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赤毛のアンと私学の系譜と茂木健一郎さん⑫ 私学のルーツを語る

赤毛のアンと私学の系譜と茂木健一郎さん⑪ セレンディピティと幸福と学びのつづき

☆「『赤毛のアン』に学ぶ幸せになる方法」(講談社文庫2008)の「第六章幸福の花を見つけるということ」の「バランスのさじ加減」(p255~260)で、茂木健一郎さんは、日本の女子教育と私立学校のそれぞれのルーツについて語っています。

☆もちろん、茂木さんが意識して語っているわけではありません。私立学校の教育理念を重ね合わせるとそうなるということに過ぎませんが・・・。

☆茂木さんがスコットランドを旅しているときに、不思議な雰囲気の女性フィオナさんに会ったそうです。海岸の岩の上にたって、アザラシに向かってバイオリンを弾いていたということです。

☆アイルランドやスコットランドには、妖精の国ケルトの文化圏のせいもあって、同じような女性が多いそうです。考えてみればモンゴメリーの家系もスコットランドからの移民で、どことなくアンもケルト的なのだと茂木さんは感じています。

☆つまり、

こちらから見ていても、ちょっと大丈夫かな、と思うくらい「あっち」の世界に行ってしまっている瞬間がある。けれども現実世界に生きていないかというと、そうではない。ちゃんとこの世界にも足をつけている。そのバランス感覚が絶妙です。・・・・・・自分の内なる世界と、現実の世界から見たときの自分の姿。その両方がちゃんと見えている。仮想の世界に生きながら、現実世界にもちゃんと存在しているのです。

☆おもしろいですね。スコットランドといえば、アダム・スミスとかデビット・ヒュームです。アイルランドといえば、小泉八雲ですね。

☆イギリスの経済とか経験哲学の根っこの部分とアンは重なるのです。彼らから影響を受けたカントは、仮想界と現実界をきちんと分けて人間論を展開した哲学者で、戦後の獨協は天野貞祐によって、その精神を継承しているわけですが、それよりも前に、嘉悦孝はアダム・スミスの研究をしていたんですね。彼の「道徳感情論」は仮想を、「国富論」は現実を志向する二つのベクトルです。かえつ有明の教育理念「怒るな働け」は、前半部の「怒るな」は仮想界の話で、後半部の「働け」は現実界の話です。

☆私立学校の建学の精神にストレートに影響を与えたのが、イギリスといっても、スコットランドやアイルランド、つまりケルトだったなんてのは、なんて夢のある話でしょう。アンはアダム・スミスであり、ヒュームであり、カントであり、ラフカディオ・ハーン。ハーンは、夏目漱石に衝撃を与えた英語の授業を東大でやっていたんですね。

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