私立中高一貫校の4つのタイプで伸びる学校が予想できる
☆桐光学園の「テオリア」と「学問のツバサ」を読んでいるうちに、桐光学園と男子御三家の教育の質の差異に気づき、「変わる教育 【04】 桐光学園と御三家の違いから見える未来」というメモを書いた。
☆そして描き終わってから、一般化できると思い、「リベラルアーツ」のベクトルと「進学指導」のベクトルの大きさで描いてみた。
☆さらに、エクセレントスクールはリベラルアーツを「論文」と「知の最先端or世界思想」のベクトルに分けた。これが桐光学園の「テオリア」と「学問のツバサ」にヒントを得た着想である。
☆これによって、女子御三家もエクセレントスクールどうしの差異を説明できる。
桜蔭:リベラルアーツ=「論文」
雙葉:リベラルアーツ=「レポート」×「カトリック」(という世界思想)
JG:リベラルアーツ=「卒業論文などたような論集」×「プロテスタント」(という世界思想)
☆ということとなる。「レポート」というのは各教員が任意で行っており、学校全体の取り組みではない。
☆このように考えていくと、武蔵野女子学院は浄土真宗という世界思想がベースで、進学指導にも力を入れているわけであるから、論文指導を学校全体の取り組みとし、システマチックにすれば、エクセレントスクールとして飛躍することができよう。
☆共立女子は、「論文」に6年間学校全体で取り組んでいるし、クーデンホーフ・カレルギーの「友愛革命」という世界思想を背景にもっているからそれをもっと顕在化すれば、女子御三家を追撃できる。まっ、追撃する必要性があるかどうかはまた別問題であるが・・・。
☆鴎友学園女子の場合は、「論文」システムがあり、「プロテスタン主義」という世界思想も持っているから、やはりJGと並ぶ勢いであるのは納得がいく。
☆中村中も、「カトリック主義」が背景にあったり、「庭園発想」というユートピア思想が身近にある。ここをもっと意識化し、本格的な「論文」指導のシステム化をすれば、さらに飛躍するだろう。もっともシステム化の影の部分を警戒するリスクマネジメント力があるので、別路線で進むだろうが。
☆聖学院もプロテスタントという世界思想を前面に出している。あとは「論文」のシステムだ。「進学指導」はオーストラリアのクイーンズランド大学との提携などグローバル。これからの飛躍が楽しみ。
☆八雲学園もサンタバーバラのケイトスクールと提携することで世界思想とつながっている。芸術全般への表現活動も盛んだ。まだまだ飛躍するということだろう。
☆東京女子学園も英語教育と實吉理事長校長の世界思想が背景にある。論文指導のシステムも着々。そして新しい進学指導システムを創った。やはりこれから飛躍するだろう。
☆白梅学園清修も、ヨーロッパ(イギリスと大陸)研修とラグビーの精神という世界思想を背景に、進学指導システムを展開しているところ。やはりこれからが楽しみだ。
☆フェリス女学院、湘南白百合、横浜女学院、聖園女学院、カリタス、晃華、栄光、聖光などのキリスト教ミッションの学校の教育の質が豊かなのも、リベラルアーツ構築ベクトルでとらえることができるだろう。
☆いずれにしても学校選択の4つのタイプという実用的なところから出発したクオリティスクール分析であるが、新たな展開が始まる予感がする。10月あたりちょっと期待しておいてほしい。
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