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伸びる学校[019] 海陽学園の変質

☆本日、品川で、海陽学園の東京説明会が開催。午前、午後2回行われ、両方合わせて70組ぐらい参加したようだ(午後しか参加していないので、知人からの伝聞)。

☆新校長が就任したので、どこか変わるかもしれないと思って参加してみたが、校長の交代による変化というよりも、副校長を中心に現場で毎日24時間体制で教育に3年間取り組んできた結果、かなり質的変化があったのだなと感じた。

☆ハウスという寮生活をベースに教育を実践しているところを除けば、がんばっている東京のデイスクールと変わりはない。大学などの見識者を呼んで、特別講義を年11回やっているというのも、麻布や栄光、桐光でもやっていることだ。

☆しかし、何より情熱を持って教育をやっているというのが伝わってくるハウスマスターの先生の話には感動するし、小学校の時の扱いにくい息子が、寮生活を通してたくましく成長していく様子を話すPTA代表の保護者の愛情にも共鳴する。

☆1つの学校として海陽学園が教育の成果をあげ、進化しているのがよくわかった。それにしても、入試問題の内容について語る副校長の目の輝きには驚かされた。しかもかなりストレート。4年間実施してきて、生徒の実情に合わせた問題づくりになってきたから、今後も多少の変動はあるが、そのときにはきちんと概略を発表するから安心してほしいということまで説明した。

☆事務長も、生徒の才能を引き出せるような、つまり地アタマを試すことができるような問題を創意工夫して作ることについて語っていたが、この時期に入試問題についてこれほど時間を割き、入学者の知にこだわる説明会も珍しい。

☆賛同企業の教育の協力の仕方については、もっと有益な構想がありそうなものだとは思うが、海陽学園自体は、高い理想実現のために地道に教育に取り組み、情熱的に生徒とかかわっていることは間違いないようだ。

☆もちろん、それぞれの話し手は、かなり抑え気味のトークで、生徒のネット上のカルテなどの成績データベースに関する話に触れたときに、やはりいわゆる学校の言説(用語)とはかなり質の違うワードを活用していた。控えめであったが、背景には、やはり戦略と道具がしっかりあるということか。

☆副校長の教育や入試問題の話の背景にある生徒にもとめる知の広さと深さは、やはり開成を念頭においているというのが時々見え隠れしていた。編入試も行うが帰国生が接続しやすいように、7月と12月に行うという。昨年編入学してきた3人の生徒のうち、2人は帰国生。

☆今年1期生は高校1年になったばかりだが、すでに英検1級をパスしている生徒もでている。来春も入試は2回あるが、今まで東京会場は1回だけ実施してきたが、今度からは東京会場でも2回実施するという。初年度の派手な広報活動こそないが、着実に理想に向かって進んでいる。

☆果たして、海陽学園は、孤高の道を歩んでいくのか、他の私学とゆるやかな連携をとりながら≪私学の系譜≫に与するのか。そのへんはわからなかったが、賛同企業のコンセプトを変革できるイノベーションを自ら生み出すことができるかどうかは、新校長の手腕にかかっている。

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