2つのエクセレントスクール[11] 東京都市大学付属中の魅力 【1】
☆今春から、武蔵工大付属中は、「東京都市大付属中」と名称を変えたが、それは名前とともに、教育の中身も魅力的になったことを意味する。すでに3年前から中高一貫体制を着々と進め、来春には新体制になってからの新高1が誕生する。
☆文科省の学習指導要領の改訂もあるが、それよりも新高1を迎えるにあたり、6年間一貫カリキュラムの充実を目指している。
☆もちろん、同校の魅力は、今初めて生まれたのではなく、もともと「有る」ものなのだが、受験市場のフィルターが色濃くかかり、その本来の魅力が見えないできた。
☆もともと進学実績もよく、偏差値も50を超えているのだから、エリートスクールとしての知名度はあったが、リベラルアーツ的というか学際的な教育プログラムが、有機的に結び付いてパワフルであることが明快には表現されてこなかったこともあり、受験勉強以上の学びの豊かな質感があるにもかかわらず、それが外に伝わりにくかったところもある。
☆ところが、新校舎、新名称、新カリキュラムなどクリエイティブな日々の教育活動がある意味自然に改革につながったのだろう。とにかくイノベーションが生まれ、魅力の見える化が進んだことは一歩校舎に踏み込めばわかる。
☆新校舎の魅力もそうだが、教職員の自然体のもてなしの質の高さに正直驚いた。かつてロサンゼルスの教育委員会やボストンのMITを訪れたときと同じような自然な感じがいい。
☆それにもてなしてくれた先生方二人の見識の高さにも驚愕。一人は国語科の先生。もう一人は数学の先生。どちらも教科を超えて学校広報やカリキュラムデザインのリーダー。
☆しかも、現代思想や現代数学の発想と教育実践、進路指導、学校や生徒の未来について結び付けることができるクリエイティブ・ティーチャーだった。
☆これが東京都市大付属中の大きな魅力である。どういうことか?それは同校の先生方は、肩書によってリーダーシップを発揮するTitled Leaderではなく、自分の精神やできることという本人自身の文脈(タレント)でリーダーシップを発揮できるNatural Leaderであるということだ。
☆シチズンジップリーダーと置き換えてもよい。このような先生方が私のような外部の人間とコンタクトをとるということは、教育ソフトのイノベーションだけではなく、組織マネジメントのイノベーションも起こっているということを予想させる。
☆エクセレントスクールとして内生的に成長している東京都市大付属中。注目の男子校なのではないか。
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