なんかおかしいぞキャリア・デザイン
☆キャリア・ガイダンスやキャリア・デザインの活動は大隆盛。「13歳のハローワーク」の流れに乗って、学校も企業も、働く生きがい、生き生きした組織に目が釘付けだ。著書村上龍さんが司会をやっているカンブリア宮殿は、興味深いが、あんなに人を活かす組織、生きがいのある仕事というところにのみオチがある番組は、少し変ではないかな・・・と思わずにはいられない。
☆カンブリア宮殿に限らず、キャリアガイダンス関連誌はみな同じトーンだ。知識としてはR25もおもしろいが、やはり同じ。考えてみれば日経新聞やリクルートの系列だからやむを得ないかぁー・・・と萎える今日このごろ。
☆そんなとき、左腕のカメラマン林建次さんに会った。23歳の時交通事故で、右手の機能を失った。普通ならというか、キャリア・デザインに従うならば、右手の機能を失っても苦労をしない仕事を見つけ、そこの仲間に励まされ、仕事に生きがいをみつけるとなるはず。
☆ところが林さんは、高校時代から、もともと敷かれたレールを歩く気になれなかった。仕事に、組織に生きがいを付加するなんて発想がなかったのだろう。
☆つまり、生きるために仕事をするなんて発想がなかったのだと思う。生きにくさのスタンスをとるキャリアデザインがあってもよいのではないかと。
☆そこでカメラマンを続行。左手でカメラをもち、レリーズを口にくわえ、歯でシャッターを切るスタイルで被写体に立ち臨んだ。
☆撮る相手がまたなみでない。生きることの不安や恐怖と闘う『ひと』を撮り続けている。仕事に生きがいを見つけるために生きるのではない。林さんも撮る相手も、「生きるために夢を見る」生き方をしている。
☆光村図書の道徳の教科書(中2)に、「生きるために人は夢を見る―左腕のカメラマン林建次」というエッセイが載っている。林さんを応援しているパートナー伊藤史織さんの文章である。
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