伸びる学校[010] 獨協中学のビジョン③
「伸びる学校[008] 獨協中学のビジョン②」のつづき。
☆「WORKS(08年15号)」には、まだまだ興味深い論文が掲載されている。中学3年の研究論文「難民支援とは」もその1つ。
☆ボストンに留学したり、イランの元外交である難民の方とのインタビューをしたりしながら、難民を救うさざまな機関を調べている。
☆そして将来自分も世界の困っている人を救える仕事に就きたいと意志を固めている。
☆そのような人生進路を見出したきっかけは緒方貞子さんと杉原千畝の言葉や生涯に遭遇したからのようだ。
☆困っている人に出会ったら、なんとかしないではいられない。なんとか支援できないかと打開策を考え、やりぬく生きざまに共鳴したという。これはまさに社会起業家精神である。英語はもちろん駆使できる中学3年生である。
☆こういう社会起業家精神と世界に通じる言語を身につけられる教育とは、古い言葉でいえば世界市民的スタンスの教育だが、この世界市民という考え方は、言うまでもなく、「永遠平和のために」を執筆したカントの考え方である。
☆それにしても、この中学3年生の論文の最後は、世界で困っている人々のために、アシジの聖フランシスコの「平和の祈り」を捧げて終わっているのが、なんとも感動的だ。本文は英語であるが、ここでは日本訳を載せて、この経済の混沌のためにだけではなく、世界中の困っている子どもたちのために、祈って締めくくりたい。
主よ、わたしを平和の道具とさせてください。
わたしに もたらさせてください……
憎しみのあるところに愛を、
罪のあるところに赦しを、
争いのあるところに一致を、
誤りのあるところに真理を、
疑いのあるところに信仰を、
絶望のあるところに希望を、
闇のあるところに光を、
悲しみのあるところには喜びを。
ああ、主よ、わたしに求めさせてください……
慰められるよりも慰めることを、
理解されるよりも理解することを、
愛されるよりも愛することを。
人は自分を捨ててこそ、それを受け、
自分を忘れてこそ、自分を見いだし、
赦してこそ、赦され、
死んでこそ、永遠の命に復活するからです。
『フランシスコの祈り』(女子パウロ会)より
☆戦後の獨協の精神的支柱である校長天野貞祐もまたカトリック信者であった。
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