伸びる学校[030] 立正中学 行学二道の現代性
☆今年5月8日に開催された「夢限大」(私立中学合同説明会)で配布された資料は、参加校の教育のエッセンスや卒業生・保護者の声が載っている。
☆教育システムとコミュニケーションの両側面が載っているわけだ。表現というのはちょっといや実にコワイ。というのは、システムとコミュニケーションのカップリングができているところとディカップリングなところの差異が明確だからである。
☆システムの話だけが載っているが、コミュニケーションとシステムがうまくつながっていることを、生徒や保護者の声を介さずにストレートに表現しているところもあるし、システムの表現だけでおわっているところもある。
☆この表現の差異は、組織の特質の顕在化でもある。組織をコントロールしているところとマネージメントしているところの違いが表れているのである。
☆そんな中で、立正中の表現はちょっと他校と違う。参加18校の中で、教育システムの構成要素として「生徒会活動」について表現した学校は、立正中学のみである。
☆限られた紙片で、生徒会活動は、どこの学校でもあるのだから、わざわざ字数をさかなくてもよいのではないだろうかと、不遜にも思った。
☆ところが、そのあとにつづく卒業生の声を読んで、ハッとした。なんて浅薄なものの見方をしていたのだろう・・・。
☆卒業生が3人も登場しているのも他校とは大きく違うところだ。でも登場せざるを得ない理由があるのだ。
☆それは、これも他校の表現にはないのだが、3人ともそれぞれ自分が影響を受けた教師を紹介しているでのある。
「西澤先生の厳しさは優しさでもありました。」
「中でもインパクトの強かったのは桐山先生。『人としてやってはいけないことをわきまえろ』という熱血漢で、悪さした時はとにかく怒鳴られた。その一方で、生徒に対してこれ以上踏み込んではいけないというところを心得た先生でした。」
「私たちのクラスは今も月イチで集まるほど仲良し。それは中茎先生のおかげだと思います。先生の大声援に奮い立ち、有終の美を飾って優勝した体育祭の話題でよく盛り上がっています。」
☆立正中にとって、生徒会活動は、生徒が「行学二道」の奥義を修得する場だったのである。何を言いたいのかというと、勉強と部活の両立という意味ぐらいでしか、立正中の教育理念の「行学二道」を解していなかったが、実は厳しさと優しさの間合い、熱血漢と見守る間合い、思い出と未来への投機の絶妙な応援といった統合するための絶妙で柔軟な内なる基準を修得する道のことだったのである。
☆道とは言うまでもなく巷の道路ことではない。内なる基準のことだったのだ。もっともこれも、筆者の浅知恵にすぎないかもしれないが・・・。
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