ランキング7番目は東大寺学園(43名)、8番目は岡崎(愛知県立 42名)、9番目は駒場東邦(38名)、久留米大付設(38名)。ここまでがベスト10というわけだ。

☆学校のハビトゥス(文化資本の再生の型)なんか関係ないという見方も大いにあるだろうが、意外や学校の伝統的な考え方や行動規範というのは卒業生に無意識のうちに引き継がれていることが多い。

☆これを書いているとき、日テレの「ウェークアップ!」で松下政経塾のリポートが流れていたが、やはり気概や理念はリーダーには重要であり、脈々とよきリーダーシップの伝統を創造し続けようということだった。また、世界同時不況のおり、本業や理念を大事にしている企業ががんばっているではないかという宣伝も放映されていた。

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09東大合格発表の季節[04]

☆東大の合格者数で学校のランキングを見ていると、おもしろいのは公立と私立どっちが多いということよりも、≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫が互いにどういう影響を与える可能性があるのかということである。言い換えれば、量の問題より質の問題のほうが興味深いということか。

☆開成は官僚の内側から変えていこうという改良主義的プラグマティズムの価値観を持った生徒が多いだろうし、灘の場合は、道徳感情論的な市場のパラダイムを認識しつつもかなりリバタリアンなんだろう。真っ赤な服にロン毛で、ショパンの幻想ポロネーズを弾いていた在校生に会ったことがあるが、灘の中では珍しくもなんともない。だいたい教師が学校にやってくる前に生徒たちは早々と登校していたりするし、クラブ活動も先生がいるかいないかはあまり気にしない。文化祭もトガッテいるし・・・。

☆しかも灘は、昔から6つのカリキュラムというか学校があると言われている。一つの学年を担当した教師は6年間ずっと持ちあがるのである。だから6つのキャラ立ちが顕著なのである。

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09年首都圏中学入試[119] 小学校1年生・2年生のことばの力とイメージ力

☆月に1度、10組以上の小学校1・2年生の子供たちと保護者の方々とワークショップを行うボランティアのチャンスがある。

☆90分の予定だけれど、なんだかんだと2時間になってしまうが、子どもたちは疲れを知らない。イメージ力とそれを表現する工夫に集中する姿にはいつも感動を覚える。

☆ワークショップには子どもも保護者もいっしょにいてよいのだけれど、保護者がいっしょだとその集中している姿、ハワード・ガードナー教授ならフロー状態と呼ぶだろう姿は、なかなかでてこない。ここに家庭の健全なコミュニケーションがある。そういうものなのだ。そして保護者もそれがわかっているから、いつしか90分後に迎えに来るようになる。

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09年首都圏中学入試[118] 衰退する学校の条件

☆この時期は、学校や塾にとって、卒業式や入学式の準備、入学前準備学習、春期講習、新人事や新戦略・予算の最終確認などイベントやミーティングが目白押し。にもかかわらず、いやだからこそ、随所で、多くの学校経営者や塾経営者のインターフェース・ミーティングが交わされている。

☆喜びの話題も悲しい話題もいっぱいある。受験市場の話題も桜が開花するよりもはやく満開になっているが、今回はある悲しい学校の話。

Photo ☆私が本ブログや書籍や雑誌で、話題にする学校の話は、学校の成長サイクルの大文字A・B・C・Dの領域に限定している。だからいつも学校の光の部分のみ書いて、陰の部分を話さないと批判されるが、陰の部分など話す必要がないぐらい、原理的というか法則的というか、陰ができる条件は決まっている。

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09東大合格発表の季節[03]

☆灘の今年の東大前期合格者数は95名。昨年の前期後期合格者が114名だから減少といえば減少だが、その分京大は増えている。いずれにしても開成に次ぐ合格者数を輩出しているわけで、減ったとかそうでないとか論評してもあまり意味がない。

☆それに、理Ⅲの合格者数は、断トツの14名、理Ⅲの合格者数ランキング2位は洛南の6名。3位は開成ではなく麻布の5名。やはり開成は今年は何かがあったのか。それとも麻布の学内のキャリアデザインに違う風うが吹いているのか?それはないだろう。偶々・・・。

☆ともかく灘は京大の医学科でも断トツの21名の合格者を輩出。改めて驚くべきことではないだろうか。

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09年首都圏中学入試[117] 白梅清修の次の一手

☆今年白梅清修中学は、開設4年目。いよいよ1期生は高校1年。白梅清修としては、6年間一貫カリキュラムの方向性が明確になり、実現されるなる時期である。

☆そういう意味では、今年の生徒募集は、新設当初と同じように、新たに戦略を立て直すことがポイントだった。中学までは、基礎基本と社会性の養成期。だから学校説明会などの表現は3年間は同じでよかったのであるが、今年の生徒獲得戦略では、進路指導、進学指導以外に受験指導についても明確にプレゼンしていく必要があった。

☆もしこの点が簡潔・明確でかつ感銘を与えるプレゼンであったなら、飛躍的な生徒募集になっていたかもしれない。

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09東大合格発表の季節[02]

☆開成の今年の東大前期合格者は129名。その内現役は79名。これはいくらなんでもいつよりは少なすぎるけれども、いつもより浪人生が50名ほど多くなるということ。浪人しないで早稲田や慶応に進学するなどということでもない限り、来春はまた元に戻るという話は前回した。

☆今回少なくなるなとふとよぎったのは、中央大学の合格人数の多さを見たとき。たしか50名を超えていた。なぜだろう?いつもは20名くらいだし、多くても30名。ほとんどが法学部の合格者だろうけれど、今さら開成から中央受験はないなぁ、ナゼ?と思っていたら、もともと現役生の準備が不完全だったということだったのかもしれない。

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09東大合格発表の季節[01]

☆今年も東大合格発表の季節がやってきた。1881年、東大初代綜理に加藤弘之が就任して以来、≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫の国家や市民社会づくりの葛藤が続き、戦後教育基本法によって、≪私学の系譜≫の精神が浸透したかのようにみえたが、2006年教育基本法改正によって、再び≪官学の系譜≫の精神が鎌首をもたげてきた。

☆その流れに連動するかのように、公立高校の進学重点カリキュラムの進化により―要するに受験指導の徹底により―、80年代以降、私学の東大合格実績の右肩上がりにマッタをかけるようになった。もっとも、マスメディアは、≪官学の系譜≫と≪私学の系譜≫の精神的なダイアローグによる社会に与える影響についてよりも、ひたすら私学と公立では、どっちがたくさん東大にいれるでショーに注目している。それは、大学の大衆化のせいなのか、大衆の反逆の名残なのか、ポストモダニズムの流れなのか、市場至上主義の蔓延なのかわからない・・・。

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09年首都圏中学入試[116] 桐光学園の次の一手

桐光学園は創立30年目で成熟期に入った急成長の学校で、今年の生徒獲得においても、大学合格実績に関しても、安定した成果を出しているが、大学入試結果の詳細を見ると、東大理Ⅲをはじめとする医学部進学が増えるなど、さらなる内的変化もみられる。

☆それにしても、3月10日現在で、国公立大学の合格者は84名、早慶・上智・MARCH・理科大は744名である。中学に入学してから6年間、生徒たちがいかに充実した学びの環境にあったかがよくわかる。

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09年首都圏中学入試[115] 桜蔭と東大の地理

08 ☆2008年の桜蔭の地理の入試問題(表から考える)と今年の東大の地理の入試問題(グラフから考える)を見比べてみると、たいへんおもしろいことがわかる。

☆両方とも中国の経済発展と肉類と穀物の消費の仕方の転換をデータから考える問題。都市経済の発展がもたらす第三次産業の変化について考えるというのは、資本主義の歴史法則的なものの見方ができていることが前提。

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09年首都圏中学入試[114] クリエイティブスクール探しのもう1つの拠点

NTS教育研究所の北一成氏は、大学進学実績という出口情報や偏差値などの入口情報だけではなく、6年間の学びのシステムというプロセス情報から学校探しをしよう、そしてそのようなプロセスの充実している学校をクリエイティブ・スクールと呼ぼうという価値観の持ち主。クオリティスクールを探している私の価値観とも重なっている。

☆また学校の先生方からも信頼され、多くの「クリエイティブスクールを探せセミナー」を開催している。日能研グループには、何人か信頼度の高い私立中高一貫校情報を収集・分析している人材がいるが、言うまでもなく、北氏はその一人。

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09年首都圏中学入試[113] 日本医科大学合格実績ランキング

09 ☆今日は東大の合格発表の日。ここ数日で今春の中学入試の全貌が見えてくるだろう。その前に「サンデー毎日2009年3月15日増大号」のデータを読み続けているのだが、今回は日本医科大合格実績ランキングを表にしてみた。

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09年首都圏中学入試[112] オール聖学院の教育と新学習指導要領の違い

本日9日、高校の新学習指導要領が告示脱ゆとり教育が本格的に動き出す。新学習指導要領の柱の一つに言語活動の教育の充実というのがある。

☆良好なコミュニケーションの技術は、人間関係を形成し、思考力を豊かにし、バランスのとれた感情を豊かに生み出していくのに必要である。したがって、このコンセプトには間違いがないように思われる。

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09年首都圏中学入試[111] 上智大学合格実績ランキング

09_2 ☆今年、上智大学にたくさん合格者を輩出した学校上位20位までを表にしてみた。今後の学校選択の一つのヒントになるだろう。

*データは「サンデー毎日2009年3月15日増大号」

☆それにしても東大・早慶・上智といわれるだけあって、公立高校の場合は進学重点校に相当する学校がずらっとはいっている。

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09年首都圏中学入試[110] 今年のサンデーショックの時代精神⑪

☆今年は帰国生入試に力を入れるようになった学校が多くなったと思う。一つは国公立の中高一貫校で、国際中等教育を前面に出す学校が出現した影響も強い。

☆もう一つは、渋谷教育渋谷、頌栄、洗足学園、攻玉社のように帰国生を一クラス分以上受け入れている学校で、顕著であるが、帰国生の大学進学実績が良いという点。

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09年首都圏中学入試[109]武相は、ソフトパワー「求道力」を基盤とする学校

☆日本という国は、クリエイティブな人材がたくさんいるのに、彼らは実は意外と注目を浴びていない。明治以来、軍事力、経済力、人口量、資源の争奪力が、ものを言う国である。だから軍人(もっとも平和憲法下では前面にでてきようがないが)、政財界人、官僚などハードパワーを牛耳る人材が常に衆目を集めてきた。

☆欧米は、その取り扱い方は、英米と欧州大陸とは大きな違いがあるものの、文化コンテンツ産業を大切にする。その筆頭にあるのが実は映画だ。戦後から今日にかけてかなり衰退してきているが、アカデミー賞やカンヌ国際映画祭など国際映画祭は、ついこの間も「おくりびと」で大きな話題になった。国際イベントをド派手にやるということは、それだけ利益が大きいということだ。

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09年首都圏中学入試[108] 聖学院グループ 各新聞で話題

今日の読売の「教育ルネサンス」で、聖学院大学の入学前教育の目的や効果があることなどについて掲載されている。発案者である同大広報センターの山下研一所長(54)によると、始めたのは8年前、面接や論文などで選抜するAO(アドミッション・オフィス)入試の導入をしたときにさかのぼるようだ。

☆AO導入によって、他の大学でも起こる現象として、学習意欲のない学生や学力の不安な学生に対応する事態が生じたからだ。学部の講義で、教員が大学レベルの探究に導く前に躓いてしまうこのような状況を解消することが1つの目的。そしてもう1つは学生が目的意識をもち、モチベーションをあげなければ、たとえ学力を補完したところで、学問の門をくぐれないので、それも解消したいということだろう。

☆この入学前準備教育は、教科的な基礎知識の再構築と「探究→議論→発表→振返」というチーム学習の両輪で走っている。特にチーム活動は、同大学の在校生がフォロワーシップを発揮しているから、入学前にメンタル部分のケアもでき、モチベーションがあがるのは明らかである。

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09年首都圏中学入試[107] 東京女子学園の次の一手

☆今年の生徒獲得戦略において東京女子学園は健闘した。4科目の午後入試を一回分増やしたおかげで、入学者は募集定員には満たなかったものの、全学年800人規模の目標を達成するには十分の入学歩留まりであった。今年のサンデーショックによく耐えたといえよう。

☆しかし、何としてでも募集定員は確保したい。そのために校長實吉体制になって10年以上経つが、着々と改革は行われてきた。英語の教育をはじめ教科のイノベーションは毎年行われた。キャリアデザインのプログラムも充実した。いつでも面談できる体制も空間も設けた。きめ細かいクラスサイズの設定、朝テストの実施、生徒の学習履歴などの整理など、あらゆる改革を実施してきた。

☆やり尽くしたのではないか。しかし、だとしたら生徒獲得戦略はもっと効を奏するである。改革の理想と生徒獲得という現実のギャップ。それは何か。

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09年首都圏中学入試[106] 私学の選ぶ大学から見えること

09 ☆3月15日号のサンデー毎日は、今年の中学入試と大学入試(判明分)の結果基礎データが掲載されている。次号は東大・京大の結果が掲載されるので、それを見ないと全貌は見えないが、現段階で、今までにはない大学の質の見方を考えてみた。

☆同誌は、各大学の合格上位校を公表している。中には上位7校というところもあるが、だいたいどの学校も上位10校ぐらいは公表されている。そこで、その上位校の私立・公立別の割合を出し、さらに私立については、エクセレントスクール、クオリティスクール、エリートスクール、トラディショナルスクールに分けて割合を出してみた。

≪学校選択指標≫クオリティスコア×偏差値×大学実績[08共学]
≪学校選択指標≫クオリティスコア×偏差値×大学実績[08女子]
≪学校選択指標≫クオリティスコア×偏差値×大学実績[08男子]

☆分析対象の私立大学は、その上位校に多くの私立学校が入っているという条件を満たしているところにした。早稲田大と慶応義塾大、青山学院大はまだ公表されていないので、出た段階で追加しようと思っている。

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09年首都圏中学入試[105] 今年のサンデーショックの時代精神⑩

秋田県の教育力を支えている国際教養大学の質について、「教育ルネサンス」(読売新聞2009年3月4日)で掲載されていた。

☆前職のNTS教育研究所のときに、同大学の在学生幾人かと話し合うチャンスがあったが、そのとき3X(explore/exchange/express)の学びの経験を積んでいるなと直感したものだ。これが2007年以降中教審で議論されている「学士力」と同等のものだったのかとは、今日の記事で気づいた。

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09年首都圏中学入試[105] 八雲学園の次の一手②

「09年首都圏中学入試[90] 八雲学園の次の一手」のつづき。

☆今年の八雲学園の生徒獲得戦略も成功だった。募集人数146名を超える歩留まり率。応募者総数そのものは昨対比減少だったが、相当受験勉強の準備をしてきた生徒が手続きした。結果的に偏差値もアップするだろう。

☆クオリティスコアは3.50なので、すでにクオリティスクールであるのは周知の事実だが、偏差値50を超えるエクセレントスクールのカテゴリーに、いよいよ属するようになるだろう。

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09年首都圏中学入試[104] 今年のサンデーショックの時代精神⑨

☆朝日新聞(2009・03・02)で、平野啓一郎さんのインタビューが掲載されていた。平野さんは博多の私立学校明治学園を卒業して、京都大学に進学し、在学中に「日蝕」で芥川賞受賞。なぜか、中世のドミニコ会士の話。もっとも魔女狩りやエクソシストとしてのドミニコ会士で、フランシスコ会士との葛藤が描かれている。不思議な小説だったような記憶がある。

☆最近では「決壊」が話題を呼んだ。小説家として現代の時代精神を反映している。柳沼良太さんによると哲学より文学で社会や人間を分析・表現しようとしたのがリチャード・ローティだという。ローティが読んだら、時代精神を誰よりも巧みに映し出していると感動したかもしれない。

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09年首都圏中学入試[103] 今年のサンデーショックの時代精神⑧

☆昨年の3月、「ローティの教育論 ネオ・プラグマティズムからの提言」(柳沼良太著 八千代出版 2008年3月)が出版された。出版されてちょうど1年経った今、本書の意味が開かれたと思う。大事な時代精神を表現している書だと思う。

☆ただ、新学習指導要領の移行措置に入った今、それを批判的に考える視点を与えてくれるかというと、実は逆に柳沼氏の文言というか言説からは正当化論として誤解される部分もあるかもしれない。

☆しかし、基本的には文脈学習や学際知など壁を壊すローティの見識が一貫して論考されていて、≪官学の系譜≫を批判し、新しい学びの世界を創造する視点が満載されている。そういう意味では≪私学の系譜≫の正当性・信頼性・妥当性を証明してくれている。

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09年首都圏中学入試[102] 私立女子校8校 新しい合同説明会を開催

Photo ☆今月29日(日)、東京千代田区の科学技術館で、私立女子校による新しい合同説明会が開催される。合同説明会というと、これまでエリアが同じ学校が集まったり、男子校、女子校別に行われたりしてきたが、女子校でかつ先進的な国際教育を行っている私学が集まって行うというのは、初めてではないだろうか。

☆先進的国際教育とは何かというと、たんに帰国生入試を実施しているとか、海外研修旅行をやっているとかということではない。そういう英語に力を入れている女子校はたくさんあるからだ。

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09年首都圏中学入試[101] 桜蔭中と都立高校の入試問題

☆先月24日、都立高校の入試問題が朝日新聞で公開されていた。国語の入試問題を見て驚いた。出題されていた橋本紡さんの「永代橋」は、今年2月1日、桜蔭中の国語で出題された文章テキストと同じだった。

☆そういうことはよくあることなのだが、都立高校出題の文章の長さは、桜蔭の5分の1くらいなのだ。しかも問題も選択式問題が中心で、わりと直感的に思いついた自分の解答を、選択肢と照合しながら、消去法で考えるタイプのものばかりなのが都立高校の問題。

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09年首都圏中学入試[100] かえつ有明の通奏低音「半学半教」

☆今、かえつ有明がおもしろい。とにかく多様な先生方と生徒がいて、それがしかしまとまっている。怒るな働けという教育理念の意味がよくわかる。価値観のぶつかり合いなんてやめて、今ここで起きている問題や課題をいっしょに乗り越えようよというプラグマティックなマインド。

☆そんなことを思っていた時に、朝日新聞に掲載されている加藤寛学長(嘉悦大学)のキャンパスブログが目に入った。

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09年首都圏中学入試[99] 今年のサンデーショックの時代精神⑦

☆「私学人プロジェクト」で、私学人のリストを作っている。これはプーチンのリストとは違い、制限するのではなく、どんどん新しい私学人を見つけていこうという発掘作業。そんな中で、編集者から海城出身の小谷野敦氏の話題がでた。

☆宮台真司氏や西部邁氏、宮崎哲哉氏という批評家の話をするのに、小谷野さんの話をしないというのはないだろうと指摘され、「すばらしき愚民社会」を読んでみたが、なるほどそうだと確信。

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