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進むベネッセ進学指導支援戦略①

☆今月21日(日)、國學院久我山で、東大生20名による「文理選択相談カフェ」開催。対象は中高一貫校の高1生50名限定・有料。数校の私学の生徒が参加する予定。

☆仕掛け人はベネッセコーポレーション。世の中のキャリア・デザインでは、ビジョンやベクトルを考えるうえでは役に立つが、実際の生徒の進路の悩みに答えられないということに気づいた。

☆文理選択の際に、生徒側に文系とは何か、理系とは何かという情報が不足しすぎている。また、自分の実力をどのように評価するのか自信がない。このような情報の不足が不安に通じているということについて、進研模試の結果分析について学校の先生方や生徒たちと話し合っているうちに気づいたということのようだ。

☆あらゆるプログラムは、生徒の悩みを聴いてともに解決する最近接領域にアクセスできるものでなくてはならない。つまりかゆい所に手が届くプログラムでなければということ。それは学びだけではなく進路選択のときも同じだ。

☆この最近接領域にアクセスするには、ワークショップ・ベースプログラムが最適であることは、もはや自明の時代。今回のベネッセ・プログラムもそういう流れになっている。

☆まず自分を見つめる(このときにロジコミワークという、ショートエッセイのノウハウもトレーニングする)。その後東大生によるパネルディスカッション。ここで自分と東大生の体験を対比させる。ここでどっと新たな気づきが生まれる。悩みの輪郭が明確になる。次にワークショップ。東大生と高校生のグループ・ディスカッション風になる。最後に振りかえり。そんな流れになるのだろう。

☆すでに今春実験が行われており、効果大であることを確信して本格実施を決断したようだ。

☆それにしてもよくも学習アドバイザーに東大生ばかり20名を集めたものだ。しかも東大生なら誰でもよいというわけではないようだ。ファシリテータ的で、フォロワーシップの質感を感じさせる人材を採用したようだ。

☆ベネッセの戦略に対して資本が巨大なだけに、懸念する私立学校もある。一方で自分の学校の進路指導のプログラムを豊かにする外部の情報の1つとして活用するところもある。ここらへんは市場の原理の問題で、良質で効果があるものであれば商品は広がる。

☆ベネッセがアメリカのETSを株式会社として越えようとしているのは、外から見ていて明かである。

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