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伸びる学校[036] 変わるかえつ有明

☆「伸びる学校[013] かえつ有明のさらなる挑戦」で、かえつ有明が内生的成長段階に突入していると述べたが、本日(27日)の教育関係者説明会で、それが具体的に明らかになった。

☆成長し続けている在校生と新しく入学してくる生徒は、学力や精神の強度が違う。したがって、柔軟に生徒の成長の違いに対応するようにカリキュラムをつくっている。それがまた同校の教育の信頼性と妥当性の両方の質を向上させる結果に結び付いている。

☆今年入学の中学生は、難関コースの生徒が増えている。年々受験準備を充分に行ってきている生徒が入ってきている。一方で、賢い男子の中に、自ら考えを積極的に発表するのはまだまだ躊躇してしまうというシャイなキャラクターの子も多いというのが今年の特徴だそうだ。

☆そのシャイな部分が勇気や自信を強く持てず、自らの才能を覆い隠してしまうケースも想定される。したがって、学力不安や心理的不安をケアするために、毎週教師どうしミーティングを開き、変化を見逃していないかどうか情報交換をしているということである。やがて生徒たちの心を開き才能を開花させるには、コミュニケーションの信頼の絆に勝るものはないと。

☆学力不安の克服には、模擬試験のシステムを導入。早めにコマ目に模擬試験を設定することによって、小さな目標をクリアしていける。それががんばってやればできるのだという自信を積み重ねていく体験になるということだ。

☆中学3年から新しく「難関選抜クラス」を設置。要するに超難進コースということだろう。総進コースから難進コースに上がれる生徒が毎年たくさん出る。しかし、今までは難進コースからさらに次のステージに進むことはできなかった。1人ひとりの成長に合わせて柔軟にカリキュラムを組んでいった結果、次のステージを用意しなければならなくなったのだという。

☆「サイエンス」は従来「国語と理科」の統合だったが、今年から「国語、理科、英語、社会、情報」の統合教科となる。モザイク的に合科するというのではなく、情報収集・分析し、データや根拠に基づいて思考するという「知の構造化」という点において、どの教科も同じ構造を持っているというハーバード大学の認知および脳科学の成果を取り入れた手法に大きくジャンプするということだろう。

☆日本の学習指導要領は、神道的発想なので、このような普遍主義的学習理論には立っていない。多様性は認めるが、その共通構造を否定する要素還元主義的学習理論。関係主義的学習理論ではない。

☆かえつ有明は、新学習指導要領の移行措置期間に突入した文科省の枠組みを超える挑戦をするということを宣言したことになる。帰国生の受け入れ体制を整えたので、そうせざるを得ない学内環境でもあるのだろう。欧米のトップ校は、リベラルアーツをさらに進化させた学際知を養うプログラムを導入しているからだ。

☆また、東大をはじめ、多くの大学でも理数系の分野で学際知の重要性はかなり広まっている。法律の分野でも裁判員制度の動きに合わせたように同じ動きがでている。特に東大は科学コミュニケーションをはじめ、2005年以降学際知そのものを養成する講座を充実している。そういう時代状況をいち早くもキャッチしてのことだろう。

☆そのほかまだまだ進化している点があるが、それについてはいずれまた考えていきたい。特に入試問題の詳細な分析を公表していたが、これによって、かえつ有明に入学する生徒の学力の特徴があまりに明らかになっているので興味深い。これを踏まえ入試改革も行われている。生徒獲得戦略が生徒の成長に合わせた教育改革に対応しているのも、同校の大きな特徴だろう。

☆柔軟なクラス分けやコースの新設などの試行錯誤がどのような結果を出していくのか、毎年楽しみである。

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