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2009年7月

学校経営的視点

★学校を選択するとは、学校の経営的状況と未来性を検討することであり、学校説明会に父親が参加する数が多くなったことにより、このような学校経営的視点が今後ますます重視されるようになるだろう。

★教育において商品は教育サービスであるが、いわゆるサービス業とは違うので、むしろ教育ソフトと置き換えた方がよいだろう。この教育ソフトパワーとその質とそのソフトの保護者や受験生への共感度アップが生徒獲得戦略の目的となる。

★つまり教育ソフトの充実と生徒獲得戦略は、私立学校経営において両輪である。

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2つのエクセレントスクール[14] 東京都市大学付属中の魅力 【了】

2つのエクセレントスクール[13] 東京都市大学付属中の魅力 【3】のつづき。

☆東京都市大学付属中の各授業のスタイルは、対話型である。いわゆるワンウェイ講義形式ではないということだ。

☆国語科の教師と数学科の教師の対話を聴きながら、あっ同じ質感が授業の中でも展開されているのだなとイメージできた。夏期講座も少し覗いたが、集中してはいたが、威圧感はなかった。

☆入試問題は学校の顔であるというのはもはや通説になっているのだが、東京都市大付属中の入試問題もそれをパーフェクトに反映している。国語では詩が必ず出題される。詩は受験生特に男子にとってはとっつきにくい素材。だから敬遠されがち。

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2つのエクセレントスクール[13] 東京都市大学付属中の魅力 【3】

2つのエクセレントスクール[12] 東京都市大学付属中の魅力 【2】のつづき。

P7230056 ☆今回訪れた時期は夏休み、講習が行われていた。また、学校に勉強しにきている在校生もいたようだ。

☆学びの空間としては、たいへんオープン。普通教室であろうと、理科室であろうと、とにかくガラス張り。

P7230064 ☆解放感というか開放性というか、廊下も広いし・・・。あのファイマンは、好奇心、開放的精神、問いの視点を、科学の目の3要素としているが、教育工学的な空間づくりとしては、ファイマンとシンクロする。

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2つのエクセレントスクール[12] 東京都市大学付属中の魅力 【2】

2つのエクセレントスクール[11] 東京都市大学付属中の魅力 【1】のつづき。

☆東京都市大付属中の通学経路は、成城学園前から歩いてくるグループ、あるいは二子玉川からバスで通学するグループが多いだろう。どちらの駅も開発が進み、その都市は文化的な水準の高い雰囲気の都市デザインが進んでいる。あたかも同校の新校舎建設に合わせて開発が行われたかのようだ。

☆東京都市大自体が、建築デザインで活躍している人材を輩出していることもあり、経済的にも文化的にも豊かな都市計画が目の前で広がっている空間を通って学校にやってくるのは、知的刺激を受容しながら通うことができ、キャンパスの延長上も教育空間の条件をそろえている点で、他校にないアドバンテージを有している。

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2つのエクセレントスクール[11] 東京都市大学付属中の魅力 【1】

☆今春から、武蔵工大付属中は、「東京都市大付属中」と名称を変えたが、それは名前とともに、教育の中身も魅力的になったことを意味する。すでに3年前から中高一貫体制を着々と進め、来春には新体制になってからの新高1が誕生する。

☆文科省の学習指導要領の改訂もあるが、それよりも新高1を迎えるにあたり、6年間一貫カリキュラムの充実を目指している。

☆もちろん、同校の魅力は、今初めて生まれたのではなく、もともと「有る」ものなのだが、受験市場のフィルターが色濃くかかり、その本来の魅力が見えないできた。

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警戒水域か?私立中高一貫校生徒獲得戦略 面舵いっぱい?

☆世界同時不況が慶応の新戦略である小中一貫校開校をいったん挫いた。延期を決定したという。

☆お金の問題が大きいだろうが、経済問題と表裏一体の法律問題も背景にあるのだろう。政権交代予想による公立復権への動きへの予防策・リスクマネジメント。

☆塾関係の情報センターの多くは、中学受験生の数の右肩下がりを受験市場が冷えるとして発表の仕方を工夫してきたが、来春もはやそれはできない。だいいち、すでに学校関係者は誰しも受験生増というのは大本営発表さながらだと思っている。

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公立中高一貫校と私立中高一貫校の差異<2>

☆昨日、「公立中高一貫校と私立中高一貫校の差異」を書いたら、別業界の友人から「私学の変わらぬ理念こそ優位なのだから、その点に関して公立はそれほど模倣できないって書いてあったけれど、なぜ模倣できないのか、憲法前文の思想背景の復元をしたらと君だって言っているじゃないか、矛盾では?」と、飲みながら・・・。

☆説明不足だったので、こう説明した。もし復元できたら可能だけれど、たぶんなかなかできないという現実的な話をした。

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公立中高一貫校と私立中高一貫校の差異

☆「公立中高一貫校伊奈学園の評価報道される」という教育関連ニュースを読んでくださったある私立中高一貫校の先生から、「公立中高一貫校で、私立よりリベラルアーツの充実に力を入れているところがあるのは、本当は本間さん知っているのに、厳しい書き方していますね。私立の中には公立中高一貫校に市場をとられているところもあるでしょう」と指摘された。

☆たしかにすごい公立もあるが、このところ書き続けている、三次元の奥行きの部分がない以上、私立学校と公立学校の差異はあり続ける。

☆私立と公立という比較においては、どんな私学もその奥行きがはっきりするからだ。

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2つのエクセレントスクール[10] 武相の気品

☆前回浅野とサレジオの差異を紹介したときに、理念は括弧にいれて、男子校は結局偏差値と進学実績の差異で選択判断されがちだと書いた。

☆この傾向は神奈川エリアにおいてわりと強い。このことはベクトル図でいうと、選択者は縦軸と横軸の二次元のフィルターでしか選択判断をしないということになる。

☆だから、もう1つのエクセレントスクールである奥行きのベクトルが見えない。桐光学園の分析で発見したように、3次元の奥行きのあるエクセレントスクールを見出せる選択者は、神奈川エリアの男子校ではなく、東京エリアの男子校を選択してしまう。

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2つのエクセレントスクール[09] 浅野とサレジオ

☆浅野とサレジオ学院は、財界創設と神父創設という大きな差異があるが、それが日常の学園生活で前面にでてくるわけではない。

Asanosarejio ☆したがって、偏差値や大学進学実績の差異で選択されがちである。

☆もしこれが女子校であったなら、創設の経緯の違いからくる雰囲気の違いがポイントになるところである。

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リクルート と 三木清

☆リクルートが出版している「キャリアガイダンス №27」は、タイムリー。中教審などにおける、高校卒業後の就職を学ぶ機関の設置や授業、キャリアガイダンスの強化の流れを鷲づかみにしている。

●関連記事)職業教育特化の学校構想 中教審

●関連記事)学生向けに業界研究講座  河合塾

☆どのページを読んでも個の「生きる力」をいかにサポートするか、そのプログラムやノウハウ満載。ベンチャーキャピタルの大物原丈人氏の語る型破りな人間になれエールは、成功者の価値観を高らかに謳っている。

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2つのエクセレントスクール[08] 東京女学館

☆≪私学の系譜≫として東京女学館は異彩を放つ潜在的なエネルギーを持っているが、そこは封印されたままである。

☆その封印されたエネルギーがあるからこそ、エクセレントスクールとしてのポジションを維持しているわけだから、在校生やOGにとってはそれ以上なにも望むべくもない。

☆しかし、98年・99年ごろ当時の館長渋沢雅英先生は、なぜあれほど改革を推し進めたのか。大学の問題もあっただろうが、東京女学館が、渋沢栄一の精神である経済道徳合一論を引き継ぎ、それを教育の中で展開しようとしたからではないか。

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2つのエクセレントスクール[07] エクセレントスクールに向かう白梅学園清修②

2つのエクセレントスクール[06] エクセレントスクールに向かう白梅学園清修 のつづき

☆前回本ブログで、国語、数学、英語の先生が、それぞれ違う言葉で、受験勉強を超える世界標準以上のプログラムを実践していることについて語ったと書いた。

☆このことは重要である。白梅学園清修の教育力の大きさを物語っているからだ。

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2つのエクセレントスクール[06] エクセレントスクールに向かう白梅学園清修

☆7月11日(土)、白梅学園清修は学校説明会を開催した。昨年までは夏前に学校説明会を行わなかったが、今年はすでに3回目である。

P7110014 ☆また来春の入試改革も行い、草創期5年目を迎えるにあたり、広報活動や教育活動の再構築に動き出している。

P7110004 ☆それにしても、開催1時間前に訪れたが、1期生である4年生(高1)がかいがいしくもてなしの準備を手伝っていた姿には感動した。写真のように教師と生徒が一丸となって輪になっている姿は、白梅学園清修のミームでもある。

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2つのエクセレントスクール[05] 本郷の教育の質飛躍

2つのエクセレントスクール[04] 豊島岡と共立女子の差異のつづき

☆本郷中があらゆる領域で活発な教育活動を開始しその成果をあげている。飛躍的な進学実績をあげ続け、本来ならそれで十分安泰なはずが、ここ数年リベラルアーツにも力を入れてきた。

☆そして、東京都高等学校対抗バンドフェスティバルでグランプリをとった本郷のメンバーがこんなことを言うようになった。フェスティバルのプレゼンで

オレらはただ大会やりに来た訳じゃなくて、ただ評価されるために来た訳じゃなくなくて、ここにいるみんなになんかメッセージ届けたいなと思ってここに来た訳で。音楽ってなんか人の考え変えることも出来るし、自分の考えだって変えることが出来るし、なんか人の事引っ張っていくことも出来るってそうゆぅ力もってるって思う。

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2つのエクセレントスクール[04] 豊島岡と共立女子の差異

2つのエクセレントスクール[03] 栄光と聖光の差異のつづき。

☆豊島岡女子と共立女子は、ベクトル図で比較しなくても違いは感覚的にわかるかもしれないが、だからこそその感覚に合うかどうか確かめてみたい。

☆両校ともイベントや部活は活発で、留学や海外研修などの国際理解教育に比べれば、日本の文化を基調とした教育活動のほうが活発である。

☆進学実績の差異は、はっきりしている。豊島岡女子のほうは明快に東大や医学部に合格させることに力をいれていることが伝わるが、共立女子の方は、そこにこだわっていないということがきちんと伝わってくる。

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2つのエクセレントスクール[03] 栄光と聖光の差異

2つのエクセレントスクール[02] 駒東と海城の差異のつづき。

☆神奈川エリアのカトリック男子校と言えば、栄光学園と聖光学院。大学進学実績や偏差値で比較すると、差異はないと言っても過言ではない。

☆しかし中学入試問題をみると、その差異は歴然だ。

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2つのエクセレントスクール[02] 駒東と海城の差異

桐光と比べると、駒東と海城の教育環境の差異が見えなくなるが、駒東と海城を比較するとその差異がはっきりする。

Photo ☆両者との比較で、あくまで相対的だが、駒東が理念主義的エクセレントスクールで、海城が理念脱構築主義的エクセレントスクールということになるか。

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2つのエクセレントスクール[01] 芝はシステム論的

☆成熟期を迎えているエクセレントスクールでも、内生的発展をし続けている学校と停滞期に突入している学校がある。

☆その違いはどこにあるのか?それはこのところリベラルアーツのベクトルが線か面かでみてきている。

☆内生的発展をし続けているエクセレントスクールは、リベラルアーツが面である。それに比べ停滞(高いレベルを維持している意味も含むが)期エクセレントスクールは、リベラルアーツが教養主義的あるいは道徳論的だ。建学者の理念を前面に出すが、それがどのようにリベラルアーツに具体的に浸透しているのか明快ではない。

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伸びる学校[055] 立教女学院の魅力[了] 独り言

伸びる学校[054] 立教女学院の魅力[2]のつづき。

P7040112 ☆新校舎の図書室を訪れて驚いた。ここにも立教女学院のミームがあると。この光と空間の雰囲気は、男性中心社会の目線から見れば見えない≪女学生の系譜≫があるなぁと。

☆明治以来、日本の近代官僚社会は男性中心社会であったことは異論はないだろう。そこでは、女性はガラスの箱に飾っておく「永遠の少女」という思いがあったし、今もどこかにそれがあるだろう。

P7040121 ☆しかし、与謝野晶子と親交のあった当時の女子校の創設者らは、全くそんな感覚を度外視していた。むしろ男性や彼らの作る社会にインパクトを与える≪運命の女性≫(ファム・ファタール)輩出の拠点づくりに貢献していたのだと思う。そしてそのミーム≪女学生の系譜≫は今も続いている。。。

☆立教女学院はまさにその拠点の1つだ。

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伸びる学校[054] 立教女学院の魅力[2]

伸びる学校[053] 立教女学院の魅力[1]のつづき。

P7040120 ☆「きっちり勤勉型」の学びと「のびのび発想型」の学びは、実はともすれば矛盾する。それゆえ、統合することなく、どちらか一方に偏るわけだ。これがよくない。「きっちり勤勉型」だけというのは賢い人間は生みだせるが、人間的奥行きが浅くなりがち。

☆「のびのび発想型」も行き過ぎると歯止めがが利かない。過剰な金融資本主義の担い手は、このタイプだっただろう。はじめのうちは機知に富み、いろいろな関係を重視するから頼もしくおもしろい奴だと勘違いする。そのうち、倫理も何も踏み外す。

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伸びる学校[053] 立教女学院の魅力[1]

7月4日、立教女学院で「授業見学会」が行われた。実によいプログラムだった。2,000人弱は訪れていたのではないだろうか。

P7040145 ☆午前中公開された授業では、「きっちり勤勉型」スタイルの学びの姿を見ることができた。そして午後の部活の公開では、躍動感ある「のびのび発想型」スタイルの学びの姿を目にすることができた。

☆訪れた受験生・保護者は、さらにイングリッシュ庭園風の緑あふれる環境と新校舎の合理性と旧校舎の趣に感動しているようだった。また、清楚な私服姿に、好感も持っていたようだ。廊下を歩いているときに、どうしてもそういう話が耳に入ってきたのだ。

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私立中高一貫校の4つのタイプで伸びる学校が予想できる

P7020104☆桐光学園の「テオリア」と「学問のツバサ」を読んでいるうちに、桐光学園と男子御三家の教育の質の差異に気づき、「変わる教育 【04】 桐光学園と御三家の違いから見える未来」というメモを書いた。

4 ☆そして描き終わってから、一般化できると思い、「リベラルアーツ」のベクトルと「進学指導」のベクトルの大きさで描いてみた。

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伸びる学校[052] 武蔵野女子学院 [2] キャンパスに埋め込まれている精神

伸びる学校[051] 武蔵野女子学院 [1] のつづき。

武蔵野女子学院のキャンパスに一歩足を踏み入れるや、浄土真宗という世界思想に触れられる。正門からでも北門からでもそれは同じだ。意外と気づかないかもしれないが、大きな書体で聖語が掲げられている。毎月言葉は変わるが、6月は「大いなるものの力にひかれゆくわが足跡のおぼつかなしや」。

☆自分の力ではどうしようもないことも、大きな力にひかれてなんとかやっている自分をふりかえっているシーンであろうか。他力本願という生かされている自分を見つめる聖語なのだろう。

☆それから広いキャンパスであるから、正門からだと一本道を歩いていくことになる。その両サイドには樹木の並木になっている。この時季だと紫陽花が咲いているし、やがてイチョウ並木、そして松に出会う。

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