伸びる学校[028] 桐光学園の科学性
☆今年5月8日に開催された「夢限大」(私立中学合同説明会)のパネルディスカッションで、桐光学園の卒業生もパネラーとして語った。世田谷学園の卒業生が心の深さという哲学的・宗教的雰囲気を出していたのとは、対照的にちょっとした実用的な出来事の日常的な見方を転換させるプラグマティックなパラダイムを快活に披露していた。
☆ブッディズムとプラグマティズムの教育理念の差異がそのまま表れたということなのかもしれない。
☆桐光学園の教育は、なんでも備わっている。他の男子校であれば、女子生徒はいないだろうが、桐光学園は、女子部も持っている。進学校であれば、プロジェクト・ベースな特別な講座は控えめだろうが、桐光学園は、特別講座であふれている。
☆部活も世界に通用する選手を輩出するほど徹底している。音楽も美術も芸術活動も盛んである。教師自身もギャラリーで展覧会をやってのけるほどである。
☆大学教授の講義も、他の学校でも年に一度や二度は講演会をセッティングするだろうが、毎年毎月のようにセッティングする徹底ぶりなのだ。
☆しかし、これらはまだマクロ的な視点で見た桐光学園の教育で、多様性を表現しきれない。卒業生は、もっと日常の10分間テストだとか服装チェックというミクロ的な教育を紹介した。
☆日常生活の多様性とそれを統合する教育システムの多様性が、複雑な教育環境の関係性を生み出している。アインシュタインの“Relativity”理論は、日本語では「相対性理論」と訳されているが、本当は「関係性理論」なのだ。アインシュタインは関係性は、発見問題解決(Heuristic)の視点を生みだすという。
☆桐光学園の場合、ヒューリスティックな問題はマクロとミクロのループ、つまりいかにして結び付けるかなのであるが、それは卒業生の有用性の視点で解決。卒業生は、あらゆる多様な要素を関係性にシフトするパラダイム転換の視点を持っているのである。それぞれの要素が自分の人生の推進力になるテンションをいかに生み出してくれるかという有用性トランスミッションによって、結び付けられていくのである。
☆科学や学問の見識豊かな教師人の存在の理由は、ここにあったのである。
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