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神奈川県立中高一貫校の勘違い

産経新聞(090528)によると、

神奈川県教育委員会は、県立中高一貫校の平塚、相模原の両中等教育学校の平成22年度入試を22年2月3日と6日に実施すると発表した。・・・・・・初めての21年度入試では適性検査と作文を2月1日に実施したが、多くの私立中学の入試と重なったため、県教委は22年度の日程を変更した。県教委は「私立側から要望があり、受験者の受験機会を幅広く提供するため日程をずらした。都立の中高一貫校の試験日も2月3日であることも考慮した」としている。

☆ 実に不思議だ。これだけの情報化社会にあって、2月1日に私立中学の入試と重なったため変更するとは、よくわからない理由である。はじめからわかっていて、ぶつけてきたのだろう。

☆都立の中高一貫校も2月3日であることも考慮したなどというのも片腹痛い。とっくに2月3日だったのだから。

☆まさか国公立大学に全員合格させるためにがんばりますなどと説明会で言っていないとは思うが、もしもそんなことを言っていたとしたら、それは間違いである。

☆公立学校の使命は、すべての子の生き方を尊重しなければならない。国公立大学に進める人数には限りがある。そういう限定的な目的を公立の中高一貫校が標榜してよいはずがない。

☆つまり、私立学校とはそもそも教育の目標が違うのである。それを適正検査と言いながらも、受験生にはどう見ても立派に入試選抜にみえることをやって、私立学校とは違うよ、受験じゃないよだから安心だよと囁いて、私立学校受験生の近くにアクセスしていたとは・・・。

☆私立学校の質の競争市場に、公立中高一貫校が参入していたこと自体わけがわからない。人間教育をやろうという目標を持っている私立学校が、市場とどう付き合うか日々創意工夫しているのに、目標が違う公立中高一貫校が参入していたのは奇奇怪怪だ。だいたい市場の原理が全く働いていない配分の論理の公立中高一貫校が参入していたのも意味がわからない。

☆「受験者の受験機会を幅広く提供するため日程をずらした」とはうまい表現だが、大いなる勘違い。倫理的市場や社会的責任が働いている市場は、権力には弱いのである。受験機会を奪ったということは、良質の市場の競争環境を劣化させたということだ。そういう反省もなく、幅を広く提供するとは上から目線以外の何ものでもない。シチズンシップのセンスがないということだろう。

☆健全な市場は繊細なのだ。悪貨は良貨を駆逐する。今回の公立中高一貫校の試験日変更は、そうなる前に、私立学校がリスクマネジメントを速やかに行使したということだろう。「要望」というソフトな戦術を使って・・・。

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