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伸びる学校[013] かえつ有明のさらなる挑戦

かえつ有明の石川教頭の話をうかがっていて、今年もかえつ有明は内生的成長を果たすと確信した。

☆何か新しいイベントやるとか新しいプログラムを導入するとか、そういう外発型の戦略の話ではなく、学内の多様な質の転換の話がいっぱいだった。

☆10年、20年後のかえつ有明をリードしている教師の育成について、つまり人財のタレントを伸ばしていく仕掛けの話だったり、東大を中心に変化していく学びの理論をいかに先取りするかという話題であったり・・・。要するに人を大切に育てていくプランが中心であった。

☆そして創設者嘉悦孝の精神的バックボーンの話になった。この世界同時不況の今をどうとらえ、どう乗り切っていくか、そのヒントになるのが嘉悦孝が原書で読んでいたアダム・スミスの思想だろうと。

☆教育理念に「怒るな働け」という言葉があるが、これはアダム・スミスの二著を集約した言葉であると。「怒るな」には、「道徳感情論」。「働け」には「国富論」が重なるのだと。

☆こう読み解くと、なるほど≪私学の系譜≫直系の学校であることがわかる。渋沢栄一も道徳経済同一説をとなえ、「論語とそろばん」という著を出している。プロテスタントの学校の背景には、基本はマックス・ウェーバ的発想があるし、カトリックの学校にはトマス・アキナス的公正価格論の背景がある。

☆≪私学の系譜≫にとって、徳なき経済は考えられない。獨協も天野貞祐に従えば、カント的経済感覚がある。

☆この不況を乗り切る発想は、まさに「怒るな働け」、つまり道徳経済同一説が有効であるとは、オバマ大統領の言葉からもはっきりわかる。かえつ有明の現代性と未来性は、世界の現代性と未来性に通じているということか。内生的成長とは、世界の魂と共振するということであると気づいた。

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