2つのエクセレントスクール[03] 栄光と聖光の差異
2つのエクセレントスクール[02] 駒東と海城の差異のつづき。
☆神奈川エリアのカトリック男子校と言えば、栄光学園と聖光学院。大学進学実績や偏差値で比較すると、差異はないと言っても過言ではない。
☆しかし中学入試問題をみると、その差異は歴然だ。
☆栄光は基礎も重視しているようにみえるが、ここの部分は塾で勉強する必要がないぐらい易しい。だからここでミスると意外や合否に響くのだが、それはともかく横断的智性と書く力が圧倒的にものをいう。
☆聖光は、基礎基本の部分ですでに難しい問題を出してくる。考えなくても難しいというのは日本の大学入試に通じる。そういう意味ではオーソドックスな入試問題。もちろん書く力も必要だが、横断的智性までは必要ない。情報をまとめる力があれば十分。
☆入試問題は学校の顔。教育内容の差異を充分に表している。似たような教育内容であるが、たとえば栄光の中間体操などは聖光ではありえないだろう。
☆海外に行くプログラムも栄光はそのイエズス会のルーツと理念を反映したフィリピンを拠点とする。聖光はカナダやニュージーランド。カトリック圏でもプロテスタント圏でもかまわない。
☆栄光はこだわりのカトリック校。聖光は経済合理性をベースとするカトリック校。栄光出身の養老孟司さんは、理不尽とも思える中間体操がよいんだよと、懐かしそうに語っているシーンを目にした時がある。これが学校側と生徒側のさまざまな葛藤や反応を生むのだと。自ら殻を破る仕掛けがあるということ。
☆聖光は、殻をいかにしたら破れるのか、それが学内で課題。基本的にしかしきめ細かい過保護一歩手前の教育。
☆どちらがよいのか、そんなことはわからないし、愚問だ。ただ、どちらが今日的に人気があるのか。その回答は言うまでもないだろう。
☆ただ、今回の世界同時不況のすさまじさは、たとえばフィリピンでサバイバルする精神性、困窮している子どもたちと共感できる精神性が求められている。賢さとマインドの統合が。
☆両校には賢さはある。マインドもある。問題は両方が統合されているのか、並置されているのか・・・。でも、日本はまだまだストイックなものには人気はないか・・・。
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