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塾の学校選択の変化

☆この時期は、多くの私立学校で、塾対象説明会が実施されている。私もときどき参加させていただくが、参加しているメンバーの年齢層が若くなっているなと感じる。

☆そして知り合いが紹介してくれる若き塾の室長と情報交換をする機会もまたある。その知り合いがもともと拙著の「名門中学の作り方」(学研新書)と同じような考え方を持っているということもあり、類はなんとかで、やはり同じ質感を感じる室長を紹介してくれるのである。

☆合同説明会の中には三大模試のスピーカーが一堂に会して、受験について語る講演会を設定する興味深いものもある。今年覗いてみたが、なんだかんだといいながらも、偏差値で学校選択をしていてあまり変わらない。受験市場と私学市場の埋まらない溝に途方に暮れてしまっていた。

☆しかし、最近情報交換をする幾人かの若き室長や講師の学校選択に関する視点は多様で、偏差値は本当に多様な視点のうちの1つに過ぎない。柔軟な思考力の持ち主が多い。

☆私の作成しているクオリティスコアに関しても、甘すぎるんじゃないかと手厳しい。テスト会のスピーカーはほとんどが受験生を直接指導していない場合が多い。だから、自分たちが制作する側の数字やデータによってしか語れないという大前提というかフィルターがどうしてもある。

☆受験生やその保護者は、そのフィルターや大前提をクリーニングしながら聴けばそれでよいのだが、受験という不安な状況下では、藁にもすがる気持ちでいっぱい。ひどいところになるとそこに忍び寄って、もっともらしい学校選択視点を投げかける。

☆ところがだ、実際に生徒ととかかわっている室長や講師は、一人ひとりに適した学校を探そうと忙しい中でも、時間を見つけては学校のリサーチに足を運ぶ。そして偏差値以外の多角的な視点で学校を評価してくる。

☆このような生徒と学校の媒介項としての働きは、妥当性・信頼性が高い。あとは正当性の問題だが、それは多くの人と情報交換することが重要である。おそらく私と話そうとしてくれるのも、正当性の基準を磨くために活用してくれるのだろう。

☆柔軟で鋭い視点を有した室長や講師は、今はまだ目立たない塾であるケースが多い。大手塾やテスト会では、システム上役割分担になる。だから講師が学校選択にかかわらない場合もある。それを決めるのは、受験相談の担当者に任されていて、講師は相談されて決まった結果に基づき、あとはその学校に合格するように指導すればよい。

☆なぜ本人がその学校を選んだのかということを知る由もなく受験指導ができるのである。このような指導システムは、結局生徒の学力スコアを上げることのみに尽力することになる。

☆受験市場と私学市場の溝が深まる原因は、この進路指導の差異にあった。しかし、柔軟で鋭い視点を有した若き室長たちは、進路指導において基本的構えは学校と同じなのである。この動きや流れが大きくなることはたいへん望ましい。理想かもしれないがそこに挑戦する人材が受験市場に生まれていることは事実なのだ。

☆彼らは、偏差値に負けないように、子どもたちと受験対策をする。だから、一般に難しいといわれている学校にも合格する子どもたちを輩出する経験も豊富なのだ。そのうえで学校をクオリティで選択しようというのだから、本物なのである。

☆この本物をシステム化しようというのが大手塾・予備校である。あくなき追求をし、不足部分は優秀なスタッフが人的に補えば、いつまでも強いままでいられる。しかし、不思議なことに完全なシステム化ができたと錯覚し、追求をやめ、優秀なスタッフの人的補足を削減する。というのもシステム化の最大の目的は合理化だからだ。

☆ところで、この優秀なスタッフというのはどこに行くのか?多くが独立しようと外に出る。従来は一匹オオカミが多かったから、目立たなかったが、彼らは苦労の中でマネジメントや経営の視点を学んで、ネットワークを創り始めている。

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