2つのエクセレントスクール[12] 東京都市大学付属中の魅力 【2】
2つのエクセレントスクール[11] 東京都市大学付属中の魅力 【1】のつづき。
☆東京都市大付属中の通学経路は、成城学園前から歩いてくるグループ、あるいは二子玉川からバスで通学するグループが多いだろう。どちらの駅も開発が進み、その都市は文化的な水準の高い雰囲気の都市デザインが進んでいる。あたかも同校の新校舎建設に合わせて開発が行われたかのようだ。
☆東京都市大自体が、建築デザインで活躍している人材を輩出していることもあり、経済的にも文化的にも豊かな都市計画が目の前で広がっている空間を通って学校にやってくるのは、知的刺激を受容しながら通うことができ、キャンパスの延長上も教育空間の条件をそろえている点で、他校にないアドバンテージを有している。
☆それにしても、校舎のデザインはおもしろい。正面玄関はそれほど広くないし、高さもそれほど高くない。ファサードは派手ではない。
☆やるなぁ。東京都市大学のグループのシンボルマークの立体バージョンじゃないか。茶室のにじり口を思い浮かべてほしい。入るときは狭いけれど、入ると空間がパッと広がる。知恵の吹き出しのイメージそのものというわけだ。
☆地下1階、地上4階で、回遊式に教室が並び、内側には広いスペースができる。中庭?とでも言おうか。文化祭のときなどの劇場空間としても活用されているし、ふだんはコミュニケーションスペースとなっているようだ。
☆しかし、ちょっと考えてみたら、体育館やグランドがあるのだから、このスペースにもっと教室をつくってもよいのではないか。贅沢な空間づくりではないか。
☆そう考えるのは浅知恵だし、発想が貧困なのだろう。クリエイティブな空間にはゆとりがないといけないだろうし、この互いにどこからでも視線を交差できる空間こそ、透明度の高い民主的な対話空間として、同校の魅力をシンボライズしている空間なのではないだろうか。
☆同校の先生方との話し合いは、無駄がないだけ、豊かな話し合いができる時間がもてる。合理的なんだけれど、それだけ大事なことが話し合えるというパラドクスが魅力的だ。それを物語る空間は随所にある。
☆講師室もカウンターがあって、常に開かれている。夏休みに講習で学んでいる生徒がさりげなく話しかけているシーンは、当たり前のようだが、他校では意外とない。また、回遊式の廊下には、コミュニケーションスペースが随所に設けられているのも、対話や民主的雰囲気をあらわしている。
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