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伸びる学校[027] 世田谷学園の思考力

今年5月8日に開催された「夢限大」(私立中学合同説明会のパネルディスカッションで、世田谷学園の卒業生がパネラーとして静かな情熱をもって語った。同学園は2001年に授業の大改革を行った。

☆講義型と演習型、あるいは講義型と議論型の融合がはかられたと理解しているが、要は当時の校長故山本先生が熱く語っていたのは考える授業であったと思う。

☆卒業生の語るその雰囲気は、考える自然体そのものだった。坐禅堂で坐禅をすることについて、

「自分の中で集中力を高めていく行為だし、自分を見つめ直す瞬間です。自分とは一体何なのかを思いめぐらす時間で、今の自分の形成に深くかかわっている独特の行事だったと思います」

☆同学園の正門には白線が引いてあるという。登校の際、そこで立ちどまり、一礼をするが、このことについて、

「なぜ一礼するのか、それは在校生の間でも、諸説があります。学び舎にたいするお礼の気持ちを表す行為であるとか・・・。私の場合は、心に余裕をもてる瞬間だと思っています。部活が終わった後、瞑目する瞬間があるんですが、それに通じていると思います。いかなるときも余裕がもてる構えは大事ですね。そのとき自分を一瞬にして振り返られるからです」

☆生きるということは、モチベーションというより、テンションを自分で上げながら挑戦することだということを、この卒業生ははやくも熟知しているというのか。テンションとテンパルというのは全く違う。目標に向かって挑戦しているとき、瞬間自分を振り返る余裕がないと、テンションをあげているつもりが、いつの間にかテンパッテしまっているときがある。

☆世田谷学園のブッディズムを、自分なりにとらえ返している卒業生の構えに、8年前故山本校長がほほ笑みながら、大丈夫必ず変わるからと語ってくださったあの余裕の姿が重なった。

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