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男子校復権の可能性は大~「夢限大」で気づく

5月8日、大井町のイベントホール・きゅりあんで、私立学校18校による合同説明会「夢限大」が開催された。

☆プログラムの中に、教師、卒業生、保護者9人よるパネルディスカッションがあったが、これが実におもしろかった。いくつか気づくことがあったが、その中で、今春の中学入試で男子校が思うように生徒募集の人数を伸ばせなかった理由が1つわかった。理由がわかれば巻き返せるだろう。

09 (*)グラフは、今春の首都圏の中学入試の生徒募集総数の前年対比を、共学校、女子校、男子校別(リサーチ校数は合わせて300校)にだし、かつ対比レンジ別に分布がわかるようにした。男子校は、前年対比100%未満が56.6%で不調。その分は共学校に吸収されたとみなされているようだ。

☆教師のパネラーは、八雲学園、明大明治、本郷からそれぞれ代表者が出ていた。自分の学校の特徴を語る場面で、違いがでた。

☆八雲学園は、英語教育やチューター制度を特徴としてあげたが、どちらも心と心が通い合うコミュニケーションの質感や多くの外国人とのコラボレーションについてストレートに語った。その印象は明るくポジティブ。八雲学園らしいといえばそれまでだが、人気のある女子校は、明るく肯定的で巻き込む表現が得意。そして母親目線で話せる。かゆいところに手が届く言葉を投げかけられるのだ。

☆企業組織でいえば、モチベーションをあげたり持続させたりすることができるリーダータイプの表現なのである。

☆生徒募集に成功している共学校も、どちらかというと娘の母親目線で話すから、自然とポジティブになる。そして息子の母親も言うまでもなく女性。息子の場合父親が登場というのであれば、全く問題ないのかもしれない。しかし、多くは母親が参加。男子校とは違い、母親目線で話されれば心はゆらぐ。

☆男子校を受験する場合、併願校すべてが男子校であるというのであれば、その中での比較だから問題ないが、男子校と共学校が併願の中にまじれば、質感の違いは選択判断にかなりの程度影響するだろう。

☆明大明治は共学校になったが、教師の気質はまだまだ男子校。ユーモアのある話だったのだが、必ずしもウケていない。明治大学の付属であるということがなければ、苦戦することになるかもしれない表現だった。

☆本郷は、これは男子校でなければいかないとか、ストレートな表現は苦手でシャイな男の子だと母親が息子の特徴をしっかりつかんでいれば、グッときたということになっただろうが、専門的でアイロニーのきいた表現は、母親一般のハートを射とめられなかったかもしれない。

☆企業組織で、女性の部下のモチベーションを下げてしまう上司は多いが、これは男性社会の文化の特徴でもある。それをなんとかチェンジしようというので、ファシリテーター研修だとかEQリーダーシップ研修とかがはやっているわけだ。

☆そのような研修を鵜呑みにするのもどうかと思うが(すでにこういう気持ちを抱いてしまう私も男性中心社会の文化の枠組みの中にいるわけだ。いわゆる体育会系。)、母親に対するマーケティングが、男子校の先生の場合は、不足しているのは確かではないだろうか。

☆たとえば、早稲田中の場合、自分の息子の男の子としての特徴(もしかしたらそのままのシャイなキャラクターでは、親の心配はつきないのだが)をよく知っている母親は、親よりも子どもの考えや気持ちを大事にしてくれる教師の感覚に満足できるが、早稲田大学への進学保障の高さを軸に選んだ場合、母親の気持ちはどうなるのよという不満がつのる。

☆もちろん、早稲田の教師はそんな母親の気持ちは取り合おうともしない。早稲田大学への道や大学進学実績が高くなければ、この古き良き男性中心社会の文化の表現は、理解されない可能性もある。

☆だからといって、レトリックや表現を女子校や共学校に合わせる必要があるのかと問われると、多少は意識したうえで、わが道を行くのがよいということになる。それよりも、男の子を育てる賢い母親とは何かについて、共有する戦略を立てることの方が重要ではないか。

☆男子校を選ぶ母親は賢いのであるという質感は、理解を得ることができるのではないかと思う。

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